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2012-11-30 京都市長宛:京都会館第一ホール解体工事に伴う抗議書-吉田和義
京都会館第一ホール解体工事に伴う抗議書
平成24年11月30日

京都市長 門川大作 殿
京都市都市計画局公共建築部工務監理課 殿
京都市文化市民局文化芸術都市推進室芸術企画課 殿

京都市左京区岡崎天王町58番地
吉田 和義

京都会館第一ホール解体工事に伴う抗議書

平成24年11月29日撮影

上記の写真が、如実に描写しているように、同年8月19日に開催せる「京都会館第1ホール解体工事」工事説明会で、市民に約束した解体工事手順は、完全に無視され、業者任せの工事に終始し、アスベスト類の完全除去、粉塵・騒音・振動対策が講じられていない。

全くの剥き出し解体工事は日本においても類を見ない解体工事である。労働安全衛生法を遵守し、なお行政監督機関の指導は厳守して、良好な作業環境を保持して、アスベスト類の飛散防止、粉塵、騒音、振動などの対策を十二分に講じて、解体工事を進行するが、事前説明会に参加した市民との公約であったはずだが、現状は無残な状況で推移している。

しかも、現状は現場写真が如実に示しているように、有害粉塵の拡散防護措置は講じられておらず、作業日の天候特に風向き・風速によっては、周辺住宅街に拡散し放題である。周辺には、乳児園や学校も存在し、かつ通学路に面し、現場北面は、観光バス駐車場で、毎日不特定多数の人が、行き来し、作業場から拡散された粉塵(アスベスト類の合有の可能性がある粉塵)を吸引しています。

また、作業者専用の便所がなく、作業現場南西の公衆トイレを使用しているのは、粉塵などが付着した作業衣のまま出入りしている。

しかも有害物質が含まれている可能性の高い土間に、廃材運搬車両が積荷作業を行い、処理場に向かう際タイヤに有害粉塵を付着させたまま、市街地を運行しているのが現実である。本来ならタイヤ洗浄装置を現場の出入り口に設置して、タイヤを洗浄し市中の拡散を防止すべきですが、完全に無視して作業が進められているのは許しがたい暴挙である。また、作業現場周辺の自治会などが改善要望を携えて、地元岡崎自治連合会を通じて、施工業者なり、京都市の監理監督部門に、善処方の申し入れ改善のための努力を行うのが通例で、日本の何処の工事現場でも常態であるが、こと岡崎学区自治連合会は、完全に行政の言いなりで、地域住民の健康の保全や良好な住居環境の維持に努める努力をなさず、京都市の行政もそれを良いことに改善のための施策をしていない。

適正かつ市民と約束した事項を遵守して作業を行うよう抗議いたします。

「アスベスト濃度測定」掲示は行っているが、サンプルの採取場所と時間が示されていないし、基準値以下であっても、有害なアスベスト類は、人間が呼吸するさい、体内に蓄積され、排泄されることはなく、基準値以下であっても、その間総量としていくら空気中に拡散流付しいて、総量としての生理的安全の基準の情報公開が全くなされていない。かつ「アスベスト合有建築資材」の処理についても、隠蔽されたままである。地元住民に対しての日常生活の安全確保と、時間を経過してから現れるであろう、有害物質の健康被害を受けないための万全の対策を講じ、施工業者に対しても適切なご指導を強く要望する。
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■京都市長宛:京都会館第一ホール解体工事に伴う抗議書-吉田和義

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2010-06-22 「岡崎地域活性化ビジョン検討委員会」の設置について-「京都市情報館」
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by 2011-kyoto | 2012-11-30 00:00 | 2012/11
2012-11-30 岡崎公園と疎水を考える会ニュースNo.16-ずさんな京都会館の解体工事
岡崎公園と疎水を考える会ニュースNo.16-ずさんな京都会館の解体工事
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■岡崎公園と疎水を考える会ニュースNo.16-ずさんな京都会館の解体工事

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2011-06-10 岡崎公園と疎水を考える会ニュースNo.2
2011-03-28 岡崎公園と疎水を考える会ニュースNo.1
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by 2011-kyoto | 2012-11-30 00:00 | 2012/11
2012-11-29 京都会館:建物解体工事差止請求事件被告側(京都市)第二回公判準備書面一式
京都会館:建物解体工事差止請求事件被告側(京都市)第二回公判準備書面一式
被告準備書面.pdf
被告証拠説明書(2).pdf
乙第4号証.pdf
乙第5号証.pdf
乙第6号証.pdf
乙第7号証.pdf
乙第8号証.pdf
<被告準備書面より抜粋>
原告訴状と被告答弁対応表もご参照ください

第2 被告の主張
1 本案前の主張(京都会館第一ホールの解体行為の財務会計行為非該当について)
(1) 京都会館は,公の施設として,京都会館条例(乙第5号証)に基づき設置された行政財産であり,その設置目的は,同条例第1条に定めているとおり,京都市における「文化の振興及び市民の豊かな生活の形成に質するため,音楽,演劇,舞踊等の公演その他の文化的な催物等の用に供する」ということにある。
本解体行為の対象となっている京都会館第一ホールは,京都会館という1つの行政財産の一部であるため,京都会館第一ホールの建替えを前提とした解体行為は,行政財産としての京都会館全体の一部の改修行為に当たり,行政財産としての用途廃止を行う必要はなく,用途廃止することなく,実施されている。

(2) ところで,本解体行為は,京都会館という行政財産の一部に直接変更を加えることとなるため,一見,財産上の「管理若しくは処分」(地方自治法第242条第1項)に該当するもののようにみえる。

(3) しかしながら,本解体行為は,京都会館第一ホールが建築後50年を経過し,外装・設備等も老朽化しているとともに,建物全体として現行の耐震基準を満たしておらず,建物の高さ,建ぺい率,緑地率,耐震基準等において現行の法令上の基準を満たしておらず既存不適格の状態にあるとともに,多目的ホールとしての機能面においても,その後建築された一般的な他都市の多目的ホールと比較すると,舞台の奥に行くほど狭く,舞台内の高さも低くなるという特殊な形状から,舞台空間を有効に使えず,また,バトン等の吊り物数が少なく,積載荷重にも制約があるほか,吊り物を設置できるスペースが不十分であるという,ホールとして機能的にも致命的な問題があり,他都市の多目的ホールで行われた公演の舞台セットが京都会館には設置できないため上演できないとの指摘も数多くされてきた(乙第2号証7ページ)ところであり,今後,質の高い様々なジャンルの舞台芸術作品の鑑賞機会を市民に提供し,また,市民が自らの文化芸術活動を発表する場といった市民が集う会館として,多くの市民から,文化芸術の創造・発信の場としての役割を求められている(申第25号証55ページ及び乙第2号証24ページ)ことから,こういった市民や舞台芸術関係者の強い期待に応え,限られた敷地条件の中で,第一ホールのみを建て替え,残る部分は必要な改修を行うことで,現代の多目的ホールとして必要な利便性や舞台機能を確保し,京都会館のこれまでの50年間に加えて,今後も50年を超えて公共ホールとして利用し続けられるために,すなわち京都会館条例第1条が定める,京都市における「文化の振興及び市民の豊かな生活の形成に質するため,音楽,演劇,舞踊等の公演その他の文化的な催物等の用に供する」という行政目的の役割の維持発展という行政財産の維持管理のために,京都会館再整備の一環として実施するものである。なお,本解体工事を含む京都会館再整備の行政上の必要性については,本書面2(1)においても詳しく述べているところである。

