2013-07-30 第1回京都市美術館評議員会「将来構想検討委員会」 摘録
第1回京都市美術館評議員会「将来構想検討委員会」 摘録
第1回検討委員会(平成25年7月30日開催)
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日 時:平成25 年7 月30 日(火)午後2 時~午後4 時30 分
場 所:京都市美術館2 階応接室
出 席:上村 淳之委員,太田垣 實委員,梶谷 宣子委員,倉森 京子委員,川嶋 啓子委員,
高橋 信也委員,布垣 豊委員,福本 双紅委員,細見 良行委員,松尾 恵委員,蓑 豊委員,
門内 輝行委員,奥 美里委員(文化芸術担当局長),潮江 宏三副委員長
(欠席)内山 武夫委員長,加須屋 明子委員,建畠 晢委員
行 政:門川 大作 京都市長(挨拶のみ)
事務局:森川 佳昭芸術文化都市推進室長,鋒山 隆美術館副館長 ほか
1 開 会
2 挨 拶
門川大作京都市長,潮江宏三副委員長(内山委員長欠席のため)
3 委員自己紹介
4 議 事
(1)検討委員会設置目的と今後のスケジュールについて(事務局総務課長説明)
(2)美術館の概要について(事務局総務課長説明)
(3)美術館が目指すべき方向性について(事務局案 総務課長説明)
①京都画壇に代表される京都美術,工芸美術の伝統を継承する
京都市美術館の収蔵作品は,明治以降の京都を中心とした日本の近・現代美術であり,とりわけ近代日本画
史に偉大な足跡を残すとともに,多くの後進に影響を与えた竹内栖鳳や上村松園の作品をはじめ,京都画壇を
代表する作家の日本画や工芸美術を精選して収蔵している。80 年の歴史の中で,時代時代に応じて,こうした優れた作品を収蔵しており,今後もこれまでの伝統を継承していくべきではないかと考えている。

②時代を反映した「今」を発信する
竹内栖鳳や上村松園にしても,当時で言えば「今」の人であり,それぞれの制作作品を通して,その時代の「今」
を発信していた。京都市美術館の収蔵においても,時代に応じて,作家の個性が明確なものや変遷が分かるも
の等を収集している。これからも過去の名のある作家の作品だけでなく,これまでの時代時代を反映した
「今」を発信するような作家の作品の収集や企画展を実施する方針を打ち出す必要があるのではないかと考
えている。

③休憩する空間やアメニティの充実を図る
京都市美術館には,全国にある日本を代表するような美術館が当然のように備えている機能がない。ミ
ュージアムショップやカフェ,レストラン等来館するお客が展覧会を楽しむ前後にゆっくりと休憩したり,
記念グッズを買う空間がない。他では,キッズルームや図書室も設置されている所もあり,そうしたアメニ
ティの充実についても謳う必要があると考えている。

④文化芸術ゾーンである岡崎地域の中核施設としての役割を担う
美術館周辺は京都が世界に誇れる文化芸術ゾーンとして,琵琶湖疏水をはじめ,平安神宮,動物園,国立京
都近代美術館,みやこめっせ,ロームシアター京都(京都会館)等が隣接し,多彩な文化交流施設が集積してお
り,全国からたくさんのお客を迎えている。
京都市では,岡崎の景観や地域資源を継承し,その魅力を最大限に引き出すため,「岡崎地域活性化ビジョ
ン」を策定して文化交流拠点としての機能強化や更に人々が訪れたくなるような新たな賑わいを創出するこ
ととしている。その岡崎における中核施設として将来に渡って役割を担えるような施設として明確に位置づ
ける必要がある。

<発言者別整理>
議題1
○目指すべき方向性について
委員
・主催展の入館者数が少ない。それが良い人材が入ってこないことにつながる。他展(海外展等の共催展)
を頼らない環境作りが必要ではないか。コレクションを活用した「常設展」で集客できるよう,努力してほしい。
・当館の最大の問題は,マンパワーだ。自主企画の展覧会をもっと活発にできるよう,学芸の人員の補充強化が必要である。

