2013-07-30 平成24年度京都市美観風致審議会第5回景観専門小委員会議事録(要旨)-2
平成24年度京都市美観風致審議会第5回景観専門小委員会議事録(要旨)-2

その1のつづき


それでは,諮問の資料について,具体的な内容の説明に進ませていただきます。
 まずは1ページ目をお聞きください。申請の概要になります。ページ左側を御覧ください。風致規制につきましては,風致地区第5種地域となっておりまして,さらに,岡崎公園地区特別修景地域というふうになっております。

 当該地における数値基準としましては,建築物等の高さの最高限度については,風致地区条例の適用除外となっておりまして,地区計画において15メートル, 20メートル, 3 1メートルとする範囲が定められています。建ぺい率につきましては, 40%以下又は街区内での建ぺい率が10分の4以下であると認められる場合には,基準に適合するものというふうにされております。緑地の規模につきましては,許可基準において,緑地の規模等の強化がされておvhリりまして,敷地面積に対して10分の3以上又は街区内緑地率が10分の3.5以上あると認められる場合には,基準に適合するものというふうにされております。建物の後退距離につきましては,風致地区条例に規定する許可基準によりまして,道路から2メートル以上,その他の部分はl. 5メートル以上の壁面後退が必要というふうになっております。

 形態意匠に係る許可基準としましては,特別修景地域の許可基準として地区計画への適合が求められておりまして,塀を除く建築物の形態意匠につきましては1つ目,深い庇による流れるような水平感と内外の一体感を生み出す巧みな構成による京都会館のデザイン特性を踏まえつつ,基調となる色彩又は材料を揃えるなどにより,京都会館の近代性と伝統の融合を感じさせる風格と魅力のある建築物と調和すること。2つ目として,公共用空地から見える位置にある建築設備は,修景などにより建築物と調和するよう配慮されていること。という2つの項目への適合が必要になっております。基準への適合については,後ほど7ページのところで御説明させていただきたいと思います。眺望景観の規制については,ページ右側,中ほどに記載のとおりでございます。

 建物概要は,ページの右側下に示したとおりでありますが,申請敷地の面積が13,671. 00平方メートルに対しまして,街区の敷地面積が24, 767. 8 1平方メートルというふうになっております。最高高さは, 30. 81メートルとなっております。また,建築面積につきましては,京都会館だけで8,155.00平方メートルありまして,街区全体の建築面積というのは9,585.66平方メートルというふうになっております。これによりまして,街区全体での建ぺい率は, 38. 70%となりまして10分の4以下の計画となっております。緑地率につきましては,先ほども説明した8ページ目とあわせて御覧いただくとわかるのですが,街区における緑地面積,緑のハッチ風の部分になるのですが,全部で8,854. 04平方メートルということになっておりまして,これによりまして,街区内の緑地面積の割合が, 35. 74%となり, 1 0分の3. 5以上となる計画となっております。その他,延べ床面積,容積率,構造及び用途については,記載のとおりになっております。
 続きまして5ページ目をお聞きください。京都会館再整備の基本コンセプトについて説明をさせていただ、きます。これまでの専門小委員会での御意見を受けて,考え方の整理を行っております。1に基本方針を2で設計コンセプトを記載しております。基本方針としては3つありまして1つ目が現代のホールとして相応しい機能の充実2つ目が京都会館の建物価値の継承と再生,3つ呂が岡崎地域の活性化と魅力の向上の3点を挙げております。それを踏まえた設計コンセプトの詳細について,御説明をさせていただきます。

 まず,全体コンセプトについてですけれども,再整備においては,オリジナルの前川建築を尊重しつつ,既存の建物に新たな価値を上書きすることで,現-6問代の市民ホールとしての魅力を向上させた新しい京都会館を創造していくものというふうにしておりまして,創造に当たっては,全体として保存と改変のバランスに配慮し,また,前川建築を継承しながらも,新しく上書きしていく部分については,既存部分との調和や対比により創造していくものというふうにしております。

