タグ:基本資料-京都会館 ( 93 ) タグの人気記事
2012-12-04 記者の目:京都会館建て替え=野宮珠里(京都支局)-「毎日新聞」
記者の目:京都会館建て替え=野宮珠里(京都支局)
毎日新聞 2012年12月04日 東京朝刊

◇市民の関心が名建築保存のカギ

 「東京文化会館」(東京・上野)などの設計で日本の近代建築史に大きな足跡を残した前川國男(1905〜86年)の代表作の一つ「京都会館」(京都市左京区)の建て替え工事が9月から始まった。建物の特徴である寺院のようなゆったりとした“稜線(りょうせん)”を描く第1ホールの大屋根は姿を消す。建築家や市民から保存を求める声が上がったが工事を止める力はなかった。取材を通じて感じたのは公共的な近代建築の名作を後世に残すには、行政は建物の機能を十分に維持し、市民もその建物を守り愛する努力を続けることが大切だということだ。

 京都会館は60年、京都市が公共文化ホールの先駆けとして開設した。2015席の第1ホール、939席の第2ホール、会議棟からなる複合施設で、東山を借景とする中庭など周囲の景観と調和した建築として60年度の日本建築学会賞(作品賞)を受賞した。批評家の加藤周一は「戦後の近代建築の到達点」と高く評価した。しかし、老朽化は以前から指摘され、市は10年12月、第1ホールを「世界水準のオペラ上演も可能な劇場に改修する」との構想を明らかにした。さらに11年2月、大手半導体メーカーに50年間の命名権を約52億円で譲渡すると発表。同6月、舞台を大型化し、多様な演出を可能にするため、第1ホールを一部高さ約30メートルの高層建築に建て替える基本計画を策定した。

 ◇解体に異論続出 国際機関も懸念

 これに対し建築家らから「第1ホール解体は建物の価値を損なう」と異論が示され、日本建築学会などが市に保存要望書を提出。市民100人以上が解体差し止めを求める住民訴訟を京都地裁に起こした。また、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「イコモス」の国際学術委員会は8月「美と調和を破壊する」と市に再考を求めた

 市は特徴的な大庇(おおひさし)の形状や建物全体の空間構成を残すことで「価値は継承されている」と主張。基本設計者の香山寿夫・東京大名誉教授は前川建築の価値を認めたうえで「時代に合わせて変えていくことは、建築が『使われる芸術』である以上避けられない」と話している

 実は、京都会館のホール機能について利用者の評判は「最悪」と言っていいほどだ。第1ホールは当初、コンサートホールとして設計されたが、途中でバレエなどにも使える多目的ホールに変更された。そのため舞台は狭く、舞台背景などをつり下げる器具が足りないなど使い勝手の悪さが残った。壁にはひび割れが入ったままで、市は財政難などを理由に十分なメンテナンスをしてこなかった。古さの目立つ会館の保存の必要性に対する市民の関心も高いとは言えなかった。

◇前川の作品保存、弘前市民が力に

これとまったく逆の例が青森県弘前市にある。同市は前川の母の出身地で、前川の第一作である「木村産業研究所」(国登録有形文化財)を含め、市役所、病院、博物館など八つの前川建築が今も現役だ。その大きな力となったのが、04年に市民らが作った「前川國男の建物を大切にする会」の存在だ。同会は、前川の業績紹介をする一方、04〜06年には、県立弘前中央高校講堂(54年完工)の椅子の改修に取り組んだ。メンバーや卒業生らが月1回集まり、椅子の背板をはずし、やすりをかけて色を塗り直した。会の発起人で代表の葛西ひろみさん(60)は「椅子も前川さんのデザインだそうです。作品にじかに触れられて、うれしかった」と振り返る。

 市民が建物や建築家をよく知ることが、弘前の保存活動につながっている。私も京都会館に魅力を感じたのは、前川が設計時に込めた思いを専門家の話や資料を通じて知ったからだ。欧州で学んだ近代建築を日本に持ち込むだけでは風土に合わないことを痛感した前川が、京都の町並みに敬意を払い、思索の果てに、南禅寺のような寺院を思わせる外観に行き着いたのだ。

 前川の思想を踏まえて元のたたずまいをある程度残し、公共ホール機能を強化するという京都市の改修計画の方向性は誤りとはいえない。しかし、プロセスには問題がある。基本計画に反対の声が上がった後「建物の価値継承」に関する検討委員会を設置したが、その論議は計画にほとんど影響を与えなかった。保存を訴える建築家側も建物の価値を早くから分かりやすく発信する必要があった。市民も身近な名建築の価値に、より関心を持って発言することが必要だったのではないか。「もっと私をよく知ってほしかった」−−。既に建て替え工事が始まった京都会館は今、私たちにそう語りかけているような気がする。

ご意見をお寄せください。〒100−8051毎日新聞「記者の目」係/kishanome@mainichi.co.jp


d0226819_164388.jpg

■2012-12-04 記者の目:京都会館建て替え=野宮珠里(京都支局)-「毎日新聞」

2005-07-31 日本その心とかたち (ジブリLibrary)-加藤 周一/ 徳間書店
2010-12-24 京都に最大級のオペラ劇場-「日本経済新聞」
2011-02-08 京都会館命名権、ロームに 公募せず売却、市会委紛糾-「京都新聞」
2011-06-24 「京都会館再整備基本計画」の策定について-「京都市情報館」
2011-03-18 京都会館保存要望書-「社団法人日本建築学会」
要望書一覧
2012-08-14 京都会館:再整備「待った」 市民112人、京都市を提訴/京都-「毎日新聞」
2012-09-12 「イコモス意見書」及び日本イコモス国内委員会の見解に対する本市の対応-「京都市情報館」
2012-06-22 検討委員会提言を受けた基本設計内容/景観シミュレーション-「京都市情報館」
前川國男特別コラム-社団法人弘前観光コンベンション協会
前川國男の建物を大切にする会HP
■京都会館の建物価値継承に係る検討委員会関連記事


野宮珠里 記名記事一覧
2012-08-28 京都会館建て替え懸念 ユネスコ諮問機関市に再考要望-「毎日新聞」
2012-06-03 京都会館:再整備計画考えるシンポ 気軽に使える建物に 疑問や批判次々 /京都
2011-10-18 京都会館:建て替え計画 「白紙撤回し議論を」 建築家が問題点指摘/京都-「毎日新聞」
2011-09-29 シンポジウム:京都会館の保存・改修を考える-来月10日/京都-「毎日新聞」
2011-09-29 モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」来月10日京都会館にて-「毎日新聞」
2011-07-21 京都会館:「伝統や環境意識した建築」 見学会とシンポ、200人参加/京都-「毎日新聞」
2011-05-04 ニュースUP:京都会館「オペラ上演」改修計画=京都支局・野宮珠里-「毎日新聞」
2011-03-27 きょうの京:京都会館の改修問題 野宮珠里-「毎日新聞」
[PR]
by 2011-kyoto | 2012-12-04 00:01 | 2012/12
2012-11-12 平成24年度第1回京都市芸術文化施設等指定管理者選定委員会配布資料
平成24年度第1回京都市芸術文化施設等指定管理者選定委員会 配布資料

次第
日時: 平成24年11月12日(月)午後7時~午後8時30分
場所: 京都芸術センター 南館3階ミーティングルーム2
1 開会
2 委員の紹介
3 主催者挨拶(京都市文化市民局文化芸術担当局長平竹耕三)
4 議事
(1) 京都会館に係る指定管理者選定方法等について
(2) 京都会館指定管理者募集要項(案)について
(3)その他
5 閉会
〇配布資料
資料1 京都市芸術文化施設等指定管理者選定委員会委員名簿
資料2 京都市芸術文化施設等指定管理者選定員会設置要綱
資料3 新京都会館の運営について
資料4 京都会館指定管理者選定の非公募について
資料5 京都会館指定管理者募集要項(案)及び要求水準書
資料6 京都会館再整備工事に係る基本設計について(広報資料)
資料7 平成23年度公の施設の指定管理者による管理運営状況(京都会館)