委員
・「今」を発信するのは必要だが,市民が考えられる「今」を考えることが必要だ。単に目新しいメディアが飛びついて使い捨てにするようなものではなく,この京都という場での今とは何かを,慎重に考えてやっていかないと違った方向に行ってしまう。
・京都府立文化博物館は施設の角にガラス張りの喫茶店があり,「あの人が来ている」と外から分かる。
本館玄関口に近いところで,施設に出入りする人の交流できる場がガラス張りで見えるようなカフェ,交流空間がほしい。
・スポーツ関係のひとには叱られるかもしれないが,北側のグラウンドの土地を美術館用に使えると良いと思っている。

委員
・森美術館は,主催展のみである。日本には洋画壇,日本画壇もあるが,コンテンポラリー分野も育ちつつある。市美術館が当時竹内栖鳳,上村松園を所蔵されたように,「②時代を反映した「今」を発信する」ためにはやはり,現代美術を自主企画で扱いつつ,所蔵していく場が必要である。
・それを補完するものとして,美術教育の場が必要である。京都には,充分すぎるくらいの美術教育の場があるが,その反映として現代美術作品を収蔵し,展示・発信する場がパラレルにあることが要請されるのではないか。
・東京では昔から美術館が集積している上野の集客力が1,000 万人であるのに対し,新興の六本木地区がたった3館で600 万人を集客している。上野が漢字の美術であるとすると,六本木はカタカナの美術であり,古いものを扱う場合でもアートという感覚で一般に訴求している。当館も,単なる展覧会開催広報ではなくて,どういうセンスで訴求していくかをもっと追究すべきだ。
・森美術館は学芸スタッフが40人いる。京都市美が定員5人というのも少なすぎるし,その定員が満たされておらず,現在常勤3人というのには驚き,気の毒に思う。

委員
・京都では17年間市内の200の美術館や博物館が集まる京博連協議会が活動しているが,こうした活動は他にないものだと思う。
・近年大阪・神戸に魅力的な大規模展示スペースが出来,他方,主催者からは京都市美術館は古くて使いづらいという話を聞く。そのため,今まで東京で開催して次に京都で開催していた大規模な美術展が,京都を飛び越えて大阪・神戸に行ってしまっている。こうした流れを心配している。

委員
・私自身は「京都市美術館は,京都の芸術美術を啓蒙する場」であり,その使命を将来的にも果たす必要があると思う。
・博物館美術館の経営は,どこの国でも半又は完全独立経営化されてきており,そのために,この2,3年に建設改築された美術館建物は,それまでの美術館側だけが目的とした美術品の鑑賞だけでなく,市民と館の意気が合う芸術美術の場にするという経営財源の収入の一部を念じた観点が目立つほどに含まざるを得なくなってきている。
・構想は,京都美術工芸の学問や京都でこそのものつくりと材料づくりの伝統の継続と展開,収蔵と保存管理,常設と特別展示,実学教育者の養成など,何をどのような割合で実現し,何年先の将来までを見越して練るのかをよく考える必要がある。

委員
・京都市美術館はいつも話題がある美術館で,昔,卒業制作展をやらせてもらったときは有難いと思ったが,今はアマチュアが発表する場所はほかにも沢山あるので,毎年発表できるといったルーティン的な場ではなく,もっと振り子の幅を広げて,当館の敷居はもっと高くし,若いアーティストの憧れの場,おしゃれな場にするべきだ。

委員
・本館はディテールを含め,素敵な建物だから,リノベーションしてその魅力を最大限活用すべきだ。
・デジタル技術を駆使して,テレビでも見ることはできるが,やはり本物を見に足を運んでもらう,京都を主軸とした日本の近代美術がいつでも見られる常設展をやってほしい。収蔵しているままを見せる収蔵展示なども考えられるのではないか。
・京都の工芸美術品は隣の京都国立近代美術館が専門に収蔵しているというイメージを持っていたが,例えば,向かいの京近美との連携をもっとはかるべきだ。
議題2
○展覧会の在り方について(事務局学芸課長説明)

