2012-02-10 建築保存に師ゆずりの闘志 京都工芸繊維大教授松隈洋さん-「朝日新聞」
建築保存に師ゆずりの闘志
京都工芸繊維大教授松隈洋さん(54)

 「名建築は後から出来る周囲の建築に影響を与える。よりよい都市をつくるためにも、残し使い続ける必要があるんです」。モダニズム建築の解体計画が次々と浮上する中、大阪中央郵便局や京都会館などの保存運動をリードする。

 京都大卒業後、「闘将」と呼ばれたモダニズム建築の大家、前川國男の事務所に就職した。晩年もデザインの検討に、「うーむ」とうなったまま、2時間近くスケッチを描いては消すを繰り返した前川。所員にもデザインの模範解答は示さず、徹底的に考えさせた。

 「考え、悩み抜くことこそが建築だと気づかせてくれました」 前川の没後、代表作の神奈川県立音楽堂が解体の危機に直面した時には、真っ先に反対の声を上げ、「仕事を干された」。設計の一線を外れたのを機に、師の資料を集め、「前川國男文集」の刊行や展覧会につなげた。それが建築史家へと進む契機ともなった。

 口調は常に穏やかだが、名建築を解体しようとする施主に、お墨付きを与えるような態度を見せる建築史の専門家には手厳しい。ある歴史的な建築の保存をめぐって、部分的な保存で済まそうとする施主に憤慨し、意見聴取の委員を途中で辞したこともある。
 
 熱い闘志を支えるのは、「闘将」のDNAを引き継いだせいか。「建築がどうこうよりも、人間いかに生きるべきかの方が大切」という前川の言葉を、建築史の専門家として日々かみしめる。(神田剛)

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建築の前夜―前川国男文集

前川 国男 / 而立書房


前川國男・弟子たちは語る (建築ライブラリー)

前川國男建築設計事務所OB会有志 / 建築資料研究社



■建築保存に師ゆずりの闘志 京都工芸繊維大教捜松隈洋さん-「朝日新聞」

「大阪中央郵便局を守る会」
「京都会館を大切にする会」

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by 2011-kyoto | 2012-02-10 00:00 | 2012/02
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