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2012-01-30 「京都会館」の建築的価値-「長瀬博一」
「京都会館」の建築的価値
2012.1長瀬 博一㈲長瀬建築研究所

一、近くの東山の穏やかな山並と疏水の流れ、緑も多く、美術館、図書館、平安神宮や武道館等の落着いた低層の文化施設集積地に相応しい大きな水平庇を廻した水平感の強い安定感のある佇まい、勾配屋根により大ホール上部のボリューム低減をはかり、景観上の突出感をなくし半世紀の間に岡崎地区の中心的風景となっている。

二、正面側(二条通側)には寺院の山門を思わす列柱がピロティを形成し、その奥には東山に開かれた中庭広場が広がり、最奥に大ホールロビー、両側には小ホールロビーと会議場ロビー、三方への人の出入が、ピロティと中庭で結ばれて、いかにも透けのきいた伸びやかな空間構成となっている。

三、人のアクセスに伴う空間の伸張性(伸展性)を強める如く、南北に走るバルコニーがあり、その高さを低めに押えてあり、そこを通過する事で大・小各ホールのロビーへ入った際、高さ方向の解放感が増す効果を発揮している。

四、利用客として奥の大ホールロビーからゲイトとしてのピロティ方向をガラス壁越しに透視すると、昼も夜間も空間の南北の伸びやかさが際立つ。(空間の水平軸の重視)

五、正面側敷地内に建設時植樹された欅は、半世紀間の成長で建築のスケールともバランス良く、見事な緑の回廊を前面に形成し、建築外観は今やその背後に見え隠れして、水平庇やピロティと並び豊かな陰影に富む景観をつくり出している。        
御存知のように箱形で軒庇もない近代・現代建築の外観上の物足りなさは、関西の伝統建築に多く見られる深い軒や大・小の庇、ロジア的な土庇や太・細の格子類、スダレ等による幾重もの陰影のグラデーションによる深味、味わいとは対遮的なものである。その点、京都会館は深い水平庇、ピロティ、東西南北に貫入するバルコニー、真壁造の架構や欅並木が相まって、これ又幾重もの陰影を生み出し、社寺仏閣の街でもある京都に相合しい骨太の和の風格が漂う近代建築である。

六、脇正面とも云える西側立面では、ツタをからませた彫塑的なコンクリート壁と日本の伝統的真壁造を想わす柱梁による簡潔な構成及び色彩上コンクリートと対比的効果を発揮している小豆色の大型タイル壁が、正面側と共に今や風格ある風景となっている。
同じく京都に於る近代建築の秀作、国立国際会議場の如き特殊な台形架構と異なり、水平垂直の一見平凡な架構は大庇や素材の扱い方で一つの普遍性のある架構美を生み出している。


七、公共建築として権威主義的に構えるところも全くなく、四六時中市民に開かれてアクセスしやすく様々な人の溜りを可能とする構成は、公共空間の在り方の模範例と言えよう。南側はピロティから、東側(公園)からは開放された中庭広場からアクセス出来、ピロティや大庇下、中庭に面した大階段やバルコニー等、随所の居場所へ誘う空間が用意されていて、人の集い、出会い、憩う場を提供している。毎年開かれてきた合唱祭や吹奏楽祭等多くのグループが集う際も、外部のそこかしこに人の溜りが出来、使いこなされる有様が如実に見られる。閉館時でも開放されているこうした居場所の豊かさこそ公共の名に値するものであろう。

八、随所の大壁面を構成する大型タイルの小豆色の色調はコンクリートの淡灰色と対比を成し何時までも飽きのこない落着いた色合いと肌理を持っている。
戦後、戦災にあわず残った京都市中を体感した設計者、前川國男が感動の言葉を残しているが、当時の洛中の集合景観は、弁柄色(小豆色)の町家が連担して町並を形成し、ムクリのついた勾配屋根のいぶし瓦の甍の波も連続し、まさに心地良い音楽を身体に浴びる如くであったであろう。私見ながらこの会館の基調色であるタイルの色は、当時の洛中の基調色と符号する色を、見事に選び出したものといえよう。