委員
・1997年に当館で「思い出のあした」という展覧会があった。美術館の普段は見られないスペースなど歴史建築の素敵な部分を現代美術の作家に発見・活用させて,現代美術の展示を行った先駆的・画期的な試みであり,全国の歴史ある美術館などに波及していくものであった。あれを超えるような現代美術展を活発に行ってほしい。
・学芸人員の少なさは問題だ。良い展覧会を企画するにも,研究・普及活動のためにも,学芸人員を増強する必要がある。以前は京都の美術の研究成果が書物の形で刊行されていた。研究機能の充実が必要ではないか。
・休憩空間やアメニティ空間の充実が他館よりも遅れていることは明白だ。それに追いつくのではなく,それを超えて一歩先を行くことを考えてほしい。例えば図書室などをつくるとしたら,当館には他館には無い戦前の美術雑誌など文献資料の貴重なコレクションがある。データベース化や閲覧できるようにするだけで,他館にないサービスができる。あるいは,レストランをつくるにしても,東近美などのように有名な店を入れるということだけでなく,たとえば食器なども当館が所蔵する京都の工芸家の陶磁器のレプリカで味わうなど,80年の歴史の付加価値を生かしながら,来館者のニーズを先取りするようなアイデアのある工夫してほしい。
・勉強しに行く美術館とエンタティンメント美術館の中間がいいと思う。
・岡崎公園の文化芸術施設の中核となりえるのかも課題である。他の文化施設との関係性,リンクが弱い。連携をもっと追究すべきだ。例えば動物園側の入り口には動物をテーマにしたアート作品を展示したアプローチを設けて動物園の客を誘い込むなど,金沢の21 世紀美術館などは入り口が4 つあり,どの方向からも入ることができる。そうした来館者が入りやすくする工夫も必要ではないか。

委員
・岡崎地域とその周辺には,狭い範囲に多くの文化施設がコンパクトに集積している。相互連携については,既に(私が委員長を務めた委員会でとりまとめた)「岡崎地域活性化ビジョン」に掲載しているので,報告書を委員に配ってほしい。
・美術館を建物にとどまらず,一定のエリアの広がりの中で見なければならない。敷地には,本館だけでなく,さまざまの建物がある。“ロームシアター京都”の方に別館もある。その全体を活かす必要がある。岡崎エリア内での出張展示なども考えられる。
・最近は美術館のファサードを使った光のアートなどもやっている。
・コンピューター,マテリアル,デジタルなどが接近し,テクノロジー・科学技術も含め,アートの定義を問い直す必要がある。技術も語源的にはアートの範疇。科学技術とアートとの重なり,コラボレーションによるアートなども追求すべきである。
・また「今」をどう考えるのか。過去から未来へとアートを繋いでいく必要がある。そのためには,次世代にいかに継承していくかという「学び」も課題。教育との連携も追求すべきである。例えば美術館の中に制作する場を作り,子どもたちが作家とともに制作するということもあってもよいのではないか・京都では生活そのものがアートになっている。その頂点に美術館がある。まち全体の文化をどう高めるか,文化の高さはまちとの連続性の中にある。日常の立ち居振る舞い,お茶やお花の作法など,アートの裾野を拡大し,そのレベルアップを図ることが美術館の将来構想に掛かっている。
・(先ほどから話題に出ている)グランド(野球場)については,岡崎地域活性化ビジョンを検討する際にも大きなテーマになっていた課題である。

