2012-01-16 京都会館建物価値継承委員会 第3回会議 傍聴メモ(1) 事務局説明
2 第一ホール舞台内高さを27メートルとしたことについて

第3回の概要はこちら

(敬称略)
■配布資料紹介(尾崎)
2012-01-16 建物価値継承委員会 第3回会議配布資料-「京都市情報館」参照
2 第一ホール舞台内高さを27メートルとしたことについて
岡崎委員長
今回の会議では前回の会議で議論になりました基本計画において舞台内高さを27mとしたことについて京都市から説明を受けます。
また、前回の会議において建物の価値継承に関する議論をふまえて検討していただいております基本設計の素案とその考え方について事務局から説明をしていただいております。その後基本設計をまとめていくにあたって、特に外観を継承した建物価値の継承について具体的な意見をあげていただきます。
議論については具体的に項目をわけて、進めさせていただきたいと思います。

それでは事務局から基本計画を舞台内高さを27mとしたことに、および、今回提出された基本計画設計の素案についてそれぞれ説明をお願いします。
内山(事務局)
それではよろしくお願いいたします。

私どもとしては基本計画で舞台内高さを27mとして設定いたしました
その考え方についてご説明を申し上げます。

資料1をごらん頂きたいと思います。
京都会館の再整備については第1回の検討委員会でも話しにありましたが、9年間にわたる検討のうえ、昨年1月25日から2月24日までパブリックコメントを行い、いただいたご意見を参考に昨年6月に基本計画を策定したとことです。資料1-1京都会館の位置づけをご覧ください。京都会館につきましては、京都会館条例1条に記載されていますように「さまざまな演目が公演されることによって本市における文化の振興及び市民の豊かな生活の形成に寄与することを目的」としています。

建設当初から多目的ホールとして利用されております、その推移につきましては資料2でまとめておりますのでご参照いただければと思います。
ただ、建設当初と違いまして、近年ではポピュラー音楽などでもセットが大型化し、公演先の選択から除外されるというケースが出てきております、この点に関してましては1月13日の京都新聞の記事にもございましたけれども、最近の3年間でオリコンのトップ30にはいったアーティストが京都会館でコンサートを開いたのがわずか1回しかなかったということがあげられていることでもおわかりいただけると思っています。この原因といたしましては、現在の京都会館第一ホールの大きな問題点であります、舞台の奥行きがないこと、多様な演出に対応するようなフライタワーがなく舞台内の上部空間が十分に確保できていないことなどいう点が挙げられています。今回の再整備におきましては現代の演出に十分対応できる舞台内高さを確保し、フライタワーを設けるという点がコンセプトとしておる点でございます。

次に2の再整備に向けた各種団体へのヒアリング及び市民アンケートの実施をご覧ください。
昨年6月に策定しました基本計画策定までの取り組みとしましては、記載しておりますとおり、舞台芸術関係者や利用団体へのヒアリング等を行ったところであります。また昨日1月15日にも、京都会館を利用されている団体等に説明会を開催したところであります。
つづきまして3の、再整備の基本方針ですけれども、基本計画の中では再整備の基本方針としてまして、文化の殿堂として多様な利用ニーズに答えるよう機能向上をはかるということとしています。
特に第一ホールは府内唯一の2000席を有するホールとして、いろんな利用ニーズ、演目ができるように舞台機能拡充と大幅な改善をはかることとしています。

4の第一ホールの基本計画上の舞台内高さ
まず(1)のプロセニアム高さについてですが、京都府合唱連盟や平成16年度に実施をいたしました、プロモータ6社に対するアンケートの結果では6社のうち5社からプロセニアム高さを12m以上がほしいという要望をいただいているところであります。また総合舞台美術の世界水準ではなくても国内の標準的な演目におきましても舞台を全面に組む場合やあるいは高さを強調する、そうした演出を行うにはプロセニアム高さを12m以上ほしいというふうなご要望をいただいておるところです。
 またのちほど資料4でご説明させていただきますが、近年各地で建設されました同規模のホールでも12mのプロセニアム高さが標準的な高さとなっているところです。

次に(2)舞台内高さの考え方についてですが、プロセニアム高さと密接な関係があります。吊り上げた舞台装置が客席から見えないようにするために必要な高さを確保することが必要です。この高さを確保することで国内の巡回公演での演出に支障をきたすことなく対応が可能となることから、基本計画では舞台内高さを27mとしたところであります。
 