配布資料pdfダウンロード

d0226819_1721262.jpg
d0226819_17305989.jpg


<参考〉
京都市例規集(平成24年4月1日現荘)
http://www.city.kyoto.jp/somu/bunsyo/REISYS/TOPPAGE.HTML
京都会館再整備基本計画
http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000099247.html
京都会館再整備工事基本設計説明書
http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000123682.html
京都市文化芸術都市創生計画
http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000004509.html
岡崎地域活性化ビジョン
http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000100658.html
<京都市総合企画局市民協働政策推進室プロジェクト推進担当>
平成24年度公の施設の指定管理者の管理運営状況(京都会館)
http://www.city.kyoto.jp/somu/gyokaku/siteikanri/h23/040.pdf
<京都市行財政局財政部経営改革課>

d0226819_1725721.jpg

d0226819_17310100.jpg

d0226819_1732081.jpg
d0226819_173299.jpg
d0226819_1733953.jpg
d0226819_1734697.jpg
d0226819_1735417.jpg
d0226819_174395.jpg
d0226819_1741350.jpg

d0226819_17193983.jpg
d0226819_1719536.jpg

■平成24年度第1回京都市芸術文化施設等指定管理者選定委員会配布資料

2013-01-31 京都会館の指定管理者の候補となる団体の選定結果について-「京都市情報館」
2012-11-12 平成24年度第1回京都市芸術文化施設等指定管理者選定委員会の開催について-「京都市情報館」
[PR]
by 2011-kyoto | 2012-11-12 00:01 | 2012/11
2012-09-12 合意形成のプロセスー近年の保存運動から-松隈洋
(一部資料のページが欠落しておりましたので、全ページアップし直しました。お詫びして再掲いたします。2012/12/03)
合意形成のプロセスー近年の保存運動から
松隈洋(京都工芸繊維大学教授)

日本建築学会大会[東海]2012年9月14日

はじめに
その建築のもつ価値や意味が広く共有され、そのことによって、建築ができるだけ長く、できるだけ良いコンディションで維持され、人々に親しまれながら共に歴史を刻み、その役割と生命をまっとうすること。おそらく、時代が切実に求めるものを受けとめながら、精魂を込めて建てられた建築が望む幸せなあり方とは、そのような状態のことを指すのではないだろうか。

しかし、激変を続ける現代の日本において、そうした幸福な建築は、果たしてどれほど存在しているのだろう。今、私たちはこの厳然とした事実の前に立たされている。ことに、2000年代に入り2002年に制定された「都市再生特別措置法」によって、大都市における拠点的な再開発事業が急激に加速する中、単体としての建築の価値や意味を顧みる回路はほとんど見失われつつあるのではないだろうか。その証拠に、この法律によって近年あいついで姿を消した近代建築を列記してみると、「東京中央郵便局」(1931年、吉田鉄郎)、「歌舞伎座」(1924年/1950年、岡田信一郎/吉田五十八)、「親和銀行東京支店」(1963年、白井晟一)、「蛇の目ミシン本社ビル」(1965年、前川國男)、「京橋3丁目ピル」(1978年、村野藤吾)、「大阪ビルディング」(1925年、渡辺節)、「大阪中央郵便局」(1939年、吉田鉄郎)などが挙げられる。いずれも、長く街並みを形づくってきた人々に馴染みのある建物だ。

おそらく、このまま推移すれば、文化財の扱いを受けた木造やレンガ造の遺構などわずかな例外を除いて、近代建築は人知れずすべて消え去ってしまうだろう。
それは、結果的に、私たちの生きる時代の生活空間そのものを形づくってきた建築を共有の文化として持つことができない、ということを意味する。だからこそ、今一度、そのような事態を回避し、過去と未来をつなぐ建築文化を守り育てるために何が求められるのか、について、もう少し意識的な議論を始める必要があるのではなかろうか。そして、先回りして言ってしまえば、それは、とりもなおさず、建築界が、建築をめぐって社会との間でどのようなコミュニケーションを交わし、その蓄積によってどのような信頼関係を築くことができるのか、にかかっているのだと思う。
そこで、、ここでは、そうした問題意識を前提にしながら、図らずも、筆者が「京都会館再整備検討委員会」(2005~2007 年)にただ一人の建築専門家として加わって以来、深くかかわることになった「京都会館」(1960年、前川國男)の再整備計画に伴う取り壊し問題の保存運動から見えてきたものについて、その経緯と問題点、建築界のかかわりなど、広く求められるものとは何かという視点で書き留めておきたい。
• 「京都会館」保存問題についての主な言説リスト
(2011 年4 月~2012 年8 月)

・中川理「建築季評:空間全体が保存の対象」『読売新聞』2011年4月4日

野宮珠里(記者)「京都会館「オペラ上演」改修計画名建築個性殺すな」『毎日新聞』2011年5月4日
石田潤一郎「私論公論:京都会館改修やり直しのきく保存再生を」『京都新聞』 2011年6月3日
森田一弥「京都会館改修、広く議論を」『京都新聞』2011年7月29日
松隈洋「地方発:京都会館改築への疑問「近代建築の到達点」を葬るな」『毎日新聞』 2011年9月
27日

・松隈洋「京都会館と建築家・前川國男の求めたもの」 ①~④『ねっとわーく京都』 2011年10月号~2012年1月号 
神田剛(記者)「モダニズム建築の危機」『朝日新聞』2011年12月9日
馬場璋造「所論諸論:京都会館改修に思う」『日刊建設工業新聞』 2011年12月15日
・大野正美(記者)「窓論説委員室から・使われ続ける建物」『朝日新聞』2011年12月16日
高橋晴久(記者)「文化の都にぎわいに陰り」『京都新聞』 2012年1月13日
松隈洋「所論緒論:京都会館は誰のものか」『日刊建設工業新聞』 2012年2月24日
松隈洋「再読関西近代建築:京都会館」『建築と社会』 2012年2月号
特集「有名建築その後:京都会館前川建築をガラスで覆う」『日経アーキテクチュア』 2012年4月25日号
・「京都会館検討委員会具例の「提言」の真相-石田潤一郎同委員会副委員長に聞く1~4『京都民報』2012年5月2027日6月310日

d0226819_15143848.jpg
d0226819_15151726.jpg

d0226819_15152883.jpg
d0226819_15153792.jpg
d0226819_1515469.jpg
d0226819_15155924.jpg
d0226819_1516789.jpg
d0226819_15161562.jpg
d0226819_15162354.jpg
d0226819_15163260.jpg

■合意形成のプロセスー近年の保存運動から-松隈洋
2012-09-12 日本建築学会大会[東海]開催のご案内-「日本建築学会」

2007-11-08 京都会館再整備検討委員会-「京都市情報館」

松隈洋関連記事
[PR]
by 2011-kyoto | 2012-11-05 00:00 | 2012/09
2012-10-09 第14小委員会質問状に対する京都市の回答-「京都市」
第14小委員会質問状に対する京都市の回答

平成24年10月9日

日本イコモス国内委員会
第14小委員会 主査 苅谷勇雅 様

京都市長 門川 大作
(担当 文化市民局文化芸術都市推進室文化芸術企画課)

平素は京都市政に御支援,御協力を賜り厚くお礼申し上げます。
平成24年9月26日付けで頂戴しました京都会館再整備に関する質問事項について,以下のとおり本市の見解を申し述べます。

1「京都市としてどのように京都会館第一ホールの機能上の課題を整理し,どのように新たな要求性能を設定したか,経過を追って合理的,論理的,また具体的にお示しください。」