(4) このように,本解体行為は,条例の定める京都会館設置という行政目的実現のための行政財産の維持管理処分として行われるもので,財産の専ら財産価値に着目し,財務処理を直接の目的として行われる財産管理行為ではないから,住民訴訟の対象となる財務会計行為ではなく,本訴は,却下されるべきである(最高裁平成2年4月12日第1小法廷判決・民集44巻3号431頁)。
 ただ,木解体行為が,京都会館建物所有権利者として有する財産的価値に影響が及び,この面から財産の管理を怠るとして住民訴訟の対象となり得るという考え方もあるので,念のため,以下において,本案に関する被告の主張も行う。
2 本案に対する主張1(地方財政法違反について)
(1) 京都会館第一ホールの解体行為は地方財政法第8条に違反しないこと
 被告は,京都市が保有する建物の利用方法について,行政的見地からの広い裁量権を有しており,その判断が違法と評価されるのは,その裁量権を逸脱又は濫用した場合に限られる。
 京都会館第一ホールを解体するのは,あくまで京都会館再整備工事の一環であり,解体した後に新しい第一ホールを建設することを前提とするものである。
 この点,原告らは,被告が京都会館第一ホールを解体する行為は,地方財政法第8条に違反すると主張するが,以下に述べるとおり,京都会館第一ホールを解体する行為は同条項に違反しない。

ア 京都会館再整備の必要性
 平成23年6月に策定した「京都会館再整備基本計画」(乙第2号証)の記載のとおり,京都会館第一ホールについては,一般的な他都市の多目的ホールとは異なり,舞台と客席を区分するプロセニアムをはじめ,舞台上部に幕や道具を引き上げ,照明を吊る空間であるフライタワーや吊り物機構を設置するすのこがないという多目的ホールには特殊な形態であるうえ,舞台の奥に行くほど狭く,舞台内の高さも低くなるという特殊な形状から,舞台空間を有効に使えず,また,バトン等の吊り物数が少なく,積載荷重にも制約があるほか,吊り物を設置できるスペースが不十分であるという,ホールとして致命的な問題を有するととともに,他都市の多目的ホールで行われた公演の舞台セットが京都会館には設置できないなどの問題も指摘されてきた(乙第2号証7ページ)。
 上述のような問題がある中,京都会館は,質の高い様々なジャンルの舞台芸術作品の鑑賞機会を市民に提供し,また,市民が自らの文化芸術活動を発表する場といった市民が集う会館としての役割を求められており,多くの市民から,文化芸術の創造・発信の場としての役割を求められている(甲第25号証55ページ及び乙第2号証24ページ)
 今回の京都会館の再整備は,こういった市民や舞台芸術関係者の強い期待に応え,限られた敷地条件の中で,第一ホールのみを建て替え,残る部分は必要な改修を行うことで,現代の多目的ホールとして必要な利便性や舞台機能を確保し,京都会館のこれまでの50年間に加えて,今後も50年を超えて公共ホールとして利用し続けるために行うものである。
 したがって,京都会館の再整備は決して過大なものではなく,合理的に様々な検討を重ねた結果として行うものであり,市民をはじめ本市全体の文化芸術の発展に大きく貢献していくものである。

イ 第一ホールについては改修ではなく建替えによることが必要であること
 京都会館再整備に当たり,第一ホールを建て替え,残る部分は必要な改修を行うことの必要性については,京都会館再整備基本計画(乙第2号証)の50ページにおいて,京都会館第一ホールの機能向上について整理した内容を明らかにするとともに,様々な観点に基づき総合的・合理的に検証した結果,改修案B (第一ホールを建て替える案)を再整備の方向性として定めた旨を示している。
 京都会館全体の将来的な維持を目的として,単なる耐震補修のみで対応したとしても,それは根本的な解決には程遠く,多くの舞台芸術関係者らの強い期待に応えることは到底不可能である。
 この点,原告らは「京都会館再整備構想検討に係る機能改善可能性調査報告書」(甲第27号証)において示された60億円という試算を前提として,基本構想素案作成時の試算額約76.2億円と基本計画において示した89億円及び92億円並びに再整備における落札価格91.5憶円という金額を並べ立て,最少の費用で済む手法を選択しなかったことは,市民や議会の目を欺く民主主義に反する行為であると述べている(原告準備書面(2)2
6ページ~28ページ)。
 しかしながら,答弁書「第2 5(1)エ(ウ)」(答弁書9ページ)において述べたように「京都会館再整備構想検討に係る機能改善可能性調査報告書」(甲第27号証)に示された60億円のプランは,京都会館第一ホールの改修だけを行うことを想定しており,舞台内の高さが18メートルしか確保できないばかりか,疏水側に外壁が3.6メートルも張り出し,水平につながれた庇も途切れ,客席からの視界も十分に確保されているとはいえない状況である。
 このようなプランでは,市民のニーズに応えることはできず,当該プランは到底実現可能なものとして検討を行えるものではない。
 したがって,このプランの実現に要する60億円と,具体的な目標を設定し,その実現に向けて検討を行っていた基本構想案や基本計商で示した金額,更には具体的なプランに基づく落札価格とを比較することには全く合理性がない。

ウ 費用面について不合理な点はないこと
 京都会館再整備に要する費用の検討については,平成22年3月にまとめた京都会館再整備基本構想案報告書(甲第25号証) 138ページ及び139ページにおいてモデルプランごとに整備に要する概算費用を示すとともに,同149ページから195ページまでにおいて事業手法の検討を行っている。
 また,平成23年6月にまとめた京都会館再整備基本計画(乙第2号証)43ページから49ページにも記載があるように,整備に要する概算費用を示し,事業手法の検討等を行っている。
 このように,検討の段階に応じて,整備費用の算定と事業手法の検討を併せて行い,それぞれの時点における費用面について,合理的な検討を行っている。

エ 歴史的・文化的価値は地方財政法上の保護の対象とはならないこと
 基本計画の内容は,市民に親しまれてきた岡崎地域の文化的景観を継承するため,現京都会館を可能な限り生かしつつ,舞台等の機能を改善し,総合文化活動の拠点として十分な機能水準を確保し,公共ホールとして再生しようとするものである(乙第2号証25ページ)。
 原告らは,京都会館第一ホールの建物を解体することで,建物価値の喪失があると主張するが,地方財政法は地方公共団体の財政の運営等に関する基本原則を定め,地方財政の健全性を確保すること等を目的とする法律であり,公有財産の持つ歴史的・文化的価値の保護を対象としたものと解することはできない。
 なお,このような価値の保護について,文化財保護法等の文化財保護関係法令が制定されているが,京都会館は文化財保護法その他の法令に基づく指定等は受けていない。