以上見てきたとおり、その拠って建つ場所性を読みきった公共建築と申せましょう。



■<京都会館 市の基本計画・基本設計の問題点>-「長瀬博一」

長瀬 博一 Hirokazu Nagase
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by 2011-kyoto | 2012-01-30 00:00 | 2012/01
2012-01-29 市民が選ぶ文化財に「京都会館」が選定されました
市民が選ぶ文化財「京都会館」

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下記の予定で授与式が行われます。参加、取材大歓迎です。ぜひお越しください。
日時:2012年1月29日(日)午前10時〜
場所:京都会館 中庭(京都市左京区岡崎最勝寺町)
授与者:京都の近代建築を考える会(代表 宮本和則)

「京都会館」
所在地京都市左京区岡崎最勝寺町
竣工年昭和35年(1960年)
構造規模鉄筋コンクリート造地上4階地下1階
設計者前川國男
所有者京都市
顕彰者京都会館を大切にする会
岡崎公園と疎水を考える会
京都会館再整備をじっくり考える会
左京まちづくり連絡会

選考理由
京都でも屈指のビューポイント、岡崎公園の疎水端に、京都市民であれば誰でも知っている、一度は訪れたことがある、また平安神宮への道すがら、モダンでありながら和風を感じさせるその建物を記憶している観光客の方々も多いのではないか?そういう心に残る建物が京都会館です。戦後もようやく落ち着いた1960年、市民の集える施設として、また日本で唯一公共団体が運営する京都市交響楽団の本拠地として建設されました。設計の前川國男氏はル・コルビュジエに師事された、日本のモダニズム建築の第一人者です。敷地の特性をよく考え、ここ京都では建物の高さをできるだけ低く抑えることに成功しています。外観はモダニズムスタイルらしいコンクリート打放しの柱・梁と低く抑えた軒の高さに、和を感じさせる深いひさしが影を落としています。中庭に立てば、視線は建物を透かして外へと導かれ、大きな建物の威圧感を感じさせません。内部は多目的な用途を盛り込み、多用な使い方のできる仕掛けを持ったおもちゃ箱のような楽しさに満ちています。
京都市はこの京都会館を改築するにあたり、第一ホール部分を高くして周囲との調和を無視し、オペラ公演のできるホールを謳って市民の使い勝手を無視する改築案を強行しようとしています。今回顕彰させていただく上記の方々はこのような状況を憂慮し、私たちと共に京都市にもう一度改築案を考え直すよう活動されており、その一助として私たち京都の近代建築を考える会にできることを行いたいと考えました。
このように、街の風景として市民のみならず観光客にも記憶される貴重な近代建築「京都会館」は、私たち近代建築を愛する市民が「市民が選ぶ文化財」として顕彰するにふさわしい建築であり、ここに選定致します。
2012年1月29日京都の近代建築を考える会

「市民が選ぶ文化財」選定要項

(趣旨)
近年京都においても多くの近代建築物がその姿を消し、建築文化やまちの景観が失われている状況がある。権威に依拠せず、市民が自発的に考え、様々な見極める力を育て合いながら、自ら意思表示しようとするものである。

(意義及び目的)
この要領は、京都市内にあり続けてきた近代建築物で、市民生活において重要であると考えられるものについて、これらを明らかにし、市民が認識を高め合う中で、身近に建築文化を享受できる豊かな生活環境の維持継続に寄与することを目的とする。

(定義)
この要領においてそれぞれ各号に定めるところによる。
(1)「市民文化財」市民的価値を有する建造物で市民が選ぶ文化財
(2)「市民」職業等をこえて日々生活をおくる人たち
(3)「近代建築物」明治期以降に建てられた建物