京都会館は,昭和35年に開館して以来,常に多くの市民に愛され,使われ続け,親しまれてきた市民ホールである。戦後モダニズム建築の代表例として建築的な評価も高いが,平成14年の耐震調査以降約10年にわたる再整備の検討を重ねる段階においては,建築後50年に満たないこともあり,本市として国の文化財としての指定や登録について検討することはなかった。まして,現在,学術的に議論されているリビング・ヘリテージとしての「インテグリティ」の確保という観点からの検討は行ったことはなかった。まずは,経過としてこのような状況の中で再整備の検討が進んできたことについては御理解を願いたい。

しかし,京都市は京都会館が日本における近代建築として価値の高い建物であるとの認識は有しており,基本的にその価値を大切にするという方向で再整備の検討を進めてきた。その価値として参考にしたのは日本建築学会DOCOMOMO Japanからの指摘である。

平成19年2月15日に,京都会館再整備に対して,DOCOMOMO Japan財団法人日本建築学会から,それぞれ,京都会館を後世へ継承することを求める保存要望書が提出された。要望書では,主として京都会館は「前川國男の設計による代表作品であり,戦後モダニズム建築の中でも屈指の名建築である」こと,「岡崎地区の景観によく調和しており,京都の歴史的景観に貢献している建物であり,特に,正面からピロティをくぐって中庭へと抜ける独自の空間構成をもっており,都市の公共建築がもつべき良好なパブリック・スペースを作り出している点においても,特筆すべき価値を有している」ことが述べられている。

京都会館の再整備における検討は,平成14年度に耐震調査を実施して以降,以下のとおり,慎重に取組を積み重ねてきた。
平成16年度には,京都会館の来場者とプロモーターに対するアンケート調査を実施し,平成17年度から平成18年度にかけて,「京都会館再整備検討委員会」を設置して京都会館の現状の課題整理を行うとともに,再整備の方向性について検討を行った。それ以降も平成19年度には2,000人の市民を対象とした市民アンケート調査を行い,平成21年度には本市内部の検討案として京都会館再整備基本構想素案を作成し,素案策定後においても,平成23年6月の再整備基本計画策定に至るまでの間,演劇関係者や舞台技術関係者からも個別に意見を聞き,内部検討を続けた。
これらの取組を通じて明らかとなった京都会館第一ホールにおける機能上の欠陥は,以下の点に収斂される。

① 施設の老朽化・前時代化
② 耐震力不足,バリアフリー未対応
③ 音響面での問題
④ 舞台が地盤面から4.6mの高さにあり,北側の小さなリフト1基のみしかなく,搬出入に非常な手間と労力が掛かる。
⑤ 舞台空間の狭あいさ(舞台奥行き(12m),舞台内高さ(12~14.5m)の絶対的な不足)

以上の中でも,京都会館第一ホールの最も大きな課題は,第一ホールが六角形の形状をしており,舞台のに行くほど舞台幅が狭まり,かつ,舞台内の高さも下がっていくという,今後使い続けるホールとして本来必要な空間確保ができていないという根本的,致命的な課題を抱えている点である。
このような京都会館の現状に対して,以前から京都会館を利用されるバレエ関係者からは不十分な舞台設備や狭あいな舞台空間のため,京都会館では十分な演出が行うことができないので京都会館すべてを建て替えて改善してほしいとの要望が長年にわたって寄せられるとともに,ポピュラー音楽などのプロモーターからは狭あいな舞台空間の改善を求める要望のほか,楽屋の増設など,数多くの施設改善を求める切実な声が利用者から寄せられた。


これまでの取組を踏まえて,平成22年度には京都会館再整備基本計画の策定に取り組んだ。基本計画策定に当たっては,主に3つの方針,
① まず,1つ目の方針としては,
日本を代表する建築家である前川國男氏が設計し,昭和の名建築として知られた既存の建物価値を継承し,公共ホールとして再生すること。
② 次に,2点目としては,
京都を代表する「文化の殿堂」として多様な利用ニーズに応えるよう機能向上を図ること。
③ 最後に,3点目の方針として,
岡崎地域の活性化や魅力の保全・創出を牽引する機能導入や環境整備を図ること。
を掲げ,これをもとに「2」で後述するように様々な検討を重ねた。
その結果,第一ホールを安全に使用し続けるための耐震性能向上を図るには建物内部での大規模な補強を必要とするなど大規模工事とならざるを得ず,結果として空間的に建物の利用方法やデザインなどに大幅な変化と制約を及ぼすこととなり,現状の形で第一ホールを保存することはできないことが明らかになった。このため,第一ホールはやむを得ず現在の外郭壁面の位置をほぼ継承しながら建て替えることとし,中庭を中心とした現在の空間構成を継承しながら第二ホールや会議場などの部分は耐震性向上やバリアフリー化など全面的な改修を行うことを方針とした京都会館再整備基本計画を平成23年6月に策定したものである。

なお,基本計画案の策定に当たっても,平成23年の1月から2月に掛けてパブリックコメントを実施し,市民の意見を広く聴取した。

また,再整備基本計画策定後においては,同計画の内容を全京都洋舞協議会,京都府吹奏楽連盟,京都府合唱連盟など,各分野の利用者に対して説明を行っており,平成24年1月15日には「京都会館のホール利用団体等に対する再整備事業説明会」を実施し,利用者の皆さまから,再整備後の舞台機構等について意見を聞く機会を設けるなど,利用者の意見を聞きながら再整備を進めてきたものである。


平成23年度には,再整備基本計画を前提として基本設計に着手し,基本設計者としては,現代の日本を代表する建築家の一人で,日本建築学会作品賞も受賞された香山壽夫氏に委託をした。

併せて,基本設計案作成と並行して,平成23年10月から平成24年3月にかけて計5回開催された「京都会館の建物価値の継承に係る検討委員会」では,基本設計受託者がデザイン案を提示し,それに対して委員から出された意見を踏まえて設計案が変更される形で検討が進められ,具体的にはサッシ割の変更やフライの南北幅を縮めるなどの変更を経て,最終的な基本設計が取りまとめられたものである。

現在進めている再整備の取組は,これまでの長年にわたる取組を踏まえて,京都会館を公共ホールとして機能再生を図り,かつ建物価値の最大限の継承を図る,京都市として現時点で考え得る最適な再整備の計画であると考えており,多くの皆さまに御理解と御期待をいただいているものと考えている。
2「上記において,第一ホールに対する新たな要求性能が京都会館全体の建築的,文化的価値のインテグリティを継承・担保し得る範囲内のものであるかの検証をどのように行ったか,また,その要求性能の妥当性等についてどのように検討したか,お示しください。」

京都会館再整備は,今後も多目的に利用する市民ホールを基本として整備するものであり,元々, 府下で唯一の2,000席を超えるホールであり,2,000席を確保することは現状維持に過ぎず,これまでの機能を継承するものである。また,利用者の意見も現状の2,000席を確保すべきとの要望が強い。
なお,舞台の広さについては,近年の1,500席程度の公共ホールとほぼ同規模に押さえている。

この点については,「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」における審議資料からも明らかである。

また,再整備の過程においては,「1」で掲げたDOCOMOMO Japanや財団法人日本建築学会からの要望書における指摘事項を踏まえて,大庇の保存やピロティから中庭に至る空間構成を保存するなど,再整備内容を検討し,建物価値継承の実現を図ったものである。


このように,京都会館が,この岡崎の地で市民や利用者に受け入れられる機能を維持しつつ,ホールとして再生し,生き続けていくこと,それこそが,京都会館が京都会館であり続けることであり,京都市と多くの京都市民が考える京都会館におけるインテグリティであると考えている。

そして,京都会館が京都会館としてあり続けるためには,第一ホールの機能の抜本的な改善が必要不可欠であった。

現在の京都会館は,機能面では,開館した当初から音響等に問題があることが指摘され,コンサートホールとしての設計方針のまま,施工途上に多目的ホールとしての機能を付与されたことにより,第一ホールの鉄骨の大屋根に,吊りもの機構が無理矢理吊り下げられていたこと,舞台の行きも 12メートルしかないなど,多くの利用者や舞台関係者等から開館後,間もないときから改善を求められつつも,根本的な改善ができないまま使われ続けてきた。