オ 基本計画は合理的な検討を経たものであること
(ア) 京都会館再整備事業において京都会館第一ホールの建替えを行うことの判断に至った経過は,次のどおりである。

a 京都会館の再整備については,平成16年策定の第2次推進プランの政策項目の1つとして「京都会館の再整備構想の策定」を掲げ, 「京都で最大規模のホールを有する京都会館の開館50周年(平成22年)を契機として,大規模ホールに求められる今日的な機能を満たせるよう再整備の検討を行う」とするなど,市にとって,かねてからの政策方針であった。
 また,京都会館については,①建物全体として現行の耐震基準を満たさない,②設備,外装等も含めた建物全般に老朽化が激しい,③床辺りに段差のある箇所が見られる,④トイレが古く数も不足している,⑤楽
屋の数が少なく老朽化も見られる,⑥第一ホールの舞台が2階にあり搬入リフトも小さいこと,搬入口の位置が北側の歩道に面していることから公演資材の搬入に支障がある,⑦第一ホールの舞台が奥に行くほど幅は狭く高さは低くなっている,③建物の高さ,建ぺい率,緑地率,耐震基準等において現行の法令上の基準を満たしておらず既存不適格の状態にあるなど,建物全体に関する課題,ホール機能に関する課題及び都市計画関係、法令との整合に関する課題への対応が求められていた。

b 京都会館の再整備に向けて,利用者及びプロモーターを対象とするアンケート(平成16年度),利用者,市民代表者等による再整備検討委員会における検討(平成17~18 年度),2,000人を対象とする市民アンケート調査(平成19年度),機能改善可能性調査の実施(平成19年度)など,建物を保存し内部を改修する案から,一部を増築し機能向上を図る案,京都会館全体の全面的な建替えを行う案に至るまで様々な再整備案が検討された。

c こうした検討が進められる中,被告は,平成23年3月,岡崎ビジョンを策定した。
 岡崎ビジョンでは, 「文化芸術, MICE拠点としての機能強化」などの岡崎地域において取り組むべき7つの方策を掲げるとともに,これらの方策の中で,京都会館は,岡崎地域活性化の核として,舞台機能の強化をはじめ,会議棟や中庭,二条通沿いをおしゃれなカフェレストランなどにぎわい空間とするための再整備を進めるとともにMICE機能の強化を図ることとされた。

d 本件基本計画の策定は,岡崎ビジョンの策定と時期的にほぼ並行して進められていたが,本件基本計画には,岡崎地域活性化に資する京都会館の再整備の方向性として,舞台機能を強化すること,会議棟を用いてにぎわいを創出すること等が掲げられた。
 本件基本計画においては,こうした岡崎地域活性化に資する再整備の方向性と,被告において従前から検討を重ねてきた京都会館のあるべき姿を基にして,①現行法に適合した性能を有し,各施設への円滑な移動を可能とするための改修を主とする建物全体に係る計画,②舞台の奥行き,舞台袖の広さ及び舞台上部空間の拡大,利便性の向上その他のホール機能向上に係る計画,③屋上緑化,太陽光パネルの設置その他の環境
及び設備計画並びに④中庭,テラス等の外部空間の再整備その他の施設や外部空間の魅力向上に向けた計画を定め,これらを再整備計画とした。
 そして,これらの計画を実現する京都会館の改修案として,第一ホールの一部を増築し,他は全面改修する案(改修案A) と,第一ホールは全て建て替え,他は全面改修する案(改修案B) の2つの案を掲げ,本件基本計画における検討の対象とした。
 そのうえで,両案を比較検討し,①舞台機能等のホールとしての機能の充実の点及び耐震,防火等の法的対応の柔軟性の点では,改修案Bが優れていること,②建物価値や景観の継承の点ではいずれの案も建物の外観への影響が予想されること等から両案に優劣を付け難いこと,③コストの点では両案に大きな差がないことを勘案して,改修案Bを再整備方針として定め,今後の設計業務に引き継ぐものとした。

e 上記の事実関係からすれば,被告は,従来から,建物全体,ホール機能及び都市計画法令に関する課題への対応を求められていた京都会館について,利用者,市民代表者,プロモータ一等から意見を聴取し,更には市民の意見を募集する等の課程を経たうえで様々な再整備案を検討し,最終的に,岡崎ビジョンに掲げる京都会館に係る公益上の要請をも踏まえて本件基本計画を策定し,第一ホールの建替えを行うことを判断したものであるということができる。
 したがって,被告の判断は,様々な要素を総合的に勘案して合理的に行われたものと認められ,その裁量判断に,明らかに事実の基礎を欠くとか不合理であるとかいった事情は認められない。

カ 予算等について議会の議決を経ていること及び資本の裏付けがあること
 京都会館第一ホールの解体工事の予算及び京都会館再整備工事に係る請負契約の予算については,平成24年3月27日付けで京都市議会の議決が得られている。
 そして,京都会館再整備工事に係る請負契約の締結については,平成24年10月26日付けで京都市議会の議決が得られている。
 また,資本については,再整備後の京都会館の命名権の売却に関して,平成23年2月にローム株式会社と50年間で50億円で基本合意に達しているほか,国土交通省と協議を重ね,社会資本整備総合交付金における「京都岡崎地区」としての都市再生整備計画を提出し,計画の認定を受け,一定の交付金の確保の目途をつけている国の補助金も見込んでいる。
 したがって,予算面での手続についても,歳入を見込んだうえで適正に行われている。

キ 結論
 被告は,京都市が保有する建物の利用方法について,行政的見地からの広い裁量権を有しており,その判断が違法と評価されるのは,その裁量権を逸脱又は濫用した場合に限られる。
 地方財政法第8条は「地方公共団体の財産は,常に良好の状態においてこれを管理し,その所有の目的に応じて最も効率的に,これを運用しなければならない」としているところ,これまでに述べたように,現状の京都会館の舞台機能が現代の利用ニーズを満たしていないことや市民にとって文化芸術の創造・発信の場として求められていること等の理由から,今後の数十年先のことを見越して合理的な検討を積み重ねた結果,現状よりもより舞台機能を向上させることで,舞台規模が狭あいなことなどを理由として利用が見送られていたような公演も可能とし,施設全体としての集客や利用率の向上を図るためには,京都会館第一ホールを建て替えることが必要と考え,解体工事を行うことになったものであり,裁量権を逸脱又は濫用したものではなく,地方財政法第8条に何ら違反するものではない。
(2)原告準備書面(2) に対する反論
京都会館再整備が地方財政法第8条の規定に違反しないことについては上記(1)でも述べたところであるが,原告準備書面(2)における地方財政法違反に係る記載について,以下のとおり反論する。

ア「第2 地方財政法8条違反(建物価値の喪失)J (同書面2~12ページ)について
 原告らは,国際記念物遺跡会議(イコモス)の20世紀遺産に関する国際学術委員会(以下「ISC20C」という。)及び日本イコモス国内委員会による意見書,京都弁護土会会長声明及び近代建築をめぐる最近の動向として優れた近代建築を保存活用しようとする動きについて言及しているが,先述のとおり,地方財政法は地方公共団体の財政の運営等に関する基本原則を定め,地方財政の健全性を確保すること等を目的とする法律であり,公有財産の持つ歴史的・文化的価値の保護を対象としたものと解することはできないため,当該主張は地方財政法第8条違反の主張としては失当である。
 なお, ISC20Cから京都会館再整備の計画見直しを求める意見書(甲第19の1号証)が提出されたことについては,当該意見書を受け,被告からISC20C委員長シェリダン・パーク氏あてに,京都会館再整備事業に係る本市の見解(乙第6号証)を平成24年9月7日に送付した。
 その後,日本イコモス国内委員会から出された京都会館再整備計画に関する見解(甲第20号証)に対しでも,被告はコメントを行っている(乙第7号証)。
 また,日本イコモス国内委員会においては,京都会館再整備計画に関する検討を行うため,第14小委員会(リビング・ヘリテージとしての20世紀建築の保存・継承に関する課題検討)を設置されており,被告は,同小委員会及び日本イコモス国内委員会から解体工事の記録の作成や,既存建物の素材の保存及び復元を検討する等の指導を受けながら解体工事を進めている。
 このように,京都会館第一ホールの解体行為は, ISC20Cや日本イコモス国内委員会からの意見等を真撃に受け止め,積極的に協議を続けており,よりよい京都会館の建物価値の継承につながるよう丁寧な対応を行っている。