(選定)
「京都の近代建築を考える会」が京都市内に存する近代建築物のうち、市民的価値を有するものを市民文化財に指定する。

(選定の基準)
市民的価値を有するものとは次の(1)から(3)までのいずれにも該当するものをいう。
(1)「愛着を覚える」
(2)「敬意を表する」
(3)「建築力が迫ってくる」

(所有者等との関連)
選定をしようとするときは、あらかじめ、所有者等の同意を得る。

(公共文化財等との関連)
文化財保護法及び京都府・市文化財保護条例の規定により文化財に指定されたものを除く。

(標識の贈呈)
『会』が交付する標識を所有者等へ贈呈する。

(選考委員会の設置)
『会』に所属する会員において委員を構成する。

「市民が選ぶ文化財」選定一覧
第一回(2004年5月選定) 旧・家邊徳時計店
第二回(2005年6月選定) 高野第3住宅集会所
第三回(2006年月選定) セカンドハウス西洞院店
第四回(2007年5月選定) flowing KARASUMA(旧山口銀行京都支店)
第五回(2008年6月選定) 壽ビルデイング
第六回(2009年5月選定) 日本聖公会京都復活教会
第七回(2010年5月選定) バザール・カフェ
第八回(2011年6月選定) 先斗町歌舞練場

■市民が選ぶ文化財に「京都会館」が選定されました-「京都の近代建築を考える会」
「京都の近代建築を考える会」
2011-07-28 京都会館を知っていますか?-「京都の近代建築を考える会」
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by 2011-kyoto | 2012-01-29 00:01 | 2012/01
2012-01-29 京都の近代建築を考える会が京都会館を表彰-「岡崎公園と疏水を考える会 公式ブログ」
京都の近代建築を考える会が京都会館を表彰
平成24年1月29日京都の近代建築を考える会が京都会館を特別表彰しました。
当会並びに主要団体が京都市の代わりに京都会館保存団体として受け取りました。

■京都の近代建築を考える会が京都会館を表彰-「岡崎公園と疏水を考える会 公式ブログ」

関連リンク
2012-01-29 市民が選ぶ文化財に「京都会館」が選定されました
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by 2011-kyoto | 2012-01-29 00:00 | 2012/01
2012-02-21 まちづくり共同研究会:「京都会館の建築的価値・保全の必要性と・・・」開催のお知らせ
まちづくり共同研究会:京都会館の建築的価値・保全の必要性と京都会館再整備問題の現状

開催日:2012年2月21日(火曜日)

※原則として会場は京都市中京区、時間帯は18時30分~21時頃です。
※ご参加を希望される方は事前にお問い合わせください。

テーマ:
京都会館の建築的価値・保全の必要性と京都会館再整備問題の現状


■まちづくり共同研究会:京都会館の建築的価値・保全の必要性と京都会館再整備問題の現状-「まちづくり共同研究会」
まちづくり共同研究会
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by 2011-kyoto | 2012-01-28 12:00 | 2012/02
2012-01-24 岡崎学区自治連合会会長宛てに要請書-「岡崎公園と疎水を考える会」
京都市左京区岡崎学区自治連合会会長宛てに要請書

一月初頭に京都市左京区岡崎学区自治連合会会長宛てに当会から要請書を提出しております。
この方は岡崎の住民の意見として集約されている重要人物で継承委員会やエリアマネージメント、岡崎地域活性化ビジョン検討委員会に必ず出席しています。
あくまでも個人的意見で発言されており岡崎公園住民の意見が反映されているわけではありません。その発言に対し回覧版で意見の集約をするわけではなく、さも住民の意見として京都市がとりあげていること自体に疑問を感じます。
そこで、当会として会長に岡崎の諸問題に対し再認識して本当の声を届けて頂きたく要望書を提出しております。