委員
・文化ゾーンとしての位置付けの中で,グラウンドを美術館の敷地として使えるようにしてほしい。

委員
・本来「美」は自然のなかにある。自然を生かした植物園のなかに動物園があり,美術館もあるというような環境を作り出したい。

委員
・海外の人がよく言うのだが,京都に来ればもっと現代陶芸がみられると思っていたのに,充実した常設展示をしている美術館もギャラリーもないと。アメリカでは日本の現代陶芸を美術館もコレクターも注目し,充実したコレクションをしている。現代漆もそうだ。染織,陶芸,漆における現代美術は世界的な評価が高まっている。海外の動静におくれることなく,地元からそれを積極的に発信すべき。
当館では,そんな京都が世界で随一というジャンル,世界に自慢できる美術のそのすぐれた様相をダイナミックに常時,展示してほしい。発信型の美術館であってほしい。
・学生には、当館の資料を閲覧できるようにするなど,美術館に勉強しに来られるような環境づくりを,子どもたちには,本物を前にした美術教育をできるようにしたい。

委員
・京都は手わざの拠点だから,美術館がそれを汲み上げていくようにしてほしい。
・海外で文化ゾーンといえば,美術館,博物館,現代美術館の集積があって,WiFi により様々な情報が獲得でき,実際にその場で作品を楽しめる。だからこそ人は集まるのだ。そういう岡崎エリアであればいいと思う。

課題別整理
1 目指すべき方向性について
① 京都美術の伝統継承
・私自身は「京都市美術館は,京都の芸術美術を啓蒙する場」であり,その使命を将来的にも果たす必要があると思う。
・京都を主軸とした日本の近代美術がいつでも見られる常設展をやってほしい。収蔵しているままを見せる収蔵展示なども考えられるのではないか。
・学生には、当館の資料を閲覧できるようにするなど、美術館に勉強しに来られるような環境づくりを,子どもたちには,本物を前にした美術教育をできるようにしたい。
・京都では生活そのものがアートになっている。その頂点に美術館がある。まち全体の文化をどう高めるか,文化の高さはまちとの連続性の中にある。日常の立ち居振る舞い,お茶やお花の作法など,アートの裾野を拡大し,そのレベルアップを図ることが美術館の将来構想に掛かっている。
・京都は「手わざ」の拠点だから,美術館がそれを汲み上げていくようにしてほしい。

② 時代を反映した「今」の発信
・「今」を発信するのは必要だが,市民が考えられる「今」を考えることが必要だ。単に目新しいメディアが飛びついて使い捨てにするようなものではなく,この京都という場での今とは何かを,慎重に考えてやっていかないと違った方向に行ってしまう。
・森美術館は,主催展のみである。日本には洋画壇,日本画壇もあるが,コンテンポラリー分野も育ちつつある。市美術館が当時竹内栖鳳,上村松園を所蔵されたように,「②時代を反映した「今」を発信する」ためには,現代美術を自主企画で扱いつつ,所蔵していく場が必要である。
・東京では昔から美術館が集積している上野の集客力が1,000 万人であるのに対し,新興の六本木地区がたった3館で600 万人を集客している。上野が漢字の美術であるとすると,六本木はカタカナの美術であり,古いものを扱う場合でもアートという感覚で一般に訴求している。当館も,単なる展覧会開催広報ではなく,どういうセンスで訴求していくかをもっと追究すべきだ。
・美術館のファサードを使った光のアートなどもやっている。
・コンピューター,マテリアル,デジタルなどが接近し,テクノロジー・科学技術も含め,アートの定義を問い直す必要がある。技術も語源的にはアートの範疇。科学技術とアートとの重なり,コラボレーションによるアートなども追求すべきである。