イ「第3 地方財政法8条違反(全面建て替えの不合理性)」 (同書面12~20ページ)について
(ア) 「京都会館再整備の検討過程」について
 原告らは,平成17年度から平成18年度にかけて開催した京都会館再整備検討委員会から出された意見書(乙第1号証)の内容を根拠として京都会館再整備は既存部分の改修のみで行うべきと主張している。
 しかしながら,乙第1号証の38ページにおいて「【C】案として現代の利用ニーズを充足するよう理想的なホールを整備すべきとの意見があった。今後は【A】案もしくは【B】案の検討を深めていく過程においても,こういった意見を踏まえて検討していくことが期待される」とされている。
 これは,同委員会としては,議論の過程で出された全ての意見を尊重して検討を進めていくべきと示されており,既存部分の改修によるものという方針として決定されたものではなく,その後に取り組んだ基本構想素案や基本計画は,この意見書の考え方を尊重し発展させたものである。
 そもそも京都会館再整備の目的は, 2 (1)アで述べているが,京都会館再整備基本構想素案報告書(甲第25号証)の72ページ及び京都会館再整備基本計画(乙第2号証)の25ページに記載しているように, 」「既存の建物価値を継承し,公共ホールどして建物を再生する」こと及び「文化の殿堂」として多様な利用ニーズに応えるよう機能向上を図る」ことを共通して掲げている。
 この目的の実現のため,これまで検討を積み重ねてきた内容に,京都会館第一ホールの建替えをはじめとした新たな事項を加えることは何ら不合理なものではなく,様々な問題の解決に向けて検討を重ねた結果によるものである。

(イ) 「建て替えの必要性も合理性も認められないこと」について
 京都会館再整備に当たり,第一ホールを建て替え,残る部分は必要な改修を行うことの必要性については,第31(1)において述べるとともに,京都会館再整備基本計画(乙第2号証) 50ページにおいて,京都会館第一ホールの機能向上について考えてきた経過を明らかにするとともに,様々な観点に基づき総合的・合理的に検証した結果,改修案B(第一ホールを建て替える案)を再整備の方向性として定めた旨を示している。
 京都会館全体の将来的な維持を目的として,単なる耐震補修のみで、対応したとしても,利用者のニーズへの対応は限定的なものとなり(乙第1号証37ページ),多くの舞台芸術関係者らの期待に応えることはできない。

(ウ) 「建替え費用が増大していること」について
前提として「第一ホールの建て替えに要する費用」は全体で110億円ではなく,110億円は再整備における債務負担額である。
 基木計画においては,コストだけではなく,舞台機能,搬入・バックスペースの機能,外観デザインへの影響及び耐震性能確保・現行法への適合性を総合的に勘案し,ホール機能や法的対応への柔軟性を考慮した結果を踏まえてB案を再整備の方向性として位置付けたものであり,京都会館再整備基本計画(乙第2号証) 5 0ページにおいて,「コスト面では両案ともに大差はなく」と記載されており,コスト面をB案を採用する「重要な考慮要素」としてはいないことは明らかである。
 なお,基本設計においては,基本計画から更に検討を重ねた結果,多目的スタジオを設けるなど新たな要素が含まれており,単純に各時点での概算金額を比較することを以て,建替え費用が増大しているとはいえない。

(エ) 結論
 以上のとおり,京都会館再整備において第一ホールを建て替えることは,「京都会館再整備基本構想素案報告書」において建物価値を継承しながら多様な利用ニーズに応えるよう機能再生を図るという基本方針を設定し(甲第25号証72ページ),その実現に向けて様々な検討を積み重ねた結果であり,再整備基本計画(乙第2号証50ページ)において,第一ホールの建替えに至った経過について具体的に示している。


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by 2011-kyoto | 2012-11-29 00:00 | 2012/11
2012-11-28 本日の京都会館(工事中写真)
本日の京都会館(工事中写真)
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(撮影:河本順子)

■2012-11-28 本日の京都会館(工事中写真)

2012-11-22 本日の京都会館(工事中写真)
2012-11-13 本日の京都会館(工事中写真)
2012-10-19 本日の京都会館(工事中写真)
2011-11-03 休日の京都会館中庭にて
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by 2011-kyoto | 2012-11-28 00:00 | 2012/11
2012-11-22 京都会館比較画像一覧(その2)
京都会館比較画像一覧(その2) その1はこちら
京都市発表の資料やその他個人撮影写真をもとに建築家長崎和平氏が作成した比較画像をご了承を得て紹介させていただきます。
左側or上側:現京都会館/右側or下側:京都市設計案

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■京都会館比較画像一覧(その2)
2012-11-20 京都会館比較画像一覧(その1)
京都会館再整備-「京都市情報館」
2012-10-01 京都会館再整備は、京都にとって、日本にとってベストの選択と言えるのか-長崎和平
長崎工作室
2012-09-17 長崎和平氏による「京都会館建て替え問題」要望書に対する京都市の回答-「文化市民局」
京都会館解体を止められない-「中国と京都と建築と」
2012-06-22 検討委員会提言を受けた基本設計内容/景観シミュレーション-「京都市情報館」
2012-09-26 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会委員の皆様への意見書-「京都会館を大切にする会」
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by 2011-kyoto | 2012-11-22 00:00 | 2012/11
2012-11-22 本日の京都会館(工事中写真)
本日の京都会館(工事中写真)
市民Aさんより撮影写真を提供していただきましたので、ご紹介いたします。
Aさんどうもありがとうございます。
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■2012-11-22 本日の京都会館(工事中写真)
2012-11-13 本日の京都会館(工事中写真)
2012-10-19 本日の京都会館(工事中写真)
2011-11-03 休日の京都会館中庭にて
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by 2011-kyoto | 2012-11-22 00:00 | 2012/11
2012-11-02 We Hope to Maintain the Present Kyoto Kaikan Hall and... -「岡崎公園と疏水を考える会」
We Hope to Maintain the Present Kyoto Kaikan Hall and Preserve the Landscape of the Okazaki-Area
"Association for Good Environment of Okazaki Park and the Lake Biwa Canal"


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私達は京都会館と岡崎の景観の保存を望んでいます

「京都会館」は 京都の戦後復興の象徴として、1960年に建設されました。設計者の前川國男は戦間期にル・コルビュジエに学んだ最初の日本人建築家であり、この建物は彼の代表作として、竣工時点では日本建築学会賞を受賞しました。近年では、2003年にドコモモ・ジャパンの100選にも選ばれています。
 その特徴は、日本の気候風土に適合し、周囲の自然環境に調和し、伝統的な木造建築の造形ともつながる、日本独自の近代建築の在り方をめざした点です。

