2011-07-29 京都会館改修、広く議論を 建築家 森田一弥 -「京都新聞」
京都会館改修、広く議論を 建築家森田一弥
 京都市左京区の京都会館を、世界的なオペラ公演も可能な施設に再整備(2014年度完成目標)するとの基本計画案を、市が発表した。現在の建物の保存改修を基本としながらも、第一ホールの全面建て替えを含むこの案は、建築関係者にはおおきなショックとともに受け止められた。
 日本の近代建築のなかでも傑出した作品である京都会館は、将来は重要文化財となるべき価値を持つ存在だからだ。

欧州で多いコンペ
古い建物を取り壊さず、部分改修して活用することは、世界では「常識」といえる。パリのオルセー美術館は駅舎を、ロンドンのテートモダン美術館では旧発電所を改修した建築だ。しかし、ただ使い回せば良いわけではない。オリジナルな価値を損なわないよう、市民に使いやすく新しい魅力を備えた改修設計が求められる。それは建築家としてもとても難しい課題である。
 ヨーロッパでは、公共建築の設計者は新築・改修を問わずほとんどがコンペで選ばれる。設計案を公募して市民に開示し、複数の審査員によって最も優れた案を選び、その作者を設計者として決定する。決定過程の透明性が高く、設計途中で利害関係者の圧力などで図面が変更されれうことも避けられる。
 今回の京都会館改修では、プロポーザル方式が採用されるという。コンペと違い、設計者が選ばれた後で実際のプランが作られる。これではどんな設計になるか市民にわかりにくく、優れた案が生まれるかどうかも疑問と言わざるお得ない。

 
今回のような文化的問題は、市民に情報が詳細に公表され、さまざまな場で計画のよしあしが議論されることが最も重要である。そうしたプロセスが市民一人一人の文化意識を高め、日常的に芸術を楽しもうとする生活につながるのだ。


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2011-08-01 建築家森田一弥氏の京都会館問題新聞記事(京都新聞)とその反応のまとめ-「Togetter」
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by 2011-kyoto | 2011-07-29 00:00 | 2011/07
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