要請書
 常日頃から岡崎学区民のための諸活動に取り組まれていることに深甚な敬意を表します。また、岡崎グランドを住民の広域避難場所として引き続き確保するにあたり、多大なご尽力を賜り厚くお礼申し上げます。
 さてその上に立って、当会として岡崎公園、京都会館を京都市民、岡崎学区民の大切な財産として、保存・発展させる立場で様々な形で取り組んできたところでもあり、また地域に居住される住民の生活環境を守るという観点からも、下記の点についてご協力いただけるよう要請するものです。



1、将来の文化財登録を見据えた京都会館の再整備をお願いします。
「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」において以下に述べる諸事項を念頭に、ご発言・対応していただきますようお願いいたします。

<1>地元岡崎学区民から次のような声が多数当会によせられています。また「京都会館と岡崎の景観の保存を求める署名」も多く寄せられています。
「京都会館の改築により、会館使用料が高くなり、地元の中学校の行事や吹奏楽部のコンクールなど、これまで行われていた市民の文化活動ができなくなるのではないか」
「東山の借景と調和した岡崎公園周辺の景観が悪くなる。」
「高さ規制が31mになることにより、近くで建てられているマンションなども15mで規制されているのに、もっと規制を緩めよということにつながらないか」
「京都会館という将来文化財登録を考えられる歴史的な建物を壊してしまってよいのか。内部施設の改修で機能を高めながら、文化財登録に影響を及ぼさないよう外観、高さ、様式等の保存を考えてもらいたい。」

<2>日本の大切な文化財産「京都会館」
岡崎住民、京都市民だけでなく、全国の方々が岡崎・京都会館を愛しておられます。
日本建築学会や鈴木博之(ドコモモ・ジャパン代表)さんらの近代建築の専門家、山田洋次さん、土橋享さん、大林宣彦さんら日本を代表する多くの映画監督の皆さん、大学の先生方等々300名以上にも及ぶ著名な学者・文化人等のみなさんが「日本近代建築の巨匠前川國男の代表作 京都会館の保存をねがう」アピールに賛同されています。別紙をご覧いただき全国の皆さんの願いをお汲み取り下さい。

<3>京都弁護士会が10月21日提出された京都市長、京都市議会議長、京都市会各会派あての意見書のなかで「京都会館に係る部分」では次のように結論づけられています。

「2 京都会館の改築、特にオペラ開催のための舞台機能を強化するのか否かについては取りやめも含めて再検討すべきである。
   3 京都会館の改築・高さ制限の緩和については、これまでに蓄積された様々な調査や検討の結果、および『京都会館再整備の方向性に関する意見書』における【A】案・【B】案、「京都会館再整備基本計画」における【改修案A】・【改修案B】を市民にわかりやすく再提示し、それらについての市民の意見を聴取した上で、『施設機能の充実に必要な高さの必要最小限の範囲』について再検討し、決定すべきである。
   4 京都会館の建物の価値の承継において、以下の点に留意すべきである。
(1)京都会館の建物の価値を改めて検証し、公表されたい。その際には、熊本県立美術館をはじめとする前川國男設計の建物に現実に比較調査を実施されたい。
(2)その上で、少なくとも以下の4つの建物の特徴は、京都会館の『建物の価値』として、後世に引き継ぐべきである。
①周囲に樹木を敢えて植栽し、それとの高さの調和を意識して設計された建物の外観
②東山と連続するように設計されたドーム型の屋根形状
③巨大な空間構成のホールホワイエ
④建物内部と外部を連続的に見せる広大なガラス張りの仕切壁」

<4>特定企業への命名権売却ついての危惧(NHK NEWS web 11/9)
光学機器メーカーのオリンパスが投資による損失を長年隠してきた問題に関連して、東京・八王子市は今春開館した新市民会館を「オリンパスホール八王子」の名で、昨年命名権を売却した。八王子市民からは「企業の評判が落ちることで、八王子の評判も悪くならないか心配している」との声が上がっています。