第一ホールの躯体を保存したままフライを付加する案についても,「1」で先述したような様々な機会に検討が続けられた。

しかし,舞台が2階部分にあるという根本的な問題や六角形のホールが持つ機能不全,改修する場合の構造上の補強の問題やフライを既存躯体に付け足した場合のデザイン処理の問題(西側疏水に面して約3m躯体が張り出したり,大庇の部分的なカットが必要など)など,機能のみならずデザインとしての総合的な問題が次々と明らかになってきた。

このように,第一ホールの要求性能を満たし,京都会館を京都会館として継承していくためには,最終的には建替えという選択肢しかなかったものである。

なお,京都会館の建物価値継承に係る検討委員会において,設計者である香山壽夫氏(現在の日本でホール建築の第一人者で日本建築学会作品賞,芸術院賞,村野藤吾賞等を受賞)も交えた真摯な議論の上,第一ホールについては,建替えは行うが,深い軒庇から下部については基本的に既存部分の建物価値を継承しつつ,フライタワーを空に溶けていくよう,素材感やデザインを工夫し,景観に与える影響が過度なものとならないように配慮した。

以上のように,京都会館再整備に当たっては10数年にわたり,多くの検証がハード・ソフト両面から市民や利用者,専門家等も交えてなされてきた。その要求性能は京都会館全体の建築的,文化的価値のインテグリティを継承,担保し得る範囲であると考えており,今後も実施設計,施工の過程において,インテグリティの継承に努めるものである。
3「第一ホール全面解体除去後においても,実際に京都会館全体として建築的,文化的価値が継承され,そのインテグリティが担保され得ることが証明できるか,お示しください。」

京都会館は第一ホールだけではなく,中庭を中心とした第二ホールや会議場棟も含めた建物全体の空間構成に,その文化的,景観的価値がある。

特に,岡崎文化ゾーンのメインストリートである二条通り沿いのケヤキ並木をバックにした会議場棟と第二ホールは,建築そのものを保存し,中庭に至るピロティを通した冷泉通りまでの抜けについては,全体の空間構成の中で活かしている。

また,第一ホールはその位置での建替えであり,全体の空間構成を継承することが京都会館の建築 的・文化的価値のインテグリティを継承・担保し得るものであるといえる。

中庭の共通ロビーは雨天の際の待ち空間として利用者から待ち望まれていたものであるが,大庇内で設置することにより,中庭の空間を狭めない最低限の広さとし,ガラスのカーテンウォールにより外部と一体感を感じるようなデザインとして手摺を内部化して,保存・継承に努めるとともに,カーテンウォール自体は鉄骨造による別構造として,将来的に復元も可能な構造としている。

第一ホールについても,建物全体の外観の特色ともいえる大庇,手摺,ブリックタイル等,デザインについては基本的に継承していくものであり,機能的に最低限付加されたものを除いては,建物全体の価値が継承されておりそのインテグリティに問題はないと判断している。

付加されたデザインについては,現代の日本を代表する建築家である香山壽夫氏が,「保存再生されつつ建物が生き続けることは建築芸術の本質である。また優れた保存再生とは,単に老朽化した部分を補修することではなく,時代ごとの新しい価値を古い価値の上に重ねていくことでなくてはならない」とまさに現代建築の保存・再生におけるインテグリティについて述べておられる。

このように京都市としては,第一ホール解体撤去後も京都会館全体としてインテグリティについて担保し続けていると考えており,今後もそのための努力を続ける。
4「第一ホールを全面解体除去するとした場合,建築の当初の部分や材料の保存の側面も含めどのように建物価値を継承し得るのか,お示しください。」

京都会館の建物価値継承に係る委員会でも,素材の継承について,部材ごとに丁寧に議論を行い, 基本設計に活かした。

第一ホールについては,「1」,「2」で先述した理由から建て替えざるを得なかったが,京都会館全体の特色ともいえる空間構成を守りながら,その位置で建て替えるとともに建物全体の特色でもある水平ラインを活かした大庇や手摺等をデザイン・素材を尊重するとともに外壁のブリックタイルもその素材感を現代によみがえらせるよう,努力する。

解体工事においては,第一ホールの特色あるディテール(タイルや大庇)の部分採取により当時の工法等を復元に活かすとともに,PC造の手摺については限りなく再活用を図る等,今後の実施設計や復元工事に反映できるように対処する。

ただし,内部空間については,第一ホールはその機能において根本的な問題を抱えており,舞台, 客席も含めて新たなデザインを創造していくことから,その外観について建物価値を継承していく ものとしている。
5「以上の点を踏まえ,京都会館の建築的,文化的価値継承の観点から,第一ホール再建後において,どのようにそのインテグリティを確保するのか,具体的方策を示してください。また,その準備のために解体前及び解体中にどのような調査や作業等を行うのか,スケジュールも含めて具体的にお示しください。」

第一ホール再建後のインテグリティ確保の方策に関して,基本設計と並行して実施した「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」の取組については先述のとおりであり,取りまとめられた基本設計の内容は,京都会館の建物価値を継承しつつ,公共ホールとしての機能再生と安全性の確保を図るもので,多くの市民や利用者の皆様の御期待に応えるために,現時点で考え得る最適な計画であると考えている。

なお,基本設計受託者である香山壽夫氏には,引き続き,実施設計の監修者として再整備に携わっていただき,京都会館の建物価値継承が確実に図れるよう,取り組むこととしている。

現在,京都会館では10月中旬からの本格的な躯体の解体工事に向けて作業を進めているところである。その一方で,ISC20C(20世紀遺産に関する国際学術委員会)から提出された意見書を踏まえて,日本イコモス国内委員会第14小委員会の御指導を仰ぎながら,本格的な躯体の解体工事と並行して,

① 素材及び部材の再利用拡大を検討するための調査(具体的には第一ホール北側部分の手摺に第一ホールの既存外部手摺の再利用を検討)

② 解体工事を通じた記録報告書の作成
を実施することとし,現在,スケジュール等について具体的な調整を行っているところである。

上記の調査及び報告書の作成は,京都市においては当初,想定していなかったものであるが,ISC20C及び日本イコモス国内委員会からいただいた指摘を真摯に受け止め,京都会館の建築的, 文化的価値継承の観点から,これまでの取組に加えて新たに取り組むこととしたものである。したがって,その結果について,できる限り尊重,実現を図ることとする。


d0226819_12192027.jpg
d0226819_12193476.jpg
d0226819_12194525.jpg
d0226819_12195758.jpg
d0226819_12201042.jpg


■第14小委員会質問状に対する京都市の回答(2012年10月9日付)-「京都市」
■A Respopnse from Kyoto City to the Questions(October 9, 2012)

2012-09-26 京都市長宛:日本イコモス国内委員会第14小委員会による質問状-「日本イコモス国内委員会」
2012-09-12 「イコモス意見書」及び日本イコモス国内委員会の見解に対する本市の対応-「京都市情報館」

日本イコモス第14小委員会-リビング・ヘリテージとしての20世紀建築の保存・継承に関する課題検討
京都会館再整備計画に関する検討


2011-03-02 京都会館保存要望書-「DOCOMOMO JAPAN」
2011-03-18 京都会館保存要望書-「社団法人日本建築学会」
2007-11-08 京都会館再整備検討委員会-「京都市情報館」
京都会館再整備基本構想素案報告書平成22年3月.pdf
京都会館再整備基本構想素案報告書概要版平成22年3月.pdf
2011-06-24 「京都会館再整備基本計画」の策定について-「京都市情報館」
2011-04-01 京都会館再整備に関する市民意見の募集の結果について-「京都市情報館」
2011-12-26 京都会館のホール利用団体等に対する再整備事業説明会の実施について-「京都市情報館」
■京都会館の建物価値継承に係る検討委員会関連記事
2011-09-12 京都会館基本設計業務受託者(香山壽夫建築研究所)技術提案書(閲覧用)-「京都市」
2012-03-28 京都会館建物価値継承委員会 第5回会議 傍聴メモ(6) 提言案について、委員会総括
2011-04-27 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会提言について-「京都市情報館」
2012-06-22 検討委員会提言を受けた基本設計内容/景観シミュレーション-「京都市情報館」