これらの高さを確保できない場合ですけれども、たとえば国内を巡回するような公演であるとか他のホールで行われた装置をそのまま舞台上で飾ることができないということになります。その場合、演出上の工夫を行ったり、あるいは装置をカットしたりする必要があります。そのために手間と時間がより必要となります。コストアップにつながり、公演先の選定から除外される可能性が生じることになってしまいます。
 この点につきましては、昨日の舞台関係者の説明会でもプロモーターの方から、全国で京都会館だけが同じステージが組めないというようなことで、琵琶湖ホール等に公演が移っているという状況があります。またオペラ関係者からも他団体との合同公演や巡回公演ができないというご指摘もございました。
 最近では舞台内高さ30mというところも増えてきている状況です。京都会館におきましては標準的な高さである27mが最低限必要だというふうに考えているところです。
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尾崎(事務局)
それでは高さの説明についてですが、お手元の資料と前のスクリーンを使ってご説明申し上げます。

この図はホールの断面図をオーケストラピットを使った場合の最前列のお客様の視点からどのように舞台がみえるかということをサイトラインを検証したものです。スノコの高さが27m、いわゆる舞台内高さが27mの図です。

 舞台上部には緞帳、ライトブリッジなどと呼ばれる照明等をつるしておく機構などがございます。
一般的に文字幕の設置高さ、演出上の高さは9mということで設定されることが多いということです。新国立劇場での作品でも9mが標準ということです。
お客様の目線から見た際に視野一杯に画面がとらえられること、上を見た場合にセットの装置が切れているということのないようなことが一般的に求められています。ご覧いただいてわかりますように舞台を見たときの目線として、それぞれの背景の幕が舞台装置が前にくればくるほど、視野を確保するために高い幕が必要になってくるということがご覧いただけるかと思います。

 緞帳の部分とコロセニアム12mの高さの幕を上げるということになった場合、あげきった場合、どこまであがるかということになります。スノコの部分から吊り下げるわけですが、安全面とか、実際に有効幅としてはこの下から1.2m程度おりたところまでが最大のつり上げ幅ということになると思います。27から1.2をひくと25.8、12x2ということで24、25.8ではということでは十分にあがりきっている状態ということがご確認いただけると思います。それがこの12mの話しですが、次にこちらで一番長い幕として出てまいりますのが、12.5m、つまりプロセニアムの位置よりも長い幕を十分にとびあがらせる必要があると。こちらのお客様からの目線でみたときも十分に見えない状況、27mの場合はとびきっているという状況がご確認いただけると思います。
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次に25.0mの場合(B)になるととびきらないという状態がご確認できると思います。先ほどと同じですが、25mから1.2mひいた23.8mが有効幅ということになります。この場合12mの緞帳になると、あげきった場合に下のすそがお客様から見えている状態。一番前の背景幕についてもあげきった状態でも見えている、いわゆるとびきらない状態です。舞台内高さを25mとする場合については文字幕の位置を下げる、あるいは背景幕のサイズを高さが小さなものに限定する、場合によっては高さをカットするという対応が特別に必要になってきます。しかしながら、公演で使える幕が限定される、あるいは舞台幕をカットするということは本来の演出ができないということになってしまうだけでなく、一般的な舞台セットからの改変が必要になってきますことから公演に余分な費用が発生することにつながります。舞台美術としての背景幕の飾り方については演出上大きな意味をもつ、使える吊り上げ高さについては劇場の良し悪しを判断する重要な要素になってきます。
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つづきまして資料4でございます。近年建設されました、多様なホールの事例をあげています。1990年平成2年から1999年平成11年まで、それが赤い〇で示してます。2000年平成12年以降に作られたものが青い〇でございます。
1枚目、こちらがスノコ高さ、舞台内高さでございます。ラインをひっぱっている部分、こちらが27mの舞台内高さ
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2枚目、これがプロセニアム高さを求めたものです。赤い線で引っ張っているのがプロセニアム12mの高さのところで線をひいています。多くのホールでこの高さをひとつの基準として、この高さをクリアすることで、舞台規模を必要とする公演選定から漏れることがなくなるものと考えております。舞台美術をカットすることなく公演できる機能を確保すること、他のホールで行われていることを特別な工夫をすることなくできるようにするということにつきましては、市民の皆様にとってはより多様な演目、幅広い舞台芸術の鑑賞する機会の確保につながると考えております。
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岡崎甚幸 武庫川女子大学生活環境学部建築学科教授、京都大学名誉教授 委員長に選任
内山修 担当室長 文化芸術都市推進室事務局員
尾崎学 担当課長 文化芸術都市推進室事務局員