2 以上のことをふまえての当会の見解
  ※将来、文化財登録ができるような再整備をお願いします。
日本を代表するモダニズム建築・京都会館は、岡崎の風景に調和した歴史的価値ある建築物なので、高さや外観・建築様式を変えることなく保存してください。音響、座席、トイレ、バリアフリーなど必要な設備の改善については、市民に利用しやすく充実・整備してください。

要望書全文はこちらから

■京都市左京区岡崎学区自治連合会会長宛てに要請書-「岡崎公園と疎水を考える会 公式ブログ」

京都会館建替問題について、これまで提出された保存要望書

関連リンク
■京都会館の建物価値継承に係る検討委員会関連記事
2011-06-29 市の岡崎地区活性化ビジョン 住民「静けさ維持を」-「京都新聞」
2010-06-22 「岡崎地域活性化ビジョン検討委員会」の設置について-「京都市情報館」
2010-07-14 第1回岡崎地域活性化ビジョン検討委員会-「京都市情報館」
2010-09-24 第2回岡崎地域活性化ビジョン検討委員会-「京都市情報館」
2011-01-07 第3回岡崎地域活性化ビジョン検討委員会-「京都市情報館」
2011-03-09 第4回岡崎地域活性化ビジョン検討委員会-「京都市情報館」
2011-06-27 京都 岡崎地域 エリアマネジメントニュース-「京都市情報館」
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by 2011-kyoto | 2012-01-27 11:44 | 2012/01
2011-04-01 京都会館再整備に関する市民意見の募集について-並べ替えてみました(参考資料)
2011-04-01 京都会館再整備に関する市民意見の募集についての結果掲載の京都会館再整備に関する市民意見の概要.pdf「本市(=京都市)の考え方」(対応/参考/困難/その他)を基準に並べ替えてみました。

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■京都会館再整備に関する市民意見の募集について-並べ替えてみました(参考資料)

2011-04-01 京都会館再整備に関する市民意見の募集について-「京都市情報館」
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by 2011-kyoto | 2012-01-26 00:00 | 2012/01
2012-01-14 第47回京都市都市計画審議会の記録(傍聴者Aさんのメモ)
〇議会を傍聴したAさんの記録を掲載させていただきます。

第47回京都市都市計画審議会
日時 平成24年1月20日(金曜日)午後1時から
会場 京都平安ホテル 1階「平安の間」(京都市上京区烏丸通上長者町上ル)

2012-01-04 第47回京都市都市計画審議会の開催について-「京都市情報館」


クリックすると拡大します↓
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1.
委員)市民的な合意が得られていない。いろんな団体からも保存要望書が出されている。拙速に進めることがどうなのか。
京都市)(京都会館の改修は)いろんな方面から要望をいただいているが、基本的に賛成いただいている。
Aさんの感想)・市民の財産だからこそ、慎重な議論や充分な手続きが必要なのでは。
  市民の反対が多いにもかかわらず、建築学会などから『保存要望書』が出されているにもかかわらず、「基本的に賛成いただいている」とは何なのか。 
・審議会委員の指摘どおり、検討委員会でも結論が出ていない、残り1回では議論ができないとなっているものを、先にこの審議会で承認することは「検討委員の先生がたに失礼ではないか。

委員)パブリックコメントでは、改修に賛成が7割、としていた。
今回の意見書では、「賛成/反対」の割合が記載されていないが、数えてみると逆に7割が「反対」となる。このことをどうみるのか。市民の意見を反映していない。
京都市)・前回のパブリックコメントは京都市政全般について広く意見をお聞きするもの。今回の意見書は、賛否を問うものでは無い。
 パブリックコメントも賛否を問うものでは無いが、どういう方向性か、ということだった。
Aさんの感想)・パブリックコメントでは建て替えはおろか改修内容さえ示していなかった。  改修内容が明らかにされるにつれ市民の反対が増加している、ということは委員からも指摘されている。それを未だに「賛成多数」と言うことは、事実に反するのでは。