2011年6月、この建物の持ち主である京都市は、突然、建物の半分以上を取り壊し、そこに、高さ30mを超える舞台を持つ劇場を建設する計画を発表しました。残念ながら、この計画はこのまま進められており、建物のオーセンティシティが壊滅的に失われるだけではなく、工場のような巨大な舞台のヴォリュームが落ち着いた環境の中に出現し、設計者・前川國男のめざした、周囲の景観との調和も完全に破壊されてしまいます。それは、世界的な古都である京都の大切な建築文化を自ら失うことも意味します。この無謀な計画の中止を求めるために、世界からの声を京都へと届けてほしいと思います。
                                
岡崎公園と疏水を考える会
KYOTO KAIKAN is a multi-purpose cultural complex. The complex was conceived as an edifice symbolizing the post-war reconstruction in Kyoto. It was built in 1960 and was designed by Kunio Mayekawa, a renowned vanguard architect who apprenticed under Le Corbusier in Paris from 1928 to 1930 as the first Japanese architect to do so.   Without any doubt KYOTO KAIKAN has been one of the most outstanding Modernist buildings in Japan. As such it was awarded in 1960, its inaugurating year, the Architectural Institute of Japan Annual Prize, and more recently in 2003, it was registered as part of the DOCOMOMO Japan list of significant modern heritage buildings.

KYOTO KAIKAN was designed to be harmonious with its context that provided a rich concoction of natural as well as man-made 'historic' environment. It was laid out to form a courtyard embodying the adjacent Kyoto Municipal Museum of Art Annex by asserting a strip of oversized and deep concrete eaves -in loose reference to the traditional Japanese wooden construction design- to bind it horizontally. The exterior walls made of large size bricks and the pilotis as a sifting device moderated between the outer city and the inner spatial realm. Accordingly, Mayekawa created an architectural complex that convincingly reflected the design fundamentals of the Modern movement while simultaneously making it fit with the historic traditional context of the Kyoto cityscape.

Kyoto city suddenly announced Okazaki activation plan and decided that the Kyoto Kaikan will be used as the hub facility of MICE (Meeting, Incentive, Convention and Exhibition). The city promoted the plan by hiding details of it from us and lying to us.

This plan involves destruction of the present hall No.1 and replacing it with a 31m-high skyscraper, which causes destruction of scenery in Okazaki. This will be destruction of our mind for us Okazaki neighborhood.

Kyoto city said that they asked public opinion, but they explained with some lie so the public opinion was insufficient. At a briefing session in August an idea to use underground of the site to reduce the height of building was proposed and the city replied that they can't use underground of the site. But the baseline design of the plan opened after the session has some rehearsal rooms in underground.

At another briefing session on January their reply to a question about relationship of the plan and the ROHM Corporation, sponsor of the plan, was "no requirement by the ROHM", but next day on the "Planning Committee on Perpetuating the Value of Kyoto Kaikan (PVKK)" they refused a proposal from a committee member to reduce the height or make a slope because of their contract with the ROHM Corporation.

To Kyoto citizens and Japan ICOMOS National Committee the city explained that the PVKK committee examined the plan as if the committee authorized the plan. On the other hand, they ignored the committee's final proposal and said that there was no modification in the baseline design to reflect the proposal in spite of it requires six individual items to perpetuate the cultural and historical value of the Kyoto Kaikan.

Moreover we feel their answer to the questions from Japan ICOMOS National Committee is not based on the fact. They said that the original Hall No. 1 cannot be preserved because of the necessity to improve seismic resistance which requires large changes and restrictions. But the past seismic assessment showed cement still keeps good condition and reinforcement of the current wall will be easily achievable. They had no expert assessment after that. Therefore their current conclusion is obviously not based on the expert assessment. We think it is unreasonable and we must say their answer is unfaithful.

They also replied that no plan about the future maintenance cost and rental fee of the hall and no extension about available programs. The occupancy rate of the hall is over 70% in the last five years that means this hall is active compared to the national average. There is no rational reason to demolish and replace the hall No.1. The city's plan is faulty. Why should we let them to destroy our Kyoto Kaikan and scenery in Okazaki area for the faulty plan?

The Kyoto Kaikan was established for people's culture and upbringing youth as a symbol of postwar reconstruction. Therefore the city should ask citizens and reconsider this plan to aim to be more accessible to people and youth. Now the city focuses on big names like famous opera or high positioning musicians in the hit charts. We hope a plan for people and youth, not for commercialism.

We need your understanding of the characteristic of Okazaki area. Please help us to stop the destruction of architectural value and calm and beautiful relaxing scenery by this reconstruction of the Kyoto Kaikan. Please let us to keep this beautiful place to the next generation.


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■We Hope to Maintain the Present Kyoto Kaikan Hall and Preserve the Landscape of the Okazaki-Area
岡崎公園と疏水を考える会
世界遺産条約採択40周年記念事業京都実行委員会
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by 2011-kyoto | 2012-11-21 15:43 | 2012/11
2012-11-20 京都会館比較画像一覧(その1)
京都会館比較画像一覧(その1) その2はこちら
京都市発表の資料やその他個人撮影写真をもとに建築家長崎和平氏が作成した比較画像をご了承を得て紹介させていただきます。
左側:現京都会館/右側:京都市設計案
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■京都会館比較画像一覧(その1)
2012-11-22 京都会館比較画像一覧(その2)
京都会館再整備-「京都市情報館」
2012-10-01 京都会館再整備は、京都にとって、日本にとってベストの選択と言えるのか-長崎和平
長崎工作室
2012-09-17 長崎和平氏による「京都会館建て替え問題」要望書に対する京都市の回答-「文化市民局」
京都会館解体を止められない-「中国と京都と建築と」
2012-06-22 検討委員会提言を受けた基本設計内容/景観シミュレーション-「京都市情報館」
2012-09-26 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会委員の皆様への意見書-「京都会館を大切にする会」
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by 2011-kyoto | 2012-11-20 00:00 | 2012/11
2012-11-02 Kyoto Kaikan has become finally at hand dismantling-Kazuya Morita Architecture Studio
Kyoto Kaikan has become finally at hand dismantling-Kazuya Morita Architecture Studio
本文は建築家森田一弥氏作成「ついに解体目前になってしまった@京都会館」(http://morita-arch.com/archives/4855)を英訳したものです。森田様と英訳者 (Shinichi Maximilian Nakanishi)の許可を得て掲載させていただきます。

Kazuya Morita Architecture Studio
Kyoto Kaikan has become finally at hand dismantling

September 03, 2012 
http://morita-arch.com/archives/4855
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Image of Perth after renovation, which was announced in Kyoto. High-rise to break the landscape part is represented in the background so as not to stand out.


went to a symposium of the problem dismantling Kyoto Kaikan.
In which I felt a big problem from the time the article was published in the newspaper first for this plan, I received the opportunity to write articles on Kyoto Shimbun, I have focused on the transition of then. Citizens of Kyoto has made a campaign against various things. Nevertheless, Kyoto Kaikan was imminent demolition in September this year.
Important issue across a wide range of fields such as music, architecture, landscape of these Kyoto. Complex issues of interests involving various stakeholders is also a problem and decide the future of Kyoto. Thus, while adjusting the position of the various opinions of the people and carefully and we should not hurry to proceed steadily.
But, sadly, without a deaf ear to dissent, Kyoto mayor and lawmakers got ahead with their plan arbitrarily.
I think the city and Congress If you do not do what properly, the public media, such as newspapers and television is widely seen, should report the problem to organize information from a fair position. However, they tell of the city as it is announced, only pick up fragmented opposition movement. Because abandoning the role the media should play the original, complete picture of the problem is still not visible to most people.
There is a very important architectural works as well as the value of the Kyoto Kaikan, I think I really sad is that the opinion of the citizens are not reflected in the public works. Convenience of those who interests is that they significantly changed to those with the huge expense plan. And it can not stop anyone.
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Kyoto Kaikan courtyard, valuable space that citizens relax at any time. Lobby can not be sufficiently secured in the building, scheduled to glass lobby will be added to cover the pleasant terrace overlooking the courtyard.