③ 休憩空間等の充実
・京都府立文化博物館は施設の角にガラス張りの喫茶店があり,「あの人が来ている」と外から分かる。本館玄関口に近いところで,施設に出入りする人の交流できる場がガラス張りで見えるようなカフェ,交流空間がほしい。
・博物館美術館の経営は,どこの国でも半又は完全独立経営化されてきており,そのために,この2,3 年に建設改築された美術館建物は,それまでの美術館側だけが目的とした美術品の鑑賞だけでなく,市民と館の意気が合う芸術美術の場にするという経営財源の収入の一部を念じた観点が目立つほどに含まざるを得なくなってきている。
・休憩空間やアメニティ空間の充実が他館よりも遅れていることは明白だ。それに追いつくのではなく,それを超えて一歩先を行くことを考えてほしい。例えば図書室などをつくるとしたら,当館には他館には無い戦前の美術雑誌など文献資料の貴重なコレクションがある。データベース化や閲覧できるようにするだけで,他館にないサービスができる。あるいは,レストランをつくるにしても,東近美などのように有名な店を入れるということだけでなく,たとえば食器なども当館が所蔵する京都の工芸家の陶磁器のレプリカで味わうなど,80年の歴史の付加価値を生かしながら,来館者のニーズを先取りするようなアイデアのある工夫してほしい。