委員)・新たな建物でなくとも、現存の建物が「将来建て替えでの変更」がありうる、ということか。
地区計画には8割が反対している。高さ規制を緩和するのは新景観政策に矛盾。
・京都会館の建て替えは大きな問題であり、ここで簡単に決めてしまうことはどうなのか。
市民の文化活動の場として優先すべき。景観や文化財の犠牲が大きすぎる。
・現在でも冷泉通の南側は“良質な賑わい”と言えず、住民が困っている。
 北側を南側に合わせるより、南側の問題を改善すべきでは。
京都市)・今の南側の問題は、冷泉通の北側も南側も事業所や倉庫などで住宅は半分しか無いから問題無い。
 基本的に観光客の個人のモラルの問題。
・新景観政策では、高さ制限の引き下げをした。必要があれば変更できる、としておいた。
 今回のような変更はすでに盛り込まれているので矛盾しない。
・特別用途で大きな建物が建つ可能性は無い。
 「京都会館と調和した」と書いている。京都会館がとんでもなく変わらない限りは。
Aさんの感想) ・冷泉通の北も南も「住宅は半分しか無いから問題無い」とは、地域住民の生活や安全に対してどういう態度なのか。 
・「京都会館がとんでもなく変わらない限りは」とわざわざ付け足した意図は。
 現在の『再整備基本計画』はまさに“とんでもなく変わる”計画である。


委員)・京都会館建て替えの問題では、検討委員会でも批判が多い。委員の先生からも、「結論が出ていない」と言われている。
京都市)・今まで京都会館でできなかったことをするための整備。舞台内高さ27mは国内標準で、最近のホールは27m以上ある。
 検討委員の先生は、本来なら30m以上欲しいが27mに抑えないとしかたないと言っている。
Aさんの感想)・「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」の委員の先生がたは、おおむね基本計画そのものに「反対」である。
  そのことにはひとつも触れず、舞台関係者の委員の発言のみが検討委員会の総意であるかのような市の答弁は、どうなのか。


委員)・京都会館だけでなく、岡崎ビジョン全体にも反対が多い。
京都市)・岡崎ビジョンは今あるものを継承することが目的。
 町内プロジェクトチームもあり、「建物価値継承にかかる検討委員会」に市民の代表も入っている。
 協議会に地元商店街も入っている。 


委員)・この京都で新たに大きな開発をすることは無い。今後民間活用が入った時、グラウンドに何か建てられないか。
京都市)・グラウンドは避難場所でもあり、市民のつかえるものにしたい。
・(グラウンドをカフェなどにするのは、用途地域を変更しないと不可能)ということは無い。


委員)・用途地域の変更は、なぜ変更するのか、という理由が納得できない。このままでは困るという理由が無い。
京都市)・特例許可では一回一回特例許可の手続きが必要だが、地区計画では必要無い。
 地区計画は都市計画で、一定の面的なまとまりで見るもの。特例許可はいちいちデザインまで言うから。
 市民の財産なので、いちいち許可制度でやることは良くない。


委員)・住民から要望いただいた。心配されているのは会館使用料があがり市民の利用に制限が出るのでは、ということ。
これについて、会館の使用料があがらないという約束はできるのか。
京都市)・現在基本設計中、次に実施設計。まだ会館がどういう機能、構造になるかわからないので、使用料は計算していない。
 市民の発表の場でもあるので、商業ベースのものと同一では無いようにできないか、など検討するが、まだ検討中。