 続きまして, 1 9ページの立面CGと合わせてご確認いただきたいと思います。具体的には,既存建物の外観を特徴付けていた大庇を,増築後も四周に配置するとともに,既存の柱,梁及びサッシの割付などの外観意匠を継承し,外壁に用いる素材については,全体で手仕事感のあるものに統一しながら,その色彩を,大庇の下部で既存部分に合わせることで同調的調和を図り,大庇の上部においては,既存部分とは異なる色彩を用いることで、対比的調和を図っています。また,大庇には,単に上と下を分けるというのではなく,建物の壁面に生み出される陰影を保存・継承するとしづ役割が持たされております。機能向上に伴い必要となる空間に対しては,見えてくるボリューム感を抑制するデザインとしつつ,内外の一体感を生み出す巧みな構成を保全・継承することで,全体としての統一性の継承・発展を図っております。

 次に,既存部分の保全・継承についての考え方を説明させていただきます。京都会館の重要なデザイン要素である大庇,バルコニー手摺,スチールサッシ,煉瓦タイル等の汚損部分は,洗浄や改修を行い,創建当初の姿に再現させて,二条通沿いの景観と,ピロティから中庭を抜ける動線による空間構成を引き続き確保するとともに,共通ロビーに代表される新たな機能を新たな魅力として加え,未来に生かして使い続けられるものというふうにしております。また,旧第二ホールの陶板壁画につきましては,建築と純粋芸術の融合を図ろうとする創建当時の精神を今に伝えるものであるというふうに考えておりまして,撤去に先立ち,写真記録によりアーカイブ保存するとともに,可能な限り丁寧な取り外しを行ったうえで,一定規模以上で取り外せたものについては,少なくとも再整備完了までの期間保管することで,今後,資料として活用する可能性を検討することというふうにしております。なお,建築と純粋芸術の融合の精神を継承するため,既存の空間構成を継承するとともに,再整備後も引き続き,芸術作品の設置を行うことというふうにしております。

 続いて,既存部分との調和と対比に関する考え方を説明させてもらいます。これにつきましては,素材による調和,色彩による調和,酉面の庇の3点から説明をさせていただきます。17ページの立面CGと合わせて御確認いただければと思います。素材による調和に関しましては,コンクリート打放し面は,既存に合わせて杉板化粧型枠仕上げとすることで調和を図り,大庇下部の煉瓦タイルや,フライタワーのテラコッタタイルなどについては,手仕事感のある素材を用いることで調和を図っております。色彩による調和に関しては,大庇-7・の下部と上部で考え方を変えておりまして,大庇の下部は,素材だけでなく色彩も既存部分に合わせることで、調和を図っております。大庖の上部につきましては,フライタワーが重くなりすぎないよう,既存煉瓦タイルよりも明るい色彩で,岡崎公園一帯にある周辺建物と不調和とならない色彩を用いることで,既存部分との対比的調和を図っております。西面に設ける水平庇については,機能的には京都会館に新しく付加される搬入機能の向上を支える重要な要素であるというふうに考えております。そのデザインについては,先ほどのとおりなのですが,大庇の下部においては,既存部分との調和を前提に考えていることから,この水平庇も,既存部分がもっ水平性に調和するよう軽やかな意匠とし,また,疏水に面した印象的な立面が暗くならないよう,ガラス素材とすることで自然光を取り込む計画と,既存部分との調和を図っております。

 それでは,高さとボリューム感を抑制するデザインについて説明をさせていただきます。5ページの方にお戻りください。5ページ右下の部分になるのですが,増築する第一ホールのホワイエ・客席部分の屋根は,マンサード屋根とすることで視界の圧迫感を抑制するデザインというふうにしております。また,フライタワーにつきましては,壁面を縦リブで分節することにより,横方向への広がり感を抑制してさらに頂部で水平方向に分節することで高さ方向への伸びを抑制するというデザインにしております。