ICOMOS関連記事

2011-06-16 マドリッド・ドキュメント2011(日本語訳):20世紀建築遺産の保存のための取組み手法-ISC20C
2012-09-10 京都市長宛:京都会館再整備計画への見解と委員会設置のお知らせ-「日本イコモス国内委員会」
2012-08-26 京都市長宛:「イコモス意見書」京都会館再整備基本設計に対する意見書-「ICOMOS ISC20C」
日本イコモス国内委員会
2012-09-08 日本イコモス国内委員会理事会に設置されている小委員会-「日本イコモス委員会」

A Respopnse from Kyoto City to the Questions(October 9, 2012)
[PR]
by 2011-kyoto | 2012-10-09 00:00 | 2012/10
2012-09-26 京都市長宛:日本イコモス国内委員会第14小委員会による質問状-「日本イコモス国内委員会」
日本イコモス国内委員会第14小委員会による質問状(2012年9月26日付)

2012 年9 月26 日

京都市長 門川大作 様

日本イコモス国内委員会
第14 小委員会 主査 苅谷勇雅

 日本イコモス国内委員会から京都会館再整備計画に関する見解(2012 年9 月10 日付)を京都市長様あてに送付したところ、京都市から指摘事項に対し真摯に取組んでいただける旨のコメント(同9月10日付)を頂けたことに感謝申し上げます。
 さて、日本イコモス国内委員会に設置した「第14小委員会:リビング・ヘリテージとしての20 世紀建築の保存・継承に関する課題検討(京都会館再整備計画に関する検討)」では、これまでISC20C(20世紀遺産に関する国際学術委員会)委員長、京都市在住の専門家及び御市担当者等に、今回の一連の流れを再度確認するとともに、小委員会において議論を重ねました。その結果、10月中旬に開始されるという第一ホール「建物本体の本格的解体」を前に、下記の事項を京都市に質問させていただくこととしました。第一ホール「建物本体の本格的解体」着手前に御回答いただけますよう、お願い申し上げます。

質問事項

① 京都市としてどのように京都会館第一ホールの機能上の課題を整理し、どのように新たな要求性能を設定したか、経過を追って合理的、論理的、また具体的にお示しください。

② 上記において、第一ホールに対する新たな要求性能が京都会館全体の建築的、文化的価値のインテグリティを継承・担保し得る範囲内のものであるかの検証をどのように行ったか、また、その要求性能の妥当性等についてどのように検討したか、お示しください。

③ 第一ホール全面解体除去後においても、実際に京都会館全体として建築的、文化的価値が継承され、そのインテグリティが担保され得ることが証明できるか、お示しください。

④ 第一ホールを全面解体除去するとした場合、建築の当初の部分や材料の保存の側面も含めどのように建物価値を継承し得るのか、お示しください。

⑤ 以上の点を踏まえ、京都会館の建築的、文化的価値継承の観点から、第一ホール再建後において、どのようにそのインテグリティを確保するのか、具体的方策を示してください。また、その準備のために解体前及び解体中にどのような調査や作業等を行うのか、スケジュールも含めて具体的にお示しください。

以上

d0226819_11164877.jpg

September 26, 2012
Mr. Daisaku Kadokawa,
Mayor of Kyoto City

Dear Mr. Mayor,

We would like to extend our appreciation for your prompt comment stating that the city of Kyoto takes the issue regarding Kyoto Kaikan seriously and is preparing to answer the letter of intent and list of concerns sent from Japan ICOMOS National Committee (JINC) on September 10th, 2012.

Members of the Fourteenth Subcommittee: examining issues pertaining to the conservation and preservation of Twentieth Century Architecture as living heritage (Issues concerning Renovation and Reconstruction Plan of Kyoto Kaikan) discussed the matter closely after reviewing the course of development of the situation by asking questions independently to the President of the International Scientific Committee on 20th Century Heritage, ICOMOS, various experts residing in Kyoto City, and the officers
in charge of this matter in Kyoto City. As a result, we comprised the following list of questions for which we would like to receive your reactive comments before the middle of October when the demolition of the main structure of the No.1 Hall is currently scheduled.

Thank you in advance for your cooperation in timely manner.

Sincerely yours,

Yuga Kariya
Chief Representative,
Fourteenth Subcommittee: examining issues pertaining to the conservation
and preservation of Twentieth Century Architecture as living heritage
(Issues concerning Renovation and Reconstruction Plan of Kyoto Kaikan)
Japan ICOMOS National Committee

QUESTIONS
1. Please rationally, logically and concretely demonstrate how Kyoto City has sorted out the functional issues related to Kyoto Kaikan No. 1 Hall, and the manner in which the new functional requirements were established.

2. Please show how the examination of the new performance requirements for No. 1 Hall were verified to be within the scope of continuing and guaranteeing the integrity of Kyoto Kaikan’s architectural and cultural value, as well as how the appropriateness of those performance requirements, etc. were examined.

3. Please demonstrate how the architectural and cultural value of the entire Kyoto Kaikan will actually be perpetuated, and its integrity can be guaranteed even after No. 1 Hall is completely dismantled and removed.

4. Please demonstrate how the building’s value will be perpetuated,including the preservation of the architecture’s original components and materials, assuming that No. 1 Hall will be completely dismantled and removed.

5. Considering the points above, please present specific measures on how integrity will be guaranteed after the reconstruction of No. 1 Hall, from the standpoint of perpetuating the architectural and cultural value of Kyoto Kaikan. Also, please present the surveys and work, etc. performed.

・Statement of Intent and a List of Concern by Japan ICOMOS(September 10, 2012)

■日本イコモス国内委員会第14小委員会による質問状(2012年9月26日付)-「日本イコモス国内委員会」
■A List of Questions by Japan ICOMOS 14th Subcommittee(September 26, 2012)

2012-10-09 第14小委員会質問状に対する京都市の回答-「京都市」

日本イコモス第14小委員会-リビング・ヘリテージとしての20世紀建築の保存・継承に関する課題検討
京都会館再整備計画に関する検討


ICOMOS関連記事
2012-09-10 京都市長宛:京都会館再整備計画への見解と委員会設置のお知らせ-「日本イコモス国内委員会」
2012-08-26 京都市長宛:「イコモス意見書」京都会館再整備基本設計に対する意見書-「ICOMOS ISC20C」
日本イコモス国内委員会
2012-09-08 日本イコモス国内委員会理事会に設置されている小委員会-「日本イコモス委員会」
[PR]
by 2011-kyoto | 2012-09-26 00:00 | 2012/09
2012-09-22 <京都会館問題をはじめて知る方へ>お勧め記事とタグ分類表のご紹介
<京都会館問題をはじめて知る方へ>
当ブログへお越しいただき誠にありがとうございます。
京都会館問題や京都会館の魅力を知っていただくためのタグ集のご紹介です。
また、下段にお勧め記事も紹介しています。どうぞご利用ください。
-タグ集--随時整理中-
(ブログ画面右側の「タグ」は20個までしか表示ができない仕様になっています)

#基本資料-京都会館

#要望書等
#市民手続
#監査請求
#住民訴訟
#選挙 

#ブログ
#建築 
#舞台

#記事 (新聞記事)
#行政
#価値継承検討委員会
#議会   
#議員

#ICOMOS

#工事

#お知らせ

#10/10シンポジウム (2011年10月10日開催シンポジウム「京都会館のより良き明日を考える」関係の記事)
#12/18シンポジウム (2011年12月18日開催第2回シンポジウム「京都会館のより良き明日を考える」関係の記事)
#シンポジウム等 (その他のシンポジウム関係の記事)

