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2010-09-08 京都観光 10 年後の構造転換に向けて 重点施策の提言-「京都商工会議所」
京都観光 10 年後の構造転換に向けて
重点施策の提言
観光振興により 世界を魅了する活力都市づくりへ
宿泊客受け入れ強化・インバウンド推進・京都MICEの視点から
報告書

平成22 年9 月8 日
京都商工会議所 観光産業特別委員会

はじめに
京都商工会議所観光産業特別委員会は2007年11月から、今期の実質的な活動を開始しました。
当時は、京都の観光客5,000万人達成を目前にしており、5,000万人達成後の京都観光の姿を探るべく、仮のテーマを「数量から質への転換」とし、スタートしました。
日本国内でも、観光をめぐる状況は大きく変化しています。団体旅行から個人旅行へ、職場旅行から個人の知的好奇心を満たす旅へ、自分探しの旅へ。旅が心の癒し、明日への力を生み出す役割を担います。京都が今後ともそれに応えていくためには、どうあることが望ましいのか。
委員会では、「観光の質とはなにか」を探るために、観光関連の第一線で活躍しておられる方々を、順次、講師として招聘して、質疑応答を重ねるなかで、第一線でおきつつあることがらの認識を共有しました。この過程で浮かび上がってきた諸課題の中から、大きな柱として集約したものを、一旦、2009 年4 月に、「中間報告」としてまとめ、その後も検討を続けました。
会議所としては、これをもとに京都府、京都市への「提言」として採択し、提出いたしました。一方、京都市では、次期観光振興推進計画の策定委員会が動き始めました。
2010年4月、観光産業特別委員会では、先に取り上げた課題をさらに掘り下げるために、部外有識者で構成した3つの専門委員会を編成し、議論を深めました。また、関係者へのヒヤリングや訪問、特にMICE に関しては、先進的取り組みをしているシンガポール、香港の実態把握のために府、市の参加も得て調査団を編成し、7月に派遣しました。調査団一行は、現地で、現物を観て、当事者からじかに聴くことにより、多くの収穫と衝撃を受けました。
「中間報告」が総論編とすれば、これらを踏まえたこの「報告書」が各論編に該当するもので、京都観光が今後10年かけて順次達成する施策と道筋を取りまとめたものです。
京都が、そのもてる魅力を十分に発揮しながら、観光を通じて京都が活性化し、日本国内のみならず、世界に誇れる観光地として、独自のポジションを確立していくことを念ずるものです。
平成22年9月
京都商工会議所観光産業特別委員会
委員長 南 隆 明

(以下抜粋)
● 3つの重要分野についての専門委員会の開催
①宿泊客の受け入れ能力の増強(宿泊問題専門委員会を開催)
②東アジア大交流時代のインバウンド推進(外国人観光客受け入れ専門委員会を開催)
③MICE推進(MICE 専門委員会を開催)

【 主な現状課題 】
ⅰ MICE を観光のひとつバリエーションと見なす向きもがあるが、世界的にみると、それ自体が確立されたビジネス領域であり、新た商機や展開を生み出すことを目的にした、事業活動の延長に存在するものである。日本の取り組みは大きく遅れ、市場の動向把握、確度の高いマーケティングが行われておらず、受け入れ体制、施設整備も不十分である。

ⅱ 文化や歴史など、京都には優れた観光資源が多く、それらを生かせば、独自プログラムをつくることができ、MICE誘致の大きな促進要因になる。ただし、5千人以上が収容可能な大規模施設がないこと、空港からのアクセスなど、不利な条件も少なくない。

ⅲ 用地等の制約から、今後、新たな大規模施設の開設は困難視される。京都会館、国立京都国際会館の改修、拡張などが早急に必要である。

ⅳ 風光明媚な岡崎地区には、文化施設などが集積しており、京都会館改修と地区整備を一体的に行えば、比類ないMICE 地区に転換でき、地元経済活性化に大きく寄与できる。