 続いて6ページ目をお聞きください。フライタワーの外壁仕上げについては,大小2つのスケールで検討を行っておりまして,大きいスケールの検討として面の分割について検討を行っており,小さいスケールに関しては,仕上げの質感や断面形状についての検討を行っております。結果として,素材は手仕事の風合いが感じられるテラコッタタイルに,紬薬の有無については,素材の表面テクスチャーにゆらぎを与えるため,施紬としています。検討においては,スケッチや実物サンブロルを用いて検討の方を行っておりまして,茶系統の色彩を採用することで,岡崎地域の風致の向上とより良い景観形成への寄与を図っております。また,項部のPC部分につきましても,下のテラコッタタイル部分同様,素材感やゆらぎといった表現を踏襲するために,研出し加工として,表面保護材を施すことにしております。

 なお,壁面のリプにつきましては,壁面仕上げ材と同素材で,資料に記載の形状を考えているのですけれども,今後の施工段階において,試作品により現地での見え方などの検証を行うというふうに考えさせていただいています。追加を含めた素材サンプルの作成期間を確保しながら,製造者や詳細の寸法などについて検討を進めていきたいというふうに考えております。

 最後に,内外の一体感を生み出す巧みな構成について説明の方させてもらいます。このデザイン特性を踏まえる代表例となる共通ロビーについて説明の方をします。再整備を行う共通ロビーには3つの目的があり,現代のホールに凶8・不可欠な開演前や幕開の休憩中にゆったりと過ごせる内部ロビーとして整備すること,各ホールと旧会議棟部分を内部空間でつなげること,開館期間中であれば自由に立ち入れる空間として,様々な文化芸術にふれられる機会を提供する公共空間として整備することが求められております。

 デザインについては,既存部分を包むような透明感の高い繊細なものとするため,中庭に面した部分にある既存バルコニーと手摺をガラスのカーテンウオールで包み内部化を図ることで,内部空聞から中庭や東山への眺望を確保するほか,外部から見ることができたバルコニ一手描による特徴的な水平性の継承を図っております。さらに実施設計におきましては,より透明感を確保するために,意匠ですとか素材,構造の検証を行い,ガラスを支える方立が繊細に見える割付の方に変更の方を行っております。設計コンセプトとしての説明は,以上になります。

 続きまして7ページをお開きください。それでは,当該地に係る保全すべdき風致や緑化に関する考え方と,建築物の形態意匠に関する考え方を説明の方させていただきます。

 まず,計画地に係る保全すべき風致について説明します。計画地が位置する関崎・南禅寺地域については,京都疏水の開設を契機に周辺の市街化と京都の近代化が進んで、いった地域であり,社寺などにより歴史的環境を醸し出している地域であるとともに,京都の近代化の一翼を担ってきた地域でもあります。特に岡崎公園一帯は,わが国でも有数の文化が蓄積した地域であり,平安神宮や京都府立図書館,京都市美術館などの歴史の重厚性を感じさせる建築物と,琵琶湖疏水や神宮道,二条通などの水と縁に彩られた広々とした空間により優れた都市景観・環境が形成されているというふうに位置付けられております。

 このため再整備計画においては,既存樹木で構成される広々として緑豊かな通り景観や,都市における自然的景観を維持するため,道路及び琵琶湖疏水に面した既存樹木を保全し,充実することとしています。また,東山を背景として,広々としたオープンスペースで構成されたスケールの大きな都市空間が既に形成されており,この優れた都市景観を保全継承し,さらに地域の賑わいの創出に向けた再整備を図っております。あわせて,これらの優れた都市景観・環境を生かした地球温暖化対策を推進する計画となっています。

 続きまして2ページの右側の挿絵とともに確認いただけたらと思います。緑化に関する考え方ですけれども,既存樹木の保全につきましては,疏水沿いのサクラ並木,二条通沿いのケヤキ並木を保全し,疏水沿いにあるトイレの撤去跡には,ソメイヨシノの補植を行います。中庭に面する京都市美術館別館の南側の生垣と中庭にあるシンボ、ル樹につきましては保全を行うとともに,前回の委員会での御意見を踏まえまして,西面にあったナツヅタが,建築物とともに歴史の重厚性を感じさせる景観を形成してきたというふうに考え,西面に植-9-栽可能スペースを設けナツヅタによる景観の復元を念頭に,今後,詳細の検討を行うことというふうに考えております。