#ニュース/配布物
#Ustream/Youtube
#写真
#twitter

京都会館保存署名のお願い
http://kyoto21c.exblog.jp/14598095/

〇京都会館保存賛同署名活動団体と署名欄のまとめ
http://kyoto21c.exblog.jp/14755561/

〇京都会館再整備-「京都市情報館」
http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/soshiki/6-3-1-0-0_24.html

〇日本イコモス第14小委員会-京都会館再整備計画に関する検討-HP
http://www.japan-icomos.org/workgroup14/index.html

〇京都市会HP
http://www.city.kyoto.jp/shikai/  

もっと知りたい方はブログ画面右側、「カテゴリ」、「検索」などを利用して、ご自由にお調べください。
d0226819_2352742.jpg

<京都会館問題お勧め記事のご紹介>
<基本編>
〇2012-09-16 どうなる?京都会館建替問題-市民vs市長?(街宣用ちらしコノママンver)
http://kyoto21c.exblog.jp/16819191/

〇2011-09-27 京都会館改築への疑問:松隈洋-「毎日新聞」
http://kyoto21c.exblog.jp/14643769/

〇2012-03-05 京都会館建て替え、ホントにいいの?(京都会館再整備計画の見直しを私たちは求めます)
http://kyoto21c.exblog.jp/15533463/
<京都市回答編>
〇長崎和平氏による「京都会館建て替え問題」要望書に対する京都市の回答-「文化市民局」
http://kyoto21c.exblog.jp/16891738
<問題年表編>
〇ついに解体目前になってしまった@京都会館-Kazuya Morita Architecture Studio
http://morita-arch.com/archives/4855

〇2012-05-11 京都会館建て替え問題おさらい年表vol2を作成しました!

http://kyoto21c.exblog.jp/15846329/
<京都会館の魅力編>
〇2012-08-23 中学校吹奏楽部コーチからの手紙-京都会館のかけがえのなさについて
http://kyoto21c.exblog.jp/16681885/

〇2011-12-18 第2回シンポ「京都会館のより良き明日を考える」講演 富永讓
http://kyoto21c.exblog.jp/15398436
<じっくり知りたい方向け>
〇京都会館について-「sayseiの京都日記」
http://kyoto21c.exblog.jp/13074972/

〇2011-12-18 第2回シンポ「京都会館のより良き明日を考える」講演 槇文彦
http://kyoto21c.exblog.jp/15398381/
〇このブログ「I Love Kyoto kaikan」への取材インタビュー記事
QC3|11 河本順子「京都会館建替え問題から見る「京都」」 -RAD
http://qc-3.blogspot.jp/2009/11/qc311.html

[PR]
by 2011-kyoto | 2012-09-22 00:00 | 2012/09
2012-09-17 長崎和平氏による「京都会館建て替え問題」要望書に対する京都市の回答-「文化市民局」
長崎和平氏 京都会館建て替え問題要望書と京都市の回答書

去る9月3日に「京都会館再整備工事に関する意見交換会開催のお願い」と「京都会館再整備工事に関する質問」を京都市長及び京都市文化市民局文化芸術企画課あてに提出しました。これに対して9月21日に京都市文化市民局より回答書を受領しましたのでご報告申し上げます。

(*■コメント=2012年9月27日記者会見(於:京都市庁記者クラブ)時の長崎氏コメントを合わせて記載しました)

■コメント
正式文書として京都市が以下の見解を示したことは非常に重要だと考えます。

1)再整備後のことを何も計画せずに事業を進めている
  →計画及び税金投入の合理性がない
  →市民及び議会に必要な情報を示していない

2)建物価値継承に係る検討委員会提言書の前後で設計内容に変更がない
  →検討委員会自体が無意味だった可能性がある
  →この事実に対して各委員の方が納得しているのか疑問である

京都市回答書の各項目に対する概要及び補足説明を記します。

「京都会館再整備工事に関する公開意見交換会開催のお願い」について


京都市回答
1 公開意見交換会の開催について
京都会館再整備につきましては既に第一ホールの解体工事に着手しており,現時点において,「何をすべきか」といったことを議論する段階ではなく,「いかに事業を進めていくか」という段階にあります。
再整備の説明については基本計画の策定以降,市会でも説明し,今年の2月,5月の市会などでも説明するなど議論を積み重ねており,改めて意見交換会の開催は考えておりません。


---
■コメント
1.・・・市として今さら「何をすべきか」を議論する気はない。
→今さらではなく、今まで一度も根本的な部分についての議論をしたことがなかったために住民訴訟や多くの組織から反対の意見書が出されているのではないでしょうか。
問1
第一ホールの再整備前後での公演可能演目を教えてください。


京都市回答1
京都会館での公演を前提とするのであれば,再整備前後に関わらず,どの様な演目でも公演は可能ですが,巡回公演において舞台が狭隘であることを理由に,他都市で行われた公演ができなかったことはあります。


---
■コメント
2-1.・・・再整備前後で第一ホールでの公演可能演目に変わりがない。
→舞台機能向上が事業方針の1つであり、その具体的内容を質問したのですが、公演可能演目に変わりがないのであれば第一ホールを解体する理由がなくなると思います。
問2
第一ホールの過去5年間の稼働率と再整備後の想定稼働率を教えてください。


京都市回答2
閉館前5年間の日数利用率については以下のとおりです。
d0226819_19284728.jpg

再整備後の想定稼働率は今のところありませんが,これまで御利用いただいていた皆様に加え,これまで舞台規模が狭隘であることなどを理由に京都会館での公演を見送られていた方々に対しても御利用いただけるよう再整備に取り組んでいきます。


---
■コメント
2-2.・・・第一ホールは過去5年間で70%前後の稼働率があった。
     再整備後の稼働率を想定していない。

→まず、稼働率70%というのは全国平均以上であり、京都市が言う「今日的な機能を満たすことができない」とは言えないのではないでしょうか。当然稼働率を相当程度向上させるために再整備を行うと考え、その具体的数値を知るために質問しました。稼働率を想定しないということは、目標を持たずに事業を進めているということで、事業計画内容全般に疑問を持ちます。
問3
第一ホールの過去5年間の利用用途割合と再整備後の想定利用用途割合を教えてください。

(市民利用/興行利用)

京都市回答3
市民利用と興行利用の割合については統計を取っておりません。なお,参考として第一ホールにおける利用用途ごとの件数については以下のとおりです。また,再整備後についても,これまでと同様に様々な用途で御利用いただけるよう取り組んで参ります。
(単位:件)
d0226819_19294927.jpg

※1 クラシック音楽,オペラ,合唱,吹奏楽等
※2 ニューミュージック,ジャズ,歌謡曲等


---
■コメント
3.・・・再整備前後で利用用途割合に変わりがない。
→舞台機能向上させるということは、より興業利用にシフトすると考え、質問しましたが、何も想定していないようです。どのようなホールを目指しているのか計画の前提、目標がよく分かりません。
問4
閉館時点でのホール利用料金と再整備後の想定ホール利用料金を教えてください。


京都市回答4
閉館時点の利用料金は以下のとおりです。なお,再整備後の利用料金については,現在検討中です
d0226819_1930764.jpg



---
■コメント
4.・・・再整備後の利用料金について検討していない。
問5
過去5年間の京都会館年間運営費用及び再整備後の想定年間運営費用を教えてください。


京都市回答5
過去5年間の年間運営費用については以下のとおり。なお,再整備後の年間運営費用については,現在検討中です。
d0226819_19302281.jpg



---
■コメント
5.・・・再整備後の運営費用について検討していない。
→完成後の運用について何の計画も持たずに工事だけ進めているだけと理解できます。   
2~5については市民にとってどんなメリット、デメリットがあるのかを聞いたものですが、工事完成後のことは何も考えていないようです。これでは計画内容及び税金投入の正当性が疑われます。いまだにこのような公共事業の進め方、税金の使い方が許されるのでしょうか。京都市の財政が苦しくなるのも当然という気がします。また市議会は一体何のためにあるのか疑問に感じます。
問6
地上躯体部分増築なし改修する場合と現整備工事のそれぞれの総工事費を教えてください。