■京都会館建物価値継承委員会 第3回会議 傍聴メモ(1) 事務局説明

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第3回京都会館の建物価値継承に係る検討委員会 摘録より

1 開 会
(1) 資料の確認
事務局
2 議題
岡﨑委員長

・ それでは,本日の議事を進めさせていただく。
まずは,前回の会議で議論となった,基本計画において舞台内高さを27メートルとしたことの考え方について,京都市から説明を受ける,また,前回の会議の建物の価値継承に関する議論を踏まえ,検討中の基本設計の素案とその考え方について,事務局からの説明を受ける。
・ また,基本設計をまとめていくに当たって,主に外観を中心とした建物価値の継承について,具体的な議論を深めていきたいと思う。
・ 少し項目を分けて項目ごとに議論を進めていきたい。
それでは,基本計画で舞台内高さを27メートルとしたこと及び今回提出された基本設計の素案について,それぞれ説明をお願いする。

(1) 第一ホール舞台内高さを27メートルとしたことについて


事務局(内山文化市民局文化芸術都市推進室長)

・ 基本計画で舞台内高さを27メートルとした考え方について説明させていただく。
資料1を御覧いただきたい。
・ 京都会館再整備については,第1回の検討委員会でも申し上げたが,9年間にわたる検討のうえ,昨年1月25日から2月24日までパブリックコメントを行い,頂いた御意見を参考にし,昨年6月に基本計画を策定した。
・ 〔Ⅰ〕の「1 京都会館の位置付け」を御覧いただきたい。
京都会館は京都会館条例第1条に記載されているように,様々な演目が公演されることによって,文化の振興や豊かな市民生活への寄与を目的としている。
・ 建設当初から多目的ホールとして利用されており,その利用用途の推移については資料2を参照いただきたい。
・ ただ,建設当初とは異なり,近年はポピュラー音楽などでもセットが大型化し,公演先の選択から除外されるというケースが生じている。
この点に関しては,先日,1月13日の京都新聞の記事でも,最近の3年間でオリコンのトップ30に入ったアーティストが,京都会館でコンサートを開いたのは1回しかなかった状況が取り上げられているという点からもお分かりいただけると思う。
・ この原因としては,現在の京都会館第一ホールの大きな問題点である,舞台の奥行きがないこと及び多様な演出に対応するのに必要なフライタワーがなく,舞台内の上部空間が十分に確保できていないという点が挙げられる。
・ したがって,まず,今回の再整備においては,現代の演出ニーズに十分対応できる舞台内高さを確保する,フライタワーを設けるという点を大きなコンセプトとしている。

・ 「2 再整備に向けた各種団体へのヒアリング及び市民アンケート等の実施」を御覧いただきたい。
・ 昨年6月の基本計画策定までの取組としては,資料にも記載しているとおり,舞台芸術関係者や利用団体などへのヒアリングなどを行った。
また,昨日にも京都会館を使用されている団体を対象に説明会を開催した。

・ 「3 再整備の基本方針」について,基本計画での再整備の基本方針として,「文化の殿堂」として多様な利用ニーズに応えることができる舞台機能の改善を図ることとしている。
特に,第一ホールについては,府内唯一の2,000席を有するホールとして,多様な利用ニーズや演目に対応できるよう,舞台規模の拡充と舞台機能の大幅な改善を図ることとしている。

・ 「4 第一ホールの基本計画上の舞台内高さ」について説明する。
まず(1)のプロセニアム高さについては,京都府合唱連盟や平成16年度に実施したプロモーター6社に対するアンケート結果では,プロモーターの6社のうち5社からプロセニアム高さ12メートル以上を確保してほしい旨の要望をいただいている。
・ また,総合舞台芸術の場合では,世界水準ではなくとも,国内の標準的な演目においても,舞台の制作者から舞台セットを前面に組む場合,あるいは高さを強調する演出を行う場合などにはプロセニアム高さが12メートル以上ほしいとの要望をいただいている。
また,後ほど資料4で説明させていただくが,近年他都市で建設された同規模のホールにおいても12メートルのプロセニアム高さは標準的な高さとなっている。
・ 次に,(2)の舞台内高さの考え方については,舞台内高さはプロセニアム高さと密接な関係がある。
・ 吊り上げた舞台装置が客席から見えないようにするために必要な高さを確保すること,プロセニアム高さの場合と同じように,他都市の同規模ホールにおいても舞台内高さは27メートル程度が標準的な高さとなっており,この高さを確保することで国内の巡回公演での演出に支障をきたすことなく対応できるため,基本計画において舞台内高さを27メートルとしたものである。
・ これらの高さを確保できていない場合,例えば,国内を巡回するような公演が行われる際に,他のホールで行われた舞台装置をそのままの形では舞台上で飾ることができないということとなる。
・ その場合,例えば,演出上の工夫や装置のカットを行う必要があり,そのために手間と時間が余計に必要となるため,コストアップにつながり,公演先の施設として選定の候補から除外される可能性が生じることとなる。
・ この点については,昨日の利用者説明会でもプロモーターから「全国で京都会館だけが同じステージが組めないため,びわ湖ホールなどに公演が移っている」との指摘があった。また,オペラ関係者からも「小規模な演目であっても他団体との合同公演や,巡回公演ができない」との指摘があった。
・ 最近のホールでは,舞台内高さ30メートルというケースが増えている状況であり,京都会館においては標準的な高さである27メートルの高さが最低必要であると考えている。
それでは,具体的な舞台内高さの考え方に関して説明させていただく。