 街区全体で一体感を感じられる緑化について説明します。街区内での縁の連続性を確保するため,既存樹木の保全・充実に加え,京都会館と美術館別館との聞の空間を段状に植栽を行い,会議棟東側にあるプレハプ小屋を撤去した跡には,低木や芝生等の植栽を行います。また,街区内での回遊性のある動線除去の回廊」を確保するために,神宮道で予定されている歩行者専用化によって創出される賑わいとをつなぐ動線の確保L 会議棟東側で計画されている賑わいとつなぐ動線の確保を図っております。この「緑の回廊」は東側に隣接する公園が中心となることに留意し,この公園と隣接する箇所は,公題視!Jからの視線の広がりを確保するため,中木の生垣を撤去し,低木や芝生に植え替えを行います。今後の詳細設計においては,東側に隣接する公園との一体感と連続性の確保が重要となるため,これから進んで行く周辺計画の進捗を見ながら,ランドスケープの専門家の意見を参考に取り組んでいくというふうにしております。

 地球環境に配慮した温暖化対策等につきましては,京都会館の屋上を禄化スペースとして捉え,増築部分の大庇上及び既存棟南西部には屋上緑化を配置し,可能な限り緑化空間の創出に努めております。また,中庭をはじめ,それ以外の場所においては,例えば,御池通沿いに見られるような市民や事業者との協働による緑化に努めるなど,その他の手法により,来場者に親しまれるような緑化を図っていきます。また,水循環の低速化,都市洪水の抑制につながる雨水貯留槽を増築部の地下に設けるとともに,湧水,井水についても雑用水として利用する計画になっております。中庭につきましては,完成後に賃貸しされることが決まっているのですが,床の仕上げについては,意匠性とオープンスペースとして必要になる機能性,浸透性等の機能性のバランスを考えながら,詳細の決定を行っていきたいというふうに考えております。最後に,建築物の形態意匠に関する考え方について説明させていただきます。今回諮問させていただ、いている計画については,既存建物の外観を特徴付けていた大庇を増築後も四周に配置するとともに,再整備を行う共通ロビーにおいては,透明感の高い繊細なものとするためガラスのカーテンウオールで、覆うなと京都会館のデザイン特性である,深い庇による流れるような水平感や内外の一体感を生み出す巧みな構成の継承を図っていること,基調となる色彩又は材料について,既存部分と揃えるなどの工夫を図っていること,地上付近の高さに建築設備を設けない計画となっており,建築設備は,既存建物の屋上及び増築建物の屋上部分に設ける計画としている。増築部の屋上については,屋根に因われており,それ以外の箇所は3方ないし4方をアルミルーパーによって修景を図っているということ,その他,建物価値継承委員会から提言された内容を再整備計画に反映することで,京都会館の近代性と伝統の融合を感じさ-10-せる風格と魅力のある建築物としての調和を図っていることから,冒頭で説明した,許可の基準及び保全すべき風致等の考え方に合致するものであるというふうに考えておりまして,協議の成立を考えております。

 最後に,景観シミュレーション, 2 5ページ目以降なのですが,御確認ください。各シミュレーションの結果からですけれども,シミュレーションの結果につきましては,フライタワーの色彩が落ち着いた茶系の色彩となっていることで,より突出感のない,周辺と調和している印象を受ける結果になっているというふうに考えております。本件計画における建築物の形態,素材,色彩等の意匠が,計画敷地だけでなく岡崎公園一帯を含む周辺の風致との調和が図られているというふうに考え,風致の維持に支障がないため協議を成立させたいというふうに考えております。資料の説明につきましては以上となります。御審議のほど,よろしくお願いいたします。

■平成24年度京都市美観風致審議会第5回景観専門小委員会議事録(要旨)-2

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2013-07-30 第2回 景観専門小委員会諮問資料(公開用)-「京都市」
2013-07-30 第2回 景観専門小委員会設計説明資料(公開用)-「京都市」
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by 2011-kyoto | 2013-11-11 19:01 | 2013/07
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