京都市回答6
以下のとおりです。
d0226819_19303379.jpg



---
■コメント
6.・・・地上躯体部分増築無し改修の総工事費 76.2億円
現計画案の総工事予定価格 100.9億円

2011年6月の基本計画で89億と92億の改修費用算出したのに対して、本来比較対象とすべき地上躯体解体なしの改修費用を質問したものです。2007年Light Stage報告書の試算60億円より安いはずと思ったのですが、76億円と予想より高いです。どちらにしても25億円税金投入が少なくなる案を比較対象から外して市民や議会に提示しないことは問題と考えます。
 ※当初発表された予算110億円とLight Stageの試算60億円とを比較すると差額は、50億円です
問7
建物価値継承に係る検討委員会提言書によって計画を変更した部分を教えてください。


京都市回答7
提言書が示された前後において,基本設計の内容に変更はありません。
建物価値継承に係る検討委員会は基本設計と並行して進められたものであり,会議に際してはデザイン案を提示し,それに基づき議論が行われました。
最終となった第5回検討委員会では,基本設計案及び提言案がそれぞれ提示され議論が行われましたが,委員長からは「本委員会の提言を踏まえ,基本設計受託者の香山建築研究所と一層連携し,京都会館の建物価値をしっかり継承した基本設計となるよう,残された期間において,全精力を傾け努力されることを望み,また,期待している。」との発言がありました。


---
■コメント
7.・・・建物価値継承に係る検討委員会提言書の前後で設計内容に変更はない。
→検討委員会が何を提言しようと最初から結論が決まっていたのではないでしょうか。
問8
解体差止めを求める住民訴訟が起こされたという事実を市としてどう受け止めますか。


京都市回答8
訴訟に先立つ住民監査請求において,本市の見解を申し述べておりますが,京都会館再整備は適正な手続等を経て進めていると認識しており,監査結果においても本市の主張が認められたものです。


---
■コメント
8.・・・再整備は適正な手続きを経て進めており、住民監査請求でもその正当性が認められている。
→違法性の有無ではなく、住民に対して訴訟を起こす所まで追いつめてしまったことをどう感じるかという意味で質問したのですが、市には何の非もないとの認識は残念です。
問9
DOCOMOMO Japanの意見書(2012年7月27日)に対する見解を教えてください。


京都市回答9
京都会館再整備の基本設計は,「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」において,日本建築学会から推薦を頂いた建築史の専門家をはじめ,様々な立場の方に参画いただき,京都会館の建物価値の継承に向けた議論と併せて進めて参りました。
今回の再整備は,老朽化し,安全性も含めて機能の低下した京都会館を,公共ホールとして使い続けるための作業であり,これまでの歴史に新たな京都会館の歴史が積み重ねられ,新たな建物価値として評価される時代が来ることを確信しております。


---
■コメント
9.・・・DOCOMOMO Japan の意見書に対しては建物価値継承に係る検討委員会を経ているから問題ない。
→それを経たはずの基本設計の結果に対して意見書が出ているから質問したのですが、きちんとした回答が得られませんでした。

問10
国際記念物遺跡会議ICOMOSの意見書に対する見解を教えてください。


京都市回答10
以下のURLを参照してください。
http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000128246.html


---
■コメント
10.・・・イコモスの意見書に対してはHPに公開の通り。
→イコモスの意見に対して全く耳を傾ける姿勢を持たない京都市の不誠実さに驚きます。


d0226819_1933960.jpg
d0226819_19331513.jpg
d0226819_19332186.jpg
d0226819_19332623.jpg
d0226819_19333349.jpg


■長崎和平氏京都会館建て替え問題要望書に対する京都市の回答-「文化市民局」

長崎工作室
京都会館解体を止められない-「中国と京都と建築と」


2011-06-24 「京都会館再整備基本計画」の策定について-「京都市情報館」

2007-12-01 平成19年度 京都会館再整備構想検討に係る機能改善可能性調査報告書-Light Stage報告書
2012-08-13 京都会館解体工事差止を請求する住民訴訟を提訴、記者会見が行われました
2011-04-27 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会提言について-「京都市情報館」
2012-07-13 京都会館第一ホールの建替えに係る住民監査請求 監査結果-「京都市情報館」
2012-08-08 京都会館再整備基本設計に対する意見書-「DOCOMOMO Japan」 
■京都会館の建物価値継承に係る検討委員会関連記事
2012-08-26 京都市長宛:「イコモス意見書」京都会館再整備基本設計に対する意見書-「ICOMOS ISC20C」
2012-03-28 京都会館建物価値継承委員会 第5回会議 傍聴メモ(6) 提言案について、委員会総括
[PR]
by 2011-kyoto | 2012-09-17 00:00 | 2012/09
2012-09-16 どうなる?京都会館建替問題-市民vs市長?(街宣用ちらしコノママンver)
どうなる?京都会館建て替え問題 市民vs門川市長?

最近、京都市内で配布中のちらしです。
いろんなバージョンがありますが、そのうちのひとつをご紹介いたします。
配布中の方を見かけられたら、ぜひ受け取ってくださいね!

 9月10日(月)から解体工事着工の京都会館(左京区)について、ユネスコの諮問機関で世界遺産候補地の調査などをしているNGO団体イコモスから「解体待った」の声がかかりました。しかし、京都市長は「粛々と工事を進めていく」との見解を発表。

 京都会館は1960年に建築家前川國男の設計により建てられた市民ホール。近代建築として有数の価値を誇り、ゆくゆくは重要文化財、世界遺産級の建物として知られています。

 老朽化が否めない中、現在の建物価値をなるべく生かして保存し、トイレなどの水周り、舞台搬入の不便さなどの刷新、音響設備の改修等、機能上必要最低限の改修をおこなえば、60億円の改修費ですむという地元住民、市民団体、建築家等の意見と、京都会館の建物価値の最重要要素である、第一ホールの勾配屋根、中庭を潰してでも、110億円の改築が必要という門川市長との見解が相違しています。市民Aさんは「京都市には何度も話し合いをしたい旨の申し入れをしたが、聞き入れてもらえなかった、価値のある建物が壊されるのを黙って見ているのは忍びない、9月10日からは工事着工といえども、仮囲いが行われる準備段階、まだ、解体ストップには間に合いますので、ぜひこの問題を知らない人にも知ってほしい」としています。


ちらしpdfダウンロード
d0226819_2333324.jpg

d0226819_233432.jpg

■どうなる?京都会館建替問題-市民vs市長?(街宣用ちらしコノママンver)

2012-08-26 京都市長宛:「イコモス意見書」京都会館再整備基本設計に対する意見書-「ICOMOS ISC20C」
■京都会館改修に意見書 ユネスコ諮問機関、見直し求める-「産経新聞」
2012-08-28 京都会館建て替え懸念 ユネスコ諮問機関市に再考要望-「毎日新聞」
2012-08-27 京都会館建て替え再考を イコモス、京都市に意見書-「京都新聞」
2012-08-28 京都会館建て替えに「遺産危機警告」 ユネスコ諮問機関イコモス-「Web民報」

2012-09-10 昭和の遺産・京都会館の解体スタート ユネスコ諮問機関が見直し要請も-「産経新聞」
2012-09-10 京都会館の建て替え工事始まる 住民らは反対運動-「朝日新聞」
2012-09-11 「京都会館」改修始まる 15年度オープン目指す-「読売新聞」
2012-09-10 半世紀の歴史に幕 京都会館第1ホール-「京都新聞」
[PR]
by 2011-kyoto | 2012-09-16 00:00 | 2012/09
2012-09-12 「イコモス意見書」及び日本イコモス国内委員会の見解に対する本市の対応-「京都市情報館」
「イコモス20世紀遺産に関する国際学術委員会」からの意見書及び日本イコモス国内委員会の見解に対する本市の対応について
[2012年9月12日]