委員)・ロームの件、新聞報道では契約の内容がロームの条件を呑むかたちのようだが。
京都市)・ロームから条件を出された契約では無い

10
委員)・この審議会で承認の決を採ることに反対。

■マスタープランについて
11
委員)・地域まちづくり構想について、今後追加・見直しなども対応していこうという説明だった。
だとすれば、市民のみなさんから批判の声がたくさんあるようなものは、まちづくり構想から外すべきではないか。
12
委員)・岡崎地域のように、まだまだ議論が継続中の問題。この10年のマスタープランに組み込んでいくのは拙速ではないか。
市民の意見を反映していると言えない。少なくとも今回外してはどうか。
13
委員)・地域まちづくり以外でも、梅小路の水族館、四条通の2車線化など、住民から批判が出されている。
こういった批判や疑問の寄せられているものを、マスタープランに前提として位置づけられているのは強引。
今後10年のマスタープランで決定すべきではない。
14
委員)・地域まちづくり構想で「行政発意の場合は行政が市民等の意見をしっかり聞いたうえで作成」となっている。

京都市)
・別冊の、岡崎の地域まちづくり構想を市民の反対意見があるのでマスタープランから外すべきだと言うが、そもそも 『岡崎活性化ビジョン』 は京都市がしっかりと市民の意見を聞いたうえで盛り込んだもの。 そういったものを今回マスタープランに差し込むことは、わたしどもとしては当然の話。


京都会館建替問題について、これまで提出された保存要望書


関連リンク
2012-01-21 市民から期待と不安 京都会館高さ緩和・四条通を1車線化-「朝日新聞」

2012-01-21 平成24年1月20日都市計画審議会で京都会館再整備計画加速-「岡崎公園と疏水を考える会 公式ブログ」

2012-01-07 京都会館建替え中止求める要望署名7600人分提出-「京都民法Web」
2012-01-19 岡崎地域における都市計画の見直しについて-「京都市情報館」
2012-01-20 岡崎地域の高さ規制緩和を決定 京都市都計審、京都会館再整備へ-「京都新聞」
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by 2011-kyoto | 2012-01-25 16:43 | 2012/01
2012-01-24 2012年の都市・建築・言葉 アンケートより RAD(川勝真一)-「10+1 Web site」
特集:2011-2012年の都市・建築・言葉

2──2011年で印象に残った、都市や建築を語るうえでの人・建築作品・言葉・発言・書物・映像・メデイア・出来事などを挙げ、それについてコメントしてください。
[川勝真一]A2
震災とそれ以降の出来事とすこし距離をとって、とはいえ密接に関係もしていると思われる私個人にとって身近な出来事として、京都会館の改修問題がある。ここでの問題というのは改修それ自体ではなく、改修へと至る経緯そのものが問題として取り上げられている。その意味で「A1」の話しとも連動している。つまり今回の京都会館をめぐっては、大規模なオペラができるだけの改修が本当に必要かどうかを、その根拠や、その決定のプロセスが透明性を持って明示されたうえで私たちの問題として考えられるかどうかが最大の焦点である。

80億円近い改修費と確実に増加するであろう施設維持費(現状で明確な試算は算出されていない)には、税金があてられることになるだろうし、そうした費用が増えることで地道に活動をつつけている若いアーティストの活動環境が悪化することも考えられる。得をするのは一部の利権者だけという、どこかで見たようないつものパターンになってしまうのか? この構図は、建築家と建築への信用を貶めた「ハコモノ」と言われる公共建築のあり方と同じだ。建築家が社会的な信用を取り戻し、都市や街をつくっていく主体となりたいのなら、長い目を持っていまある計画への疑問や妥当性、その先に生み出される状況を考える必要がある。今回の京都会館を巡る取り組みはそのようなものとして理解されるべきだと思っている。

そして、京都会館での取り組みそのものを、公共性を開いていくためのケーススタディとして、その不透明な部分へいかにアプローチできるのかを学んでいかなくてはならない。原発問題しかり、当然のようにこの問題は、日本の至るところに存在している。それを理解したうえで、合理的かつ透明性を持って議論されれば、建設時の理念を都市の資産として引き継ぎつつ、少ない予算での改修の手が見出されるはずだ。


■2012年の都市・建築・言葉 アンケートより RAD(川勝真一)-「10+1 Web site」

2011-2012年の都市・建築・言葉 アンケート
radlab.
関連リンク
2011-05-01 公共建築のあり方そのものを「再整備」せよ-川勝真一「建築ジャーナル」5月号
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by 2011-kyoto | 2012-01-25 09:00 | 2012/01
2012-01-25 岡崎公園と疎水を考える会ニュースNo.8-署名提出、ご協力ありがとうございました
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■岡崎公園と疎水を考える会ニュースNo.8-署名提出、ご協力ありがとうございました

岡崎公園と疏水を考える会 公式ブログ 京都会館再整備No!