Chronology of Kyoto Kaikan
………………………………………………………………………………………………………………
1957.
AS the best of the competition proposal design is chosen proposal Kunio Maekawa.

1960.
Completion awarded Kyoto Kaikan (design architect Kunio Maekawa), Architectural Institute of Japan Prize in the same year.

2005-2007
.
"Kyoto Kaikan Redevelopment Study Committee" was established by the Kyoto city. The Commission has repeatedly discussed the policy Kyoto Kaikan redevelopment of dilapidated. In December 2006, the "Opinion" to Kyoto will be submitted. As a construction professional only, the committee of the Kyoto Institute of Technology Professor Hiroshi Matsukuma had joined.
Inside the building renovation: plan A

With the extension of some refurbishment: Plan B

Full reconstruction: plan C
Of the three choices, (¥6 billion to ¥3.5 billion budget)
proposal to consider the draft plan A or B.

December 24, 2010

Years after the submission "Opinion", even to the Review Committee, there was no information from the public on the progress of the plan and then Kyoto.
However, on the same day evening paper Kansai edition "Nihon Keizai Shimbun", was posted on the front page one article titled "the largest opera house in Kyoto."
Noon on the day the article was published in the newspaper. (http://kyoto21c.exblog.jp/14325036/)
Mr. Kozo Hiratake cultural and artistic city of Kyoto Promotion Office and Mr. Toshifumi Ezoe of the person who is responsible for the preparation of draft orders Nikken Sekkei came to see Professor Hiroshi Matsukuma. Professor. Matsukuma have testified that they suddenly said, "Since we will be rebuilt the first hole of the Kyoto Kaikan, you understand its policies".

February 07, 2011
That the local semiconductor manufacturer Rohm, transfer for ¥ 5.2 billion 50 million for 50 years of naming rights as part of the Kyoto Kaikan construction funding has been announced. Without the approval of the city council, without public offering, the city sold the naming rights in secret. City Council was entangled. (http://kyoto21c.exblog.jp/13080383/)

February 2011
Kyoto is looking for a "public comment" (http://kyoto21c.exblog.jp/14642977/) from the public opinion for the renovation of the Kyoto Kaikan.
Kyoto City did not disclose the contents of a specific plan. Public comment was made only vague information refurbishment. Kyoto was hiding such as told Professor Matsukuma details at the end of last year.

March 2, 2011
International organizations to sue to protect modern architecture, DOCOMOMO Japan has submitted a petition save to Kyoto city.

March 11, 2011
Architectural Institute of Japan submitted a save request to Kyoto city. (Nominal president Shigeru Sato)


May 24, 2011
Yomiuri Shimbun article on "Basic plan redevelopment Kyoto Kaikan coherent" (http://kyoto21c.exblog.jp/13640258/) was published.
Reason was that "It's entirely rebuilding plan (¥ 8.9 billion estimate) is cheap compared to the plan demolition of only some refurbishment (¥ 9.2 billion estimate)".
Kyoto city shared the view “Good full rebuilding cost is cheaper”.

June 23, 2011
Kyoto City has decided to demolish first hole which accounts for the majority of the building.
Publication and to build a theater stage with a height of more than 30m by the current legislation prohibited. (http://kyoto21c.exblog.jp/13870386/)
Kyoto Kaikan appearance of not only changed dramatically, a significant impact on the internal space "Kyoto Kaikan redevelopment basic plan" was finally released to the public.

September 16, 2011
"Review Committee in accordance with the building value inheritance" by eight experts in order to inherit the value of building acclaimed as a leading Japanese modernist architecture is installed.
After installation is the most important issue is "Plan the rebuilding of the first hole" has already decided, and there was no involvement in the planning by experts familiar with the historical value of the building before.

September 20, 2011
Just four days after the establishment of "Review Committee", Building Research Institute Hisao Kouyama has been selected as the basic design. Basic design is started.

December 12, 2011
Kyoto City Council passed the ordinance to be changed to "special purpose district" the Okazaki area. Reconstruction of the first hole has become possible by this legal. Because the procedure is to enable residents even if there is no agreement, deliberately divided compartment that does not need to split the district plan of relaxation type.
It is a vending flaps that watered down the system to make the best use of the characteristics of the region.

October 21, 2011
Kyoto Bar Association to submit a written opinion to the mayor of Kyoto. (Nominal chairman Tatsuo Ogawa)


January 20, 2012
Kyoto Urban Planning Council approves easing of height restrictions of the site, including the Kyoto Kaikan. This height limit that was established prior to the national Kyoto City in 2007 by "The New Landscape policy" is provided to protect the good landscape Okazaki district. Resulted in just five years abandoned it.

March 28, 2012
As a result of the investigation of the "Review Committee in accordance with the building value inheritance," Proposal to seek modification of the plan is submitted. 6 months have passed basic design has already begun.

March 31, 2012
Planning for redevelopment, Kyoto Kaikan put an end to the activities spanning more than 50 years, it will be closed.

May 7, 2012
Total cost of the renovation of the Kyoto Kaikan is significantly greater than originally planned, it is expected to climb to 11 billion yen becomes apparent.

May 21, 2012
Ask for a "stop dismantling" audit request is submitted residents.

May 28, 2012
Despite the excess of 28% from (\ 8.9 billion) of the initial budget, Kyoto city council, approved budget (\ 11.4 billion).
Became the basis of the current plan is that the amount of \ 8.9 billion for the reconstruction of 300 million yen cheaper first hole.

June 04, 2012
Kyoto City announced the "basic design redevelopment Kyoto Kaikan" by Hisao Kouyama Building Research Institute.
There was no proposal from the "Review Committee in accordance with the building value inheritance" is particularly reflected in its contents.On the contrary, it was only push the default route.
Architectural Institute of Japan that was recommended and Review Committee, a committee has been ignored. However, they have not announced any doubt comment about the plan was announced.

July 13, 2012
Dismissed "audit request residents" by Kyoto city.

August 8, 2012
DOCOMOMO Japan international organizations to sue to protect modern architecture to submit a written opinion in Kyoto city.

August 13, 2012
112 names from the local population caused the Kyoto District Court lawsuit seeking injunctive dismantling residents.

