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2013-04-15 建築リソースマネジメントの人材育成教育プログラム-2013年日本建築学会教育賞受賞
京都工芸繊維大学 建築リソースマネジメントの人材育成教育プログラムが
2013年日本建築学会教育賞(教育貢献)を受賞


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正会員 中 川 理 君
正会員 日 向 進 君

本業績は、持続可能な社会実現のために必要となる既存の建築物および関連資料を的確にマネジメントできる人材を育成することを目的として、京都工芸繊維大学が実施した教育プログラムである。このプログラムには、受賞者の他に、京都工芸繊維大学・大学院建築造形学部門の石田潤一郎氏、西田雅嗣氏、矢ヶ崎善太郎氏、笠原一人氏、同大学・文化遺産教育研究センターの大田省一氏、玉田浩之氏が参画し、共同で目的達成のための活動を推進している。
通常の大学の建築系学科では、主として建築物を新たに創出するための知識を学び、技能を身につけることを中心とした教育研究体制がとられているが、京都工芸繊維大学では、京都という歴史的都市に在る特殊性を活かし、従来から、文化財建築物や建築設計図書などの保存、再生を建築教育の中に採り入れてきた。それらの継続した努力が、この教育プログラムに結実し、その実施により、価値の高い独自性として、大学に定着した感がある。
本教育プログラムでは、既存の建築物や関連資料を「建築リソース」と名付け、その保存、再生手法を体系化し、建築リソースを的確に扱える知識、技能を修得する教育体制を整えることに取り組んでいる。
具体的なモノとしての建築物あるいはその関連資料を価値付け、的確にマネジメントできる能力を徹底して培うのである。
国内外での建築リソースの補修、再生の事業にも学生を参加させており、その結果、実践的な技術や処理能力を身につけた技術者が育成され、大学院修了後には、多くの者が建築リソースのマネジメント能力を活かした業務や研究に従事できている。また、参加したフィールド実習や国際シンポジウムを通じ、同じ問題意識を持つ国内外の組織や個人との繋がりができ、直接的に得た知識、技能だけでなく、構築された国際的な人的ネットワークが、将来彼らにもたらすであろう相互交流の広がりや影響にも、大きく期待できる。
以上、本教育プログラムは、独自性と社会的意義を有する極めて秀逸な試みであり、既に豊富な成果を上げており、功績は高く評価できる。今日求められている持続可能な社会実現のためにも、わが国の建築教育の一つの方向性を示し、今後の発展に大きく寄与するものと確信される。
よって、ここに日本建築学会教育賞(教育貢献)を贈るものである。

■建築リソースマネジメントの人材育成教育プログラム-2013年日本建築学会教育賞

「建築リソースマネジメントの人材育成―歴史的建築・資料の保存活用のための職能教育プログラム―」 取組ホームページ

栗原邸-モダニズム建築改修フィールド実習
「建築リソースマネジメントの人材育成―歴史的建築・資料の保存活用のための職能教育プログラム―」 取組概要へ(PDFファイル)
京都工芸繊維大学-建築リソースマネジメントの人材育成
 ―歴史的建築・資料の保存活用のための職能教育プログラム―


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