事務局(尾崎文化芸術企画課京都会館再整備担当課長)

・ 資料3を御覧いただきたい。
この図はホールの断面図を,オーケストラピットを使用した場合に最前列の観客からどのように舞台が見えるのか,サイトラインを検討したものである。
Aでは,舞台面からスノコまでの高さ(舞台内高さ)が27メートルの場合にどのように見えるのかを検証している。
・ 舞台上部には緞帳や「ライトブリッジ」と呼ばれる照明等を吊るしておくための機構があり,このライトブリッジを客席から隠すために「文字(もんじ)幕」と呼ばれるものを吊り下げることになる。
・ 文字幕の設置高さがポータル高さと合わせて演出上の有効な高さとなってくる。この高さは一般的に9メートルで設定されることが多く,新国立劇場で制作されている作品においても9メートルの高さが標準であるとお聞きしている。
・ 次に背景幕が使用されるが,観客からの視線を考えた際に,視野いっぱいに画面が捉えられることを考えた場合,舞台セットの装置が切れていないということが必要になってくる。
・ 舞台を見たときの目線として,それぞれの背景の幕が前に出てくるときには(見える範囲が広くなるので)背の高い幕が必要となり,大きいもので高さが12.5メートルになってくる。
・ プロセニアム高さが12メートルの場合,単純に言うと12メートルの2倍の高さが必要となってくるが,スノコからセットを吊り下げる際には構造上や安全対策から,吊り下げる位置はスノコから約1.2メートル程度下部に位置することになるため,実際に使える吊り上げ高さは舞台内高さが27メートルの場合は約25.8メートル程度になる。
・ 舞台内高さが27メートルの場合は12.5メートルの舞台幕が十分に上がりきっている,飛び切っていることがお分かり頂けると思う。
・ Bの舞台内高さが25メートルの場合は,このバトンの位置関係から使える吊り上げ高さが約23.8メートル程度となり,この場合,12メートルの緞帳についても裾の部分が見える
ことになり,幕を飛び切らせることができない。
同様に,最前部の背景幕も上がりきらない,飛び切らないことが確認いただけると思う。
・ 舞台内高さを25メートルとする場合は文字幕の位置を下げ,あるいは背景幕の高さサイズを小さいものに限定する,場合によっては大きいものをカットするという対応が必要となるが,これは公演で使える幕が限定され,舞台幕をカットすることは本来の演出ができないことになってしまうだけでなく,一般的な舞台セットからの改変が必要となることから,公演に余分な費用が発生することにつながることになる。
・ 舞台美術としての背景幕の飾り方は,演出上非常に大きな意味を持ち,「使える吊り上げ高さ」は劇場の良し悪しを判断される大きな要素になる。
・ 次に資料4では,近年建設された1,500席以上で多様な演出に利用されるホールのプロセニアム高さ及び舞台内高さの事例を示している。
1990年(平成2年)から1999年(平成11年)までに建てられたものを赤い丸印で示しており,2000年(平成12年)以降に建てられたものを青い丸印で示している。
・ これをみると,多くのホールでプロセニアム高さが12メートル,舞台内高さが27メートル以上確保されており,この高さが一つの基準として,この高さをクリアーすることによって,舞台規模を理由に公演場所の選定候補から漏れることはなくなるものと考えている。
・ 舞台美術をカットすることなく,特別な工夫を施すことなく公演できる機能を確保することは,市民の皆様にとってより多様な演目,より幅広い舞台芸術を鑑賞できる機会の確保につながるものと考えている。
引き続き,今回提出している基本設計検討案について,公共建築部から御説明申し上げる。

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by 2011-kyoto | 2012-01-16 00:03 | 2012/01
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