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2012-10-04 日本の戦後モダニズム建築の修復・保存活動が世界の模範に:日土小学校
日本の戦後モダニズム建築の修復・保存活動が世界の模範に

「2012 年 ワールド・モニュメント財団/ノール モダニズム賞」発表
世界中で44 件申請。欧州以外で且つ戦後建築で初めての受賞

◆国や文化の枠を超え、歴史的建造物などの文化遺産の保護・保存活動を行っているワールド・モニュメント財団(World Monuments Fund: WMF/ 設立1965 年、本部:ニューヨーク、理事長:ボニー・バーナム)は、本日、世界のモダニズム建築の修復・保存活動の最たる例として、愛媛県にある「八幡浜市立日土小学校」の修復・保存・再生に大きな役割を果たした建築家コンソーシアムを、「2012 年 ワールド・モニュメント財団/ノール モダニズム賞」に選考したことを発表します。

◆受賞した建築家コンソーシアムは、鈴木博之(すずき ひろゆき:青山学院大学教授・東京大学名誉教授)、曲田清維(まがた きよただ:愛媛大学教授)、花田佳明(はなだ よしあき:神戸芸術工科大学教授)、和田耕一(わだ こういち:和田建築設計工房主宰)、武智和臣(たけち かずとみ:ATELIER A&A 代表取締役)、腰原幹雄(こしはら みきお:東京大学生産技術研究所教授)、八幡浜市(やわたはまし:市長 大城一郎)の六氏、一市から成ります。

◆同賞は、モダニズム建築の存続を危うくする課題に焦点をあて、その克服と建物の保存・再生に貢献した建築・設計関係者の功績を表するという、世界でも例をみない、モダニズム建築の保存・継承を目的としたプログラムです。授賞式は平成24 年11 月13 日(現地時間)、米国ニューヨーク市のニューヨーク近代美術館(MoMA)にて執り行われます。

◆同賞の審査選考は、MoMa のバリー・バーグドール(Barry Bergdoll:フィリップ・ジョンソン 建築・デザイン主席学芸員)を審査委員長とする、独立した審査委員会によって行われました。そして、建築の価値のみならず、その修復・保存活動内容、そして、成し得た業績が、取り壊しや放置という危険に見舞われている世界のモダニズム建築の保護・保全の良き手本になるか、という観点から選考されました。

◆今回の日土小学校の選考にあたっては、1)その建築設計の独創性と革新性、に加え、2)竣工(1956-58 年)以来他の模範となるような形で保護・保存され、日本のモダニズム建築史に刻み込まれてきたこと、3)そして1999 年頃からの保存活動が、2004 年の台風被害を機に取り壊しの機運が高まるなど幾多の困難を乗り越え、地域社会と常に向き合い、共に課題を解決し、そして価値を再認識し、その修復・保存・再生に至ったことなどが評価され、日土小学校の例は、世界のモダニズム建築の修復・保存プロジェクトの、完璧な模範といえると評されました。

(以下略/下記リンクをご参照ください)
http://www.wmf.org/sites/default/files/press_releases/2012-Modernism-Prize-Japanese.pdf


■日本の戦後モダニズム建築の修復・保存活動が世界の模範に:日土小学校
2012-10-05 愛媛の小学校修復、「世界のモデル」と評価-「読売新聞」
2011-12-18 第2回シンポ「京都会館のより良き明日を考える」講演 花田佳明
2011-12-18 第2回シンポ「京都会館のより良き明日を考える」講演 鈴木博之
by 2011-kyoto | 2012-10-04 00:00 | 2012/10
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