2012-01-06 京都会館問題主要5団体合同で京都市に再整備に関する署名提出-「岡崎公園と疏水を考える会」
2012-01-14 第47回京都市都市計画審議会の記録(傍聴者Aさんのメモ)
2012-01-16 京都会館建物価値継承委員会 第3回会議 傍聴メモ(4)意見交換:フライタワー高さについて


2011-12-11 岡崎公園と疎水を考える会ニュースNo.7-京都会館の保存を願う文化人ら続々
2011-11-28 岡崎公園と疎水を考える会ニュースNo.6-11月15日開催シンポジウムのご報告
2011-08-15 岡崎公園と疏水を考える会ニュースNo.5-「岡崎公園と疏水を考える会」
2011-08-10 岡崎公園と疎水を考える会ニュースNo.4-「岡崎公園と疎水を考える会」
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by 2011-kyoto | 2012-01-25 00:00 | 2012/01
2012-01-21 市民から期待と不安 京都会館高さ緩和・四条通を1車線化-「朝日新聞」
市民から期待と不安

◆京都会館高さ緩和・四条通を1車線化◆
―京都市都計審が決定―


四条通の1車線化と、京都会館(左京区)建て替えに伴う高さ規制の緩和が20日、京都市の都市計画審議会で決まった。門川大作市長が進めてきた「歩くまち」「文化芸術都市」の施策を反映する内容。市長選の告示が22日に迫るなか、市民からは「念願がかなった」「強引だ」と歓迎と批判の声が上がった。

 烏丸通―川端通の東西約1キロを片側1車線にし、歩道を広げる四条通の整備計画。市は審議会で、16あるバス停を2カ所に集約▽タクシーの客待ちスペースを確保▽一般車や荷物搬送車の駐停車スペースを数カ所に設置――などを挙げ、社会実験や交通量データの分析も踏まえて、「車道を減らしても大きな影響はない」と説明した。

 しかし、府警の委員は「説明は十分でなく、渋滞の懸念がある」と反対の意見を述べた。「救急車や消防車は通れるのか」といった疑問も出されたが、「歩行者優先の方向性は賛同できる」「まちの発展につながる」との発言が大勢を占め、多数決で決まった。

 審議会の傍聴席では、地元の商店主や住民らも議論を見守った。歩道の拡幅を要望してきた四条繁栄会商店街振興組合理事長の堀部素弘さん(73)は「これで安心して歩けるまちづくりが進む。集客につながれば」と期待を込めた。地元自治会役員の丸橋春樹さん(62)=中京区=は「周辺の車道が渋滞し、生活が脅かされないか。対策を考えたい」と不安がった。

 高さ規制の緩和をめぐっては、市が2007年に導入した「新景観政策」との関係が議論になった。これまでの上限15メートルから、京都会館第1ホールの建て替えに合わせて最大31メートルにまで緩和した市の姿勢に対し、審議会の委員からは「景観政策に矛盾する」と反対意見も出たが、やはり多数決で決まった。

 市民から約8千人の反対署名を集める活動にかかわった市民団体「京都会館再整備をじっくり考える会」の西本裕美さんは、「市がつくったルールを自ら破るもの。大変残念です」と話していた。
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■市民から期待と不安 京都会館高さ緩和・四条通を1車線化-「朝日新聞」

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by 2011-kyoto | 2012-01-24 00:30 | 2012/01