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2013-07-05 20世紀の遺産残す動き 世界的広がり ドコモモジャパン代表松隈洋氏-「日刊建設工業新聞」
20世紀の遺産残す動き 世界的広がり
ドコモモジャパン代表 松隈洋氏


地域に根付き、愛され続ける建築を掘り起こし励ます
20世紀の建築の重要な潮流だったモダン・ムーブメント。その歴史的・文化的な重要性を認識し、成果を記録するとともに既存建築・環境の保存を訴える「ドコモモ・ジャパン」の代表に建築史家の松隈洋氏(京都工芸繊維大学教授)が就いた。近代建築の展覧会に数多く携わり、保存運動にも力を注ぐ松隈氏は「20世紀の建築遺産を残していくという認識が世界的に広がって
きている」と語る。( 編集部・山口裕照)
--重要な近代建築をどう守っていくのですか。
「ドコモモは、シンボル的な形でしか動けないのも事実です。メディアに取り上げられた著名な建築をリスト化し、日本建築学会と共に保存を訴えています。しかし全国には、メディアに紹介されなくても地域の中に根付き、人々に愛され続けている建築がたくさんあります。そういう建築を丁寧に掘り起こし、励ましていくような活動を行っていきたいと考えています」
「建築は建築の世界の人たちだげでは守れません。-般の人たちが建築に関心を持ち、地域の資産として大事にしてもらうことが重要です。既に背森県の弘前や広島などでは市民組織が生まれ、それらが互いに交流し、刺激し合うような動きも出始めています。地域で建築を考える人たちのネットワークをさらに広げながら、今年5月に開館した『国立近現代建築資料館』(東京・湯島)や、地域の近代建築資産保存活動組織などが連携し発信していく。展覧会やシンポジウム、見学会などいろいろな方法で建築を知ってもらいたい。建築を知れば景色や風景、世界が変わって見えるのです」
 --教育の重要性も訴えています。
「建築界の最終的な目標は、子どもの教育だと思います。現状では、衣食住を学ぶ家庭科で住まいやまち、都市のことが教えられていません。その結果、日本には建築についてきちんと語れる知識人や文化人が少なくなっています。
 情けないことです。海外の知識人や文化人は当たり前のように建築について語ります。日本でも初等教育で建築について教える仕組みが必要でしょう」。

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■20世紀の遺産残す動き 世界的広がり ドコモモジャパン代表 松隈洋氏-「日刊 建設工業新聞」
日刊建設工業新聞

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