④ 岡崎地域の中核施設
・本来「美」は自然のなかにある。自然を生かした植物園のなかに動物園があり、美術館もあるというような環境を作り出したい。
・スポーツ関係のひとには叱られるかもしれないが、北側のグラウンドの土地を美術館用に使えると良いと思っている。
・グラウンドを美術館の敷地として使えるようにしてほしい。
・京都の工芸美術品は隣の京都国立近代美術館が専門に収蔵しているというイメージを持っていたが,例えば,向かいの京近美との連携をもっとはかるべきだ。
・岡崎公園の文化芸術施設の中核となりえるのかも課題である。他の文化施設との関係性,リンクが弱い。連携をもっと追究すべきだ。例えば動物園側の入り口には動物をテーマにしたアート作品を展示したアプローチを設けて動物園の客を誘い込むなど, 金沢の21 世紀美術館などは入り口が4つあり,どの方向からも入ることができる。そうした来館者が入りやすくする工夫も必要ではないか。
・岡崎地域とその周辺に集積している文化施設については狭い範囲でコンパクトに集積している。
相互連携については,既に「岡崎地域活性化ビジョン」に掲載しているので,報告書を委員に配ってほしい。
・美術館を範囲で見なければならない。敷地には,本館だけでなく,さまざまの建物がある。ロームシアターの方に別館もある。その全体を活かす必要がある。岡崎エリア内での出張展示なども考えられる。
・海外で文化ゾーンといえば,美術館,博物館,現代美術館の集積があって,WiFi により様々な情報が獲得でき,実際にその場で作品を楽しめる。だからこそ人は集まるのだ。そういう岡崎エリアであればいいと思う。
2 展覧会の在り方について
・構想は,京都美術工芸の学問や京都でこそのものつくりと材料づくりの伝統の継続と展開,収蔵と保存管理,常設と特別展示,実学教育者の養成など,何をどのような割合で実現し,何年先の将来までを見越して練るのかをよく考える必要がある。
・主催展に人が少ない。それが良い人材が入ってこないことにつながる。他展(海外展などの共催展)を頼らない環境作りが必要ではないか。コレクションを活用した「常設展」で集客できるよう,努力してほしい。
・デジタル技術を駆使して,テレビでも見ることはできるが,やはり本物を見に足を運んでもらう,京都を主軸とした日本の近代美術がいつでも見られる常設展をやってほしい。収蔵しているままを見せる収蔵展示なども考えられるのではないか。
・近年大阪・神戸に魅力的な大規模展示スペースが出来,他方,主催者からは京都市美術館は古くて使いづらいという話を聞く。そのため,今まで東京で開催して次に京都で開催していた大規模な美術展が,京都を飛び越えて大阪・神戸に行ってしまっている。こうした流れを心配している。
・京都市美術館はいつも話題がある美術館で,昔,卒業制作展をやらせてもらったときは有難いと思ったが,今はアマチュアが発表する場所はほかにも沢山あるので,毎年発表できるといったルーティン的な場ではなく,もっと振り子の幅を広げて,当館の敷居はもっと高くし,若いアーティストの憧れの場,おしゃれな場にするべきだ。
・1997年に当館で「思い出のあした」という展覧会があった。美術館の普段は見られないスペース等歴史建築の素敵な部分を現代美術の作家に発見・活用させて,現代美術の展示を行った先駆的・画期的な試みであり,全国の歴史ある美術館等に波及していくものであった。あれを超えるような現代美術展を活発に行ってほしい。
・勉強しに行く美術館とエンタティンメント美術館の中間がいいと思う。
・海外の人が良く言うのだが,現代陶芸は京都のどこに行っても展覧としてみることができない。今はアメリカでも注目を浴びている。現代漆もそうだ。日本の現代工芸が国際的に注目を集めている。
今も昔も自慢できるものが見れる常設展示を当館でやって学生にも見せてほしい。発信型の美術館であってほしい。
○ コレクションの在り方について
・京都には美術系大学・学部が沢山ある。それを反映して「今」を発信するためには,主催展や美術教育にも力を入れる必要があり,現代美術作品も収蔵し,展示・発信していくべきだと考える。(再掲)
○ 普及・教育・研究活動について
・美術教育の場が必要である。京都には,充分すぎるくらいの美術教育の場があるが,その反映として現代美術作品を収蔵し,展示・発信する場がパラレルにあることが要請されるのではないか。
・学芸人員の少なさは問題だ。良い展覧会を企画するにも、研究・普及活動のためにも学芸人員を増強する必要がある。以前は京都の美術の研究成果が書物の形で刊行されていた。研究機能の充実が必要ではないか。
・また「今」をどう考えるのか。過去から未来へとアートを繋いでいく必要がある。そのためには,次世代にいかに継承していくかという「学び」も課題。教育との連携も追求すべきである。例えば美術館の中に制作する場を作り,子どもたちが作家とともに制作するということもあってもよいのではないか。
・子どもたちに,本物を前にした美術教育ができるようにしたい。
○ 組織運営体制について
・当館の最大の問題は,マンパワーだ。自主企画の展覧会をもっと活発にできるよう,学芸の人員の補充強化が必要である。
・森美術館は学芸スタッフが40 人いる。京都市美が定員5人というのも少なすぎるし,その定員が満たされておらず,現在常勤3人というのには驚き,気の毒に思う。
・学芸人員の少なさは問題だ。良い展覧会を企画するにも,そのもとになる研究をするにも,学芸人員を増強する必要がある。前は年報で研究成果がたくさん出ていた。研究機能の充実が必要ではないか。(再掲)
○ ハードの在り方について
・本館はディテールを含め,素敵な建物だから,リノベーションしてその魅力を最大限活用すべきだ。
○ 全体を通して
・我々も日頃から様々な課題を認識しており,それを解決するため,どのようにすればよいかに心砕いているが,今日は,美術館としての課題から岡崎全体の活用,ひいては京都の美術館としてどうあるべきか,本当に幅広い意見を頂戴した。
・中でも,資源を生かして「一歩先へ行く」美術館を「リノベーション」することが重要というご意見は,大変勇気を与えられた。また,美術館を取り巻く潮流の中で,エンタテインメント性の高い美術館が求められている一方,美術館の役割としての学術・研究という面もあるということで勉強になった。
・この後市民の意見を聴く場面もあり,市民が望む美術館像を探っていかなければならない。ご指摘の多かった学芸の強化とか,財源という大きな行政課題がある中で,例えば森美術館や兵庫県立美術館ではどのような工夫をされているのか等,専門の立場から意見を賜り,よりよいものにとりまとめていきたい。創立から80 年の時を経て再整備にとりかかる市美術館は,今,非常に重要な時期である。よろしくお願いする。




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第1回京都市美術館評議員会「将来構想検討委員会」 摘録-「京都市情報館」
■2013-08-26 京都市美術館評議員会「将来構想検討委員会」-「京都市情報館」
2013-05-27 京都市美術館評議員会の開催及び「京都市美術館将来構想の策定」に係る諮問-「京都市情報館」
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by 2011-kyoto | 2013-09-18 22:24 | 2013/09
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