August 2012
For Kyoto Mayor Daisaku Kadokawa, an advisory body of the International Council on Monuments and Sites of UNESCO "International Scientific Committee on 20th Century Heritage" has to submit a written opinion to call for a review of the plan. Addressed to the Mayor of Kyoto "heritage crisis warning" has been notified by Mr. Sheridan Berg chairman.
ICOMOS has pointed out, "Irreversible harm" to the Kyoto Kaikan current plan is a valuable architectural heritage in the world.
Official comment on Kyoto city "English is so hard, do not know the details yet. However, we are thinking of you try to read opinions. However, the problem is not in the plan" ( http://kyoto21c.exblog.jp/16705994/ , http://kyoto21c.exblog.jp/16705935 )


August 29, 2012
Result of general competitive bidding of construction and redevelopment Kyoto Kaikan blanket order execution design and construction, Kyoto city decided to major general contractor Obayashi JV. The basic design was in charge of Building Research Institute Hisao Kouyama. Design concrete implementation was to be done in-house general contractors.
For large-scale renewal of valuable modern architecture, design office is responsible for only basic design professional. After the process is to advance the design and construction general contractor in bulk quantity. Whether the quality of the design is kept really, Greatly question remains.

………………………………………………………………………………………………………………
When we look at this history, as of the date of December 24, 2010 press release, which is part of the plan is already suddenly, Kyoto city had a pretty specific plan.
However, even without the consent of citizens can proudly announce the plan, they were also considering plans to eliminate architectural review by experts. I think that they have to dress trod stage only formality that can not turn back, and found that they plan to push ahead decided behind closed doors.

Why renovation project to advance the Kyoto Kaikan forcibly they have to go that far?

You need to know that behind of this problem, was enacted in 2002 "Act on Special Measures concerning Urban Regeneration" first.
"Act on Special Measures concerning Urban Regeneration" is intended to facilitate the redevelopment of a large city centers due to the introduction of private capital. As a result, significant deregulation has become possible for urban development. But it is for the side to develop the degree of freedom of the development that has become much easier. This is why it is also a very dangerous law on the other hand, the regulation was to protect the lives of up to now that has collapsed and if the land to be developed.

Deregulation by this Act, redevelopment project is accelerating in many parts of Japan, Japan's precious modern architecture has been demolished one after another. Redevelopment projects as well as to develop a "vision for regional revitalization Okazaki" in July of 2011 in Kyoto. They are planning to activate this region. In short, the district Okazaki been kept as a cultural region of Kyoto until now is that the future of the business district transformed into priority benefit of private capital. Into a high-rise building in concrete, commercial facilities will attract, it's become such areas Kawaramachi street.

They also play a part in the redevelopment projects of the Kyoto Kaikan by introducing ROHM's funds. Kyoto does not have anything to announce the details of the guidelines for the management of post-Kyoto Kaikan maintenance. However, it is certain that more than turning on the budget of ¥ 10 billion, no longer citizens hole that could be used as cheap and easy so far. In addition, although spared the full dismantling Kyoto Kaikan, about "heritage crisis warning" from the advisory body of UNESCO is notified, such plans are underway impair recognition.

As a problem that is common to a music hall throughout Japan, Mr. Yoshihiko Kusakabe music critic, cited the disregard of the user. He points out holes unnecessary and have been planning, construction perspective "without any debate is required holes for any size, for any purpose, make a hole larger than the neighboring town" called. He also criticized the most scathing Hall is considered "being used in karaoke contest", and is now alive without enough. Despite spending a lot of money to repair even the Kyoto Kaikan, to invite the leading opera abroad if we are not only to those of insufficient degree.

Mr. Tadashi Tamamura lawyer in charge of the litigation enjoined residents of dismantling said.
It is difficult to sue the city of Kyoto city. Because they are corrupt the law often their convenience. It's "not even win a game on an equal basis in the rule which was made by the enemy!"

In Europe, are very important as the fundamental rights of people might want to watch a picture or read a book or listen to music in sports, cultural life. Also old buildings, are handled with care as well as the famous Gaudi building, to repair as much as possible, leaving the old part.

Compared with it, trampled on the basic human rights of the citizens, to ruin the cultural heritage, as low as truly cultural, issues surrounding the Kyoto Kaikan this is a short-term plan of mercenary money. And that is going on in the city of Kyoto established the "City of Art and Culture Creation ordinance" Kyoto, has declared a "free city world culture." Why do we not be able to stop such a plan here in Japan is a society of democracy!?

Perhaps the people who would agree to this plan are serious about the future of Kyoto.
However, do they chose the right path is questionable. We were also able to select another mayor mayoral election in February this year in Kyoto. But we did not want to change anything. As a result, we are facing a bleak reality. This is also our responsibility. We should have to face all kinds of things really think more. However, we did not do it. Currently, on the issue of Kyoto Kaikan, make a wise decision this time, we should act.

Finally, at the venue of the symposium on August 26, the letter from the coach some junior high school brass band was introduced. (http://kyoto21c.exblog.jp/16979677/) About the importance of the Kyoto Kaikan space, it is a great article written by people who love music. Please read all means.

Kazuya Morita
(Translation: Shinichi Maximilian Nakanishi)

■ついに解体目前になってしまった@京都会館-「Kazuya Morita Architecture Studio」

2012-10-12 Kyoto Kaikan-A letter from a junior high school brass band coach.
We Hope to Maintain the Present Kyoto Kaikan Hall and Preserve the Landscape of the Okazaki-Area
"Association for Good Environment of Okazaki Park and the Lake Biwa Canal"

2012-09-03 ついに解体目前になってしまった@京都会館-「Kazuya Morita Architecture Studio」
森田一弥建築設計事務所
森田一弥-information
2011-07-29 京都会館改修、広く議論を 建築家 森田一弥 -「京都新聞」
2011-08-01 建築家森田一弥氏の京都会館問題新聞記事(京都新聞)とその反応のまとめ-「Togetter」
2012-08-26 御礼:第4回緊急シンポジウム お越しいただき誠にありがとうございました
2012-08-26 第4回緊急シンポジウム 「京都会館のより良き明日を考える」開催のご案内
2010-12-24 京都に最大級のオペラ劇場-「日本経済新聞」
2011-05-02 「岡崎地域活性化ビジョン」ができました!-「京都市情報館」
2012-08-26 京都市長宛:「イコモス意見書」京都会館再整備基本設計に対する意見書-「ICOMOS ISC20C」
2011-05-04 ニュースUP:京都会館「オペラ上演」改修計画=京都支局・野宮珠里-「毎日新聞」
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by 2011-kyoto | 2012-11-19 13:39 | 2012/11
1964-05-31 ヴェネツィア憲章-イコモス採択
記念建造物および遺跡の保全と修復のための国際憲章(ヴェニス憲章)

第二回歴史記念建造物関係建築家技術者国際会議
(1964 年ヴェネツィア)
1965 年イコモス採択


幾世代もの人々が残した歴史的に重要な記念建造物は、過去からのメッセージを豊かに含んでおり、長期にわたる伝統の生きた証拠として現在に伝えられている。今日、人々はますます人間的な諸価値はひとつであると意識するようになり、古い記念建造物を人類共有の財産とみなすようになってきた。未来の世代のために、これらの記念建造物を守っていこうという共同の責任も認識されるようになった。こうした記念建造物の真正な価値を完全に守りながら後世に伝えていくことが、われわれの義務となっている。

そのため、古建築の保存と修復の指導原理を、国際的な基盤にもとづいて一致させ、文書で規定し、各国がそれぞれの独自の文化と伝統の枠内でこの方式を適用するという責任をとることが不可欠となった。

1931 年のアテネ憲章は、こうした基本原理を初めて明確化することにより、広範な国際的運動に貢献し、各国の記録文書、イコム(ICOM)およびユネスコの事業、ユネスコによる「文化財の保存及び修復の研究のための国際センター」の設立などで具体化された。また、ますます複雑化し多様化してゆく諸問題に対し、より多くの注目と重要な研究が集中的になされてきた。いまや、アテネ憲章で述べられた原則を全的に見直し、その展望を拡大して新しい文書に改めるため、同憲章を再検討すべき時が来た。

