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2011-12-01 平成23年11月 定例会(第6回)-12月01日議事録より-「京都市会」
平成23年11月 定例会(第6回)-12月01日

◆(倉林明子議員)

日本共産党京都市会議員団を代表して市長に質問します。

(中略)

 京都会館の建替え計画を中心とした岡崎地域の規制緩和についても結論ありきになっていないでしょうか。更なるにぎわいの創出などを図るとした岡崎活性化ビジョンを実現するために,特別用途地区の指定や用途地域の変更,地区計画の指定の都市計画制限を見直す都市計画決定を1月にも実施するとしています。いずれもこれまでの規制を緩和するもので,とりわけ新景観政策の高さ規制の例外を京都市自ら決定することに立場の違いはあっても批判の声が上がっています。11月の都市計画審議会では,規制緩和によりどんな施設が建設できるようになるのか,ビジョンで何を目指すのかが論点となりました。京都市は,現状のままで岡崎には魅力があると強調し,用途地区の変更など規制緩和を実施しても現状の土地利用は変わらない,これ以上何かできることは絶対ないとまで言い切りました。それならなぜ規制緩和が必要なのでしょうか。

はっきりしているのは,京都会館を31メートルの高さで建て替えるためには規制緩和が必要だということです。この建替え計画に対して,日本建築学会及び近畿支部,建築意匠委員会,京都弁護士会DOCOMOMOJapanなど専門家団体から相次いで保存を求める意見が寄せられています。3月のDOCOMOMOJapanの要望書では,大規模改築計画に対しこのまま計画が進めば建築的な価値や周囲の景観に対する落ち着いたたたずまいが大きく損なわれる危険性を否定できませんとし,京都の歴史にとっても将来に禍根を残すと指摘しています。専門家のこうした指摘をどう受け止めているのか認識をお聞かせください。

京都会館の値打ちを損ねるような建替え計画は撤回し,高さ規制の緩和は実施すべきではないと考えますがいかがですか。

 そもそも京都会館の改修は関係者の長年の要望であり,平成18年には改修計画案が検討会で出来上がっていたものです。その実施を先送りしてきた京都市が動いたのは,ロームの命名権で50億円余りを確保する見通しが明らかになってからです。そこで初めて出てきたのが建替え計画です。財源欲しさに岡崎の名建築を壊すようなことをすれば,岡崎公園全体のバランスを崩すことにもつながりかねません。1月の都市計画決定の方針を撤回し,岡崎は今のままの静かな岡崎でよいという周辺住民の声を改めて真摯に聞く公聴会を開催する必要があると考えますがいかがですか。

 公約で大規模集客施設を誘致するとしていたものが,実はオリックスの水族館を梅小路公園に建設させることでした。多くの反対意見が出されたものの,市長は公園の使用を許可し間もなく建物が完成しようとしています。梅小路公園の魅力が向上すると説明していますが,誰にとっての魅力なのでしょうか。水族館を公園施設と位置付けたために格安の使用料で借りることができ,利用者のための駐車場も公園施設として整備してもらい,交通アクセスも市バスで確保してもらうなど事業者であるオリックスにとっては魅力があることは間違いありません。広域避難場所や市民の憩いの空間という本来の公園機能の低下は避けられません。問題なのは,反対されても決断したらやるという市長の姿勢です。民主主義の原則を否定することにつながる問題だからです。大阪市長選挙では,反対されても自分の主張を押し通す独裁体制でよいのかが大きな争点になりました。反対意見も厳しい批判もしっかり受け止めて合意を作り上げていくことを放棄してはいけません。

市長門川大作) 

倉林明子議員の御質問にお答えいたします。
 まず,原発に対する認識についてでございます。京都市におきましては,これまで原発事故を想定した地域防災計画を策定しておりませんでしたが,この度の原発事故を受け福井県に立地する原発において事故が起こる場合を想定し,原子力災害対策に関する防災計画を策定いたします。そのための準備は既に進めております。またこの計画の策定には一定の期間を要することから,当面緊急的に取り組むべき対策について年度内をめどに暫定計画を取りまとめてまいります。
 原発の再稼働につきましてはストレステスト等の実施により安全性を十分に確認したうえで,立地自治体の理解を得て国が判断することとなっており,引き続き国や関西電力に対しまして原子力発電所の安全性を確保するよう働き掛けてまいります。原発安全協定につきましては,現在京都府において関西電力との間で安全協定締結の準備をされているところであり,今後その協定の内容を踏まえつつ京都府とも協議,連携しながら,京都市としての協定の必要性について十分検討してまいります。
 次に,四条通の歩道拡幅と公共交通優先化についてであります。この事業は平成18年度から,歩いて楽しいまちなか戦略推進協議会などを設置して,地元をはじめ商店街の皆様,関係団体,関係機関等と協議,調整を進めてまいりました。これまでに2度にわたる大規模な社会実験の実施や交通調査などを踏まえ地元の皆様に四条通の都市計画決定に向けた法定説明会を開催するとともに,都市計画案を作成し縦覧及び意見書の受付を行ってまいりました。今後はバス停の配置やタクシー,荷さばき車両の停車スペースの確保などについて,整備の内容及び整備後の自動車交通の流れに支障が生じるものではないことの分析結果などについて,年内に商店街や地域住民の皆様をはじめ関係機関に説明する場を設け都市計画決定に臨みます。四条通の整備やまちの活性化や都市間競争に勝ち抜くためにも,地元商店街などの多くの皆様の切実な願いであり,人と公共交通優先の歩くまち・京都のシンボルであるこの事業の実現に市民の皆様と共に全力を傾注してまいります。

 次に,京都会館の再整備についてでございます。京都会館再整備につきましては,岡崎地域の景観や京都会館の建物価値を維持しつつ,機能向上を図ることを基本として多くの方々の御理解を得て取り組んでまいりました。本年6月には再整備基本計画を策定し,舞台機能や音響面など問題点の多い第一ホールは建て替え,残る部分は既存の建物をしっかりと生かして改修を行うことを決定し,現在基本設計を進めております。現代の舞台演出に対応できる高い機能を有する公共のホールとして京都会館の利用価値を高めるためには,再整備基本計画にありますように第一ホールの舞台内高さは27メートル必要であり,そのうえで建物の価値を継承し景観にも配慮しつつ施設水準の向上を図ることが重要でございます。このため本年10月に日本建築学会をはじめ地元の建築団体の協力も得て設置した京都会館の建物価値継承に係る検討委員会の御意見を尊重しながら設計を進め,近代建築の再生,活用の新たなモデルケースとして皆様に喜んでいただけるような取組を進めてまいります。また,都市計画の見直しに当たりましては,約1箇月にわたり市民意見募集期間中に開催した2回の説明会におきまして延べ100名を超える皆様に見直し素案について説明し,309通の意見書を頂戴いたしました。これに加え,地域住民の方々には個別に訪問し詳細な説明を行ったところであります。また,市民しんぶんなどにより都市計画の見直し案の縦覧を幅広く周知するなど広範な市民の皆様の御意見をお伺いする機会をしっかりと設けながら手続を進め,周辺住民の皆様も含めまして多くの方々から賛成意見を頂いております。これらの御意見を踏まえ,市民の財産である岡崎地域の優れた都市景観,環境を将来にわたって保全,継承していくために,来年1月の都市計画審議会への付議に向けて手続を進めてまいります。

 私からは以上でございます。以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。

倉林明子議員発言-「京都市会」
門川市長答弁-「京都市会」
京都市会会議録
倉林朋子 日本共産党 京都市会議員
■かどかわ大作 京都市長公式HP

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