「イコモス20世紀遺産に関する国際学術委員会」からの意見書及び日本イコモス国内委員会の見解に対する本市の対応について
 イコモス20世紀遺産に関する国際学術委員会(以下「ISC20C」という。)から京都会館再整備の計画見直しを求める意見書が提出されたことを受け,本市から「ISC20C」委員長シェリダン・バーク氏あてに,京都会館再整備事業に係る本市の見解を,以下のとおり平成24年9月7日に送付しました。

「ISC20C」からの意見書に対する京都市送付文

pdf「ISC20C」からの意見書に対する京都市送付文(英文)(ファイル名:hensou-e.pdf サイズ:44.93 キロバイト)
pdf「ISC20C」からの意見書に対する京都市送付文(和文)(ファイル名:hensou-j.pdf サイズ:65.70 キロバイト)
参考 「ISC20C」からの意見書
「ISC20C」からの意見書

pdf「ISC20C」からの意見書(英文)(ファイル名:iken.pdf サイズ:59.01 キロバイト)
pdf「ISC20C」からの意見書(和文)(ファイル名:iken-j.pdf サイズ:68.37 キロバイト)

また,日本イコモス国内委員会から「京都会館再整備計画に関する見解」が送付されたことから,見解に対する本市のコメントを掲載します。
日本イコモス国内委員会の見解及び本市のコメント
日本イコモス国内委員会から市長あて「京都会館再整備計画に関する見解」に対するコメント

○ 京都会館再整備について,これまで本市が京都会館の建物価値を認めて慎重に検討を重ねてきたことには評価いただいている。その一方で,再整備に関して,なお丁寧に説明すべき点があるとの御指摘をいただいたと理解している。

○ 本日,いただいた御指摘については誠実に対応し,建物本体の本格的な解体に取り掛かるまで,仮囲いや建物内部の付属設備などの撤去を行っている期間である約1箇月を目途に,日本イコモスの御協力をいただきながら,再整備基本設計の取りまとめに至る経過の説明等に,精力的に取り組んでまいりたい。
京都市としては,英知を集めて再整備に取り組んできており,その内容については,必ず御理解をいただけると確信している。

pdf京都会館再整備計画に関する見解(ファイル名:kenkai.pdf サイズ:76.21 キロバイト)
pdf見解に対する本市コメント(ファイル名:komento.pdf サイズ:35.14 キロバイト)
d0226819_17384347.jpg
d0226819_17444641.jpg

■「イコモス20世紀遺産に関する国際学術委員会」からの意見書及び日本イコモス国内委員会の見解に対する本市の対応について-「京都市情報館」

ICOMOS関連記事

2012-08-26 京都会館再整備基本設計に対する意見書-「ICOMOS ISC20C」
2012-09-10 京都市長宛:京都会館再整備計画への見解と委員会設置のお知らせ-「日本イコモス国内委員会」
2012-09-07 イコモス委員長宛:イコモス意見書について、門川大作京都市長からの回答-「京都市」
[PR]
by 2011-kyoto | 2012-09-12 00:00 | 2012/09
2012-09-10 京都市長宛:京都会館再整備計画への見解と委員会設置のお知らせ-「日本イコモス国内委員会」
京都市長宛:京都会館再整備計画への見解と委員会設置のお知らせ-「日本イコモス国内委員会」
2012年9月10日  「京都会館再整備計画に関する見解」
日本イコモス国内委員会による「京都会館再整備計画に関する見解」を門川大作京都市長宛に送付しました。
日本イコモス国内委員会HP記載より

2012年9月10日

京都市長 門川大作様

日本イコモス国内委員会
委員長 西村幸夫

京都会館再整備計画に関する見解

 イコモス(国際記念物遺跡会議, ICOMOS)国際学術委員会ISC20C(20th Century Heritage,委員長Sheridan Burke)による京都会館再整備計画に関する意見書が送付されました。そのなかで、20世紀の日本における最も重要な建築家のひとりである前川國男の代表作品の一つとして京都会館の文化財としての重要性を位置付けたうえで、現在、京都市が再整備計画に示す建て替えは、文化財としての価値に対して「取り返しのつかない害を及ぼし、美と調和を破壊する」として危機遺産警告を発令する可能性が示唆されました。また、この件に関しイコモス(国際記念物会議, ICOMOS)日本国内委員会には各方面から様々な御意見、情報が寄せられました。この状況を受けイコモス国内委員会として、国際学術委員会ISC20C委員から経緯を聴収するとともに京都市による京都会館再整備計画を省察し、以下のことを確認しました。

 ①京都会館は現在、国内法において文化財としての登録・指定がされていないものの、20世紀の日本を代表すある建築作品のひとつであり、ある一定の文化財としての価値を有していること。

 ②京都会館は第一ホールを中心としてさまざまな機能上の問題が竣工当初から指摘されてきており、また、経年変化によりさまざまな物理的性状の問題も有していること。

 ③京都市は上記①および②の双方の問題の解決するために、慎重に検討を重ねてきたこと。

しかしながら、

 ④京都会館再整備基本設計において、20世紀建築のリビング・ヘリテージ(使われる建物としての継承)としての機能変化を含む改修などの変化に対して、継承すべき価値の判読が困難で、かつその資産のインテグリティ(完全性)の確保が合理的に示されていないこと。

 ⑤京都会館再整備基本設計における資産のインテグリティ(完全性)が保たれているかの検証と、その確保のための新たな要求性能の再検討がなされていないこと。

 ⑥「京都会館の建物価値継承に係わる検討委員会」提言の示す「近代建築を保存・継承する新たな道筋をつけること」に対する説明が不十分であること。

京都市は、①および②の点を止揚して、新たな京都会館のあり方を提案するのであれば、上記の④~⑥の疑問点に対処し、かつ、その解決策が京都会館の最小限の改変案であることを合理的に示すべきであると考えます。
京都市が行う上記の作業を注視し、必要に応じて協働して検討するために、イコモス国内委員会拡大理事会(9月8日)において、国内委員会内に第14小委員会「リビング・ヘリテージとしての20世紀建築の保存・継承に関する課題検討(京都会館再整備計画に関する検討)」(主査:苅谷勇雅)を設置することとしました。また、その検討結果を国際学術委員会ISC20Cに報告する予定です。
d0226819_14393241.jpg
d0226819_14395567.jpg

■京都市長宛:京都会館再整備計画に関する見解-「日本イコモス国内委員会」

2012-08-26 京都会館再整備基本設計に対する意見書-「ICOMOS ISC20C」
2012-10-02 京都会館「再整備」に思う 苅谷勇雅-「日本イコモス国内委員会INFORMATION8期11号」
2005-06-30 デザイン・マインドと資本とのあいだで | 山名善之-「10+1DATABASE」
2011-06 QC3|07 宗田好史「「保存再生」から見える地域、人々の動き」 -「タウンとアーキテクト」
2012-09-05 日本イコモス国内委員会 インフォメーション誌 はじめに-西村幸夫

2012-09-07 イコモス委員長宛:イコモス意見書について、門川大作京都市長からの回答-「京都市」
2011-06-16 マドリッド・ドキュメント2011(日本語訳):20世紀建築遺産の保存のための取組み手法-ISC20C
2012-08-08 京都会館再整備基本設計に対する意見書-「DOCOMOMO Japan」 
2011-04-27 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会提言について-「京都市情報館」

2012-09-08 日本イコモス国内委員会開催のお知らせ-「日本イコモス国内委員会」

ICOMOS関連記事
西村幸夫 「都市デザイン研究室」
苅谷勇雅-Wikipedia

■京都会館の建物価値継承に係る検討委員会関連記事
2012-06-05 京都会館再整備工事に係る基本設計について-「京都市情報館」
[PR]
by 2011-kyoto | 2012-09-10 00:00 | 2012/09