ⅴ MICE推進の中心となる京都文化交流コンベンションビューローのプロパー職員が少なく、人材育成が進みにくいこと、業界関係者での情報共有が不十分であるなど、京都のMICE推進体制は十分ではない。

ⅵ 観光資源や都市のピーアールだけでなく、MICE主催者の目的に合致したユニークかつ魅力あるメニューを個別に提案してゆくことが重要である。

ⅶ MICEの国際競争は激しく、京都市だけではなく、関西全体として取り組むことが必要。

【 3年を目途にした短期的な主な取り組み 】
ⅰ 既存施設を利用した質の高いMICE 受注の強化

ⅱ MICE 推進体制の確立
京都文化交流コンベンションビューローの体制充実、MICE 市場の把握、人材確保と育成
共同事業体制の構築、日本をリードするような具体的マーケティング計画の立案

ⅲ 本物・先端を追求し、独自提案型の「京都MICE」の推進
質の高い提案型サービスの提供、ユニークベニュー(施設)などを活用したプログラム

ⅳ 広域連携を通じたMICE 推進体制の着手
関西広域としてのMICE のプロモーション、誘致のために組織体制

【 5年を目途にした中期的な主な取り組み 】

京都会館の改修。岡崎地区での独自の「京都MICE」スタイルの確立
岡崎地区の整備計画の策定、事業着手。

ⅱ MICE 推進の加速
共同事業体の活動の本格展開、関西広域としてのプロモーションの実働化

ⅲ 国立京都国際会館の施設拡充

【 10年を目途にした長期的な主な取り組み 】
ⅰ 大型MICE への対応強化

5-2.京都会館の改修と岡崎地区の一体的整備
京都会館は、府下で唯一収容人員2,000 人を超える施設で(第1ホール2,015 人、第2 ホール939 人)、コンサート会場として一定の機能を備え、ユニークな外観デザインも備えています。
しかし老朽化が進み、ワイヤレスLAN などの設備面での改善の余地が多く、多数の分科会会場を確保できないなどの点で、MICE に相応しいと施設ではありません。ただし適切な改修を行えば、MICE 施設として十分活用できるはずです。
京都会館の立地する岡崎地区は、風光明媚な土地柄に加え、みやこめっせ、京都市国際交流館、国立近代美術館、平安神宮など、魅力的な要素が凝縮された地域です。京都会館を改修したうえで、各施設の管理窓口を一本化するなど、それぞれを連動させて利用しやすい体制を整えれば、他に比類ない世界水準のMICE ゾーンにでき、なおかつ住民にも多くの利便を提供できる文化・交流空間にもできるはずです。

■今後の取り組み事項の実施目途
短期 ~3年
ⅰ 既存施設を利用した質の高いMICE 受注の強化

ⅱ MICE 推進体制の確立
京都文化コンベンションビューローの体制充実、MICE 市場の把握、人材確保と育成
共同事業体制の構築、日本をリードするような具体的マーケティング計画の立案

ⅲ 本物・先端を追求し、独自提案型の「京都MICE」の推進
質の高い提案型サービスの提供、ユニークベニュー(施設)などを活用したプログラム

ⅳ 広域連携を通じたMICE 推進体制の着手
関西広域としてのMICE のプロモーション、誘致のために組織体制

中期 ~5年
京都会館の改修。岡崎地区での独自の「京都MICE」スタイルの確立
岡崎地区の整備計画の策定、事業着手。

ⅱ MICE 推進の加速
共同事業体の活動の本格展開、関西広域としてのプロモーションの実働化

ⅲ 国立京都国際会館の施設拡充

長期 ~10 年
ⅰ大型MICE への対応強化

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■京都観光 10 年後の構造転換に向けて 重点施策の提言-「京都商工会議所」
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by 2011-kyoto | 2012-05-05 12:45 | 2010
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