それゆえ、「第二回歴史的記念建造物に関する建築家・技術者国際会議」は、1964 年5 月25 日から31 日までヴェネツィアで会合し、以下の文言を承認するに至った。

定義
第1条
「歴史的記念建造物」には、単一の建築作品だけでなく、特定の文明、重要な発展、あるいは歴史的に重要な事件の証跡が見いだされる都市および田園の建築的環境も含まれる。「歴史的記念建造物」という考えは、偉大な芸術作品だけでなく、より地味な過去の建造物で時の経過とともに文化的な重要性を獲得したものにも適用される。

第2条
記念建造物の保全と修復にあたっては、その建築的遺産の研究と保護に役立つあらゆる科学的、技術的手段を動員すべきである。

目的
第3条
記念建造物の保全と修復の目的は、それらを芸術作品として保護するのと同等に、歴史的な証拠として保護することである。

保全
第4条
記念建造物の保全にあたっては、建造物を恒久的に維持することを基本的前提としなければならない。

第5条
記念建造物の保全は、建造物を社会的に有用な目的のために利用すれば、常に容易になる。それゆえ、そうした社会的活用は望ましいことであるが、建物の設計と装飾を変更してはならない。機能の変更によって必要となる改造を検討し、認可する場合も、こうした制約の範囲を逸脱してはならない。

第6条
記念建造物の保全とは、その建物と釣合いのとれている建築的環境を保存することである。伝統的な建築的環境が残っている場合は、それを保存すべきである。マッス(塊)や色 の関係を変えてしまうような新しい構築、破壊、改造は許されない。

第7条
記念建造物は、それが証拠となっている歴史的事実や、それが建てられた建築的環境から切り離すことはできない。
記念建造物の全体や一部分を移築することは、その建造物の保護のためにどうしても必要な場合、あるいは、きわめて重要な国家的、国際的利害が移築を正当化する場合にのみ許される。

第8条
記念建造物にとって不可欠の部分となっている彫刻、絵画、装飾の除去は、除去がそれらの保存を確実にする唯一の手段である場合にのみ認められる。

修復
第9条
修復は高度に専門的な作業である。修復の目的は、記念建造物の美的価値と歴史的価値を保存し、明示することにあり、オリジナルな材料と確実な資料を尊重することに基づく。推測による修復を行ってはならない。さらに、推測による修復に際してどうしても必要な付加工事は、建築的構成から区 できるようにし、その部材に現代の後補を示すマークを記しておかなければならない。いかなる場合においても、修復前および修復工事の進行中に、必ずその歴史的建造物についての考古学的および歴史的な研究を行うべきである。

第10条
伝統的な技術が不適切であることが明らかな場合には、科学的なデータによってその有効性が示され、経験的にも立証されている近代的な保全、構築技術を用いて、記念建造物の補強をすることも許される。

第11条
ある記念建造物に寄与したすべての時代の正当な貢献を尊重すべきである。様式の統一は修復の目的ではないからである。ある建物に異なった時代の工事が重複している場合、隠されている部分を露出することは、例外的な状況、および、除去される部分にほとんど重要性がなく、露出された部分が歴史的、考古学的、あるいは美的に価値が高く、その保存状況がそうした処置を正当化するのに十分なほど良好な場合にのみ正当化される。問題となっている要素の重要性の評価、およびどの部分を破壊するかの決定は、工事の担当者だけに任せてはならない。

第12条
欠損部分の補修は、それが全体と調和して一体となるように行わなければならないが、同時に、オリジナルな部分と区 できるようにしなければならない。これは、修復が芸術的あるいは歴史的証跡を誤り伝えることのないようにするためである。

第13条
付加物は、それらが建物の興味深い部分、伝統的な建築的環境、建物の構成上の釣合い、周辺との関係等を損なわないことが明白な場合に限って認められる。

歴史的遺跡
第14条
記念建造物の敷地については、その全体を保護した上、適切な方法で整備し公開することが確実にできるように、特に注意を払うべき対象である。そのような場所で行なわれる保全・修復の工事は、前記の各条に述べた原則が示唆するところに従わなければならない。

発掘
第15条
発掘は、科学的な基準、および、ユネスコが1956 年に採択した「考古学上の発掘に適用される国際的原則に関する勧告」に従って行わなければならない。廃墟はそのまま維持し、建築的な特色および発見された物品の恒久的保全、保護に必要な処置を講じなければならない。さらに、その記念建造物の理解を容易にし、その意味を歪めることなく明示するために、あらゆる処置を講じなければならない。
しかし、復原工事はいっさい理屈抜きに排除しておくべきである。ただアナスタイローシス、すなわち、現地に残っているが、ばらばらになっている部材を組み立てることだけは許される。組立に用いた補足材料は常に見分けられるようにし、補足材料の使用は、記念建造物の保全とその形態の復旧を保証できる程度の最小限度にとどめるべきである。

公表
第16条
すべての保存、修復、発掘の作業は、必ず図 、 真を入れた分析的で批判的な報告書の形で正確に記録しておかなければならない。
記録には、除去、補強、再配列などの作業のすべての段階のほか、作業中に確認された技術的特色、形態的特色も含めるべきである。こうした報告書は、公共機関の記録保存所に備えておき、研究者が閲覧できるようにすべきである。記録は公刊することが望ましい。
この「記念建造物の保全と修復のための国際憲章」の起草に参加した人々は以下の通りである。

ピエーロ・ガッゾーラ氏(イタリア) 議長
レイモン・ルメール氏(ベルギー)  書記長
ホセ・バッセゴーダ・ノネール氏(スペイン)
ルイーシ・ベナヴェーンテ氏(ポルトガル)
ジュールジェ・ボスコヴィッチ氏(ユーゴースラヴィア)
ヒロシ・ダイフク氏(ユネスコ)
P. L. デ・ヴリーゼ氏(オランダ)
ハラル・ラングベルグ氏(デンマーク)
マーリオ・マッテウッチ氏(イタリア)
ジャン・メルレー氏(フランス)
カールロス・フローレス・マリー二氏(メキシコ)
ロベールト・パーネ氏(イタリア)
S. C. J. パヴェル氏(チェッコスロヴァキア)
ポール・フィリポー氏(文化財保存修復研究国際センター)
ヴィクトル・ピメンテル氏(ペルー)
ハロルド・プレンダーリース氏(文化財保存修復研究国際センター)
ディオクレチーオ・レディック・カンポス氏(ヴァチカン)
ジャン・ソンニエー氏(フランス)
フランソワ・ソルラン氏(フランス)
エウスタティオス・スティカス氏(ギリシァ)
ゲルトルート・トリップ女史(オーストリア)
ヤン・ザクアトヴィッチ氏(ポーランド)
ムスタファ・S・ズビス氏(チュニジア)

■ヴェネツィア憲章-イコモス採択
歴史的記念建造物の修復のためのアテネ憲章 1931年-「日本イコモス国内委員会」
考古学上の発掘に適用される国際的原則に関する勧告(仮訳)-「文部科学省」
ICOM
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日本ICOMOS国内委員会

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by 2011-kyoto | 2012-11-18 15:45