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2012-06-22 検討委員会提言を受けた基本設計内容/景観シミュレーション-「京都市情報館」
検討委員会提言を受けた基本設計内容/景観シミュレーション

2012/06/22 「京都会館再整備工事 入札公告について」より下記を抜粋してご紹介しています。

pdf02-1 検討委員会提言を受けた基本設計内容/景観シミュレーション(1~4-2)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho02-1.pdf サイズ:5.72 メガバイト)
pdf02-2 検討委員会提言を受けた基本設計内容/景観シミュレーション(5-1~5-10)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho02-2.pdf サイズ:4.28 メガバイト)

口京都会館再整備(工事に関る)基本設計の総括 香山壽夫

京都会館再整備の目的は,要約すれば, 「これまで長く市民に愛され,親しまれ,また専門的にも高く評価されてきたこの建築の,優れた特質を尊重し,保ちつつ,さらに今後長く,生きて使われる建物として存続できるよう,必要な保守・改良の手を加えること」と言うことができよう。
 この目的を実現するために,京都市は平成23年3月「京都会館再整備基本計画」を策定したが,その方針の基本は,基本設計につながる問題として,次の3点にまとめられる。すなわち,
 1) 第1ホールは建て替える
 2)第2ホールおよび会議棟は保存・改修する
 3)会館全体を一体的に,そしてより活溌に,利用できるよう諸空間,諸機能を拡充・向上させる
という3つである。
 この基本設計は,いかにして,この基本方針を具体的に実行するか,そのための方法をまとめたものであるが,その検討にあたっては,先ず,平成23年10月より5回にわたって行われた「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」における議論とその提言を根底に踏まえ,そしてさらにその上で,さらに広く,多方面からの市民,専門家の意見,要望に耳を傾けつつ,建築家としての総力を注いで,まとめ上げたものである。この基本設計の要点を,「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」の提言の主要なる論点,すなわち, 1)空間構成, 2)外観意匠, 3)景観要素, 4)材料,の4つにおいて総括的に述べる。

1 )空間構成
 二条通に面するピ口ティから,中庭に入り,更に第1ホールのホワイ工を通して冷泉通を見通せる空間の流動性は,この建築の大きな特徴である。この空間の特徴は,基本設計において,十分に尊重し,保つものとする。さらに単に保つだけではなく,現在のように,通常は通り抜けることのできないホール専用のロビーを,誰もが通り抜けることのできる,共通ロビーとすることによって,現在以上にその空間の流動性は強調されることになろう。また中庭に沿って,第1ホールと第2ホールをつないでいる現在のバルコ二ーは,透明性のあるガラス皮膜で包むことによって内部化する。このことによって,現在のバルコ二ーの上と下の空間は,会館全体の一体利用のために不可欠な共通口ビーとなるが,これは,現在の「開かれた公共空間」としての中庭の特徴を,更に強化するものとなるだろう。

2 )外観意匠
 建物の上部をめぐる大庇,そしてプレキャス卜・コンクリー卜の手摺をのせた中層部をめぐるバルコ二ーも,現京都会館の好ましい特徴として,広く受け入れられているかたちであって,基本的にこれらは,すべて現状のかたちで,保存あるいは再生する。バルコ二ーを新しいガラス壁で包む場合には,ガラス壁は手摺の外側に立てることにする。
もし,内側に立てるならば,一体不可分のパルコ二ーと手摺のかたちを害うことになると判断するからである。
 大庇は,新しく建て替る第1ホール部分においても,現状と同じかたちを再現する。隅部にみられるような当初よりの構造的欠陥もあるが,これは下方からの見え方を害わないようなかたちで,改造する。この大庇を支えている下部のRCラーメン構造の柱梁の構成,その間に取り付けられているサッシ窓も,可能な限り,原型を保存あるいは再生する。柱梁の造形も大庇と一体であると判断するからである。
 第2ホールのホワイエは,この建物の二条橋からの印象を決定づける重要な空間であるから,その基本的な特徴は保つことにする。

3) 景観要素
 建築が,都市景観を決定する重要な要素であることは,改めて述べるまでもなく,設計の際にこれを考慮すべきことの大切さは,いかなる建物においても基本であるが,京都岡崎のこの地に立つ京都会館においては,とりわけ重要である。このことから,基本設計の全ての段階において,建物全てのかたちの,あらゆる方向からの見え方について検討を重ねた。
 第1ホールが,求められる機能を最小限満たすためには,すでに「再整備基本計画」が明らかにしているように,客席上部を覆う屋根の形状と,舞台上部を覆うフライタワーの形状とを,変更せざるを得ない。その変更が,周囲から見られた時に,不快感や圧迫感を与えるものであってはならない。しかし,変更がすなわち建物の特質を破壊し,周辺の景観を害うものと断ずることは正しくない。たとえ,その高さが,現状より若干高くなったとしても,その全体のシルエッ卜,その分節の比例,そしてその外装の軽快さによって,現在の建物の特質を保ちあるいはむしろ更に強調し,そして又,周辺からの見え方をより心地よいものにすることが可能だからである。この基本設計は,そのようなかたちが実現されるよう,数多くの検討を重ねた上で,決定された。

4) 材料
 この建物には,外壁の重厚な煉瓦タイル, ピ口ティや中庭,ロビーの床に楕円形に敷かれたピンコロ石,あるいは内装の重厚な木仕上等々,空間を特徴づける独自の素材が使われている。そのような材料は,できるだけ生かして,保存・再生していく。しかし,後に詳述する如く,素材によっては,維持保存に困難が生じているもの,あるいは,利用者にとって危険なものもある。これらについては,かたちの特質を上手に保ちつつ,改善していく道を探る。
 個々の項目については,続いて詳しく具体的に述べることにするが,それら細部全てにおいて,この基本設計が,実施設計そして工事施工において完全に遂行されることを,強く期待するものである。そしてその結果,ここに示された理念が,正しく実現するならば,「近代建築の保存は,何のために,そしていかになされるべきか」という,今日多くの市民,専門家の関心を集め,かつ,その論点と方法が必ずしも明確でない課題に,ひとつの確固とした筋道が導き出されるものとなろう。そのことは,とりもなおさず,日本の近代建築の出発の時代に,この建築が切り拓いた,先導的な役割が,建設後50年を経て今一度新たなものとされることに他ならない。

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2012-06-22京都会館再整備工事 入札公告について-「京都市情報館」
京都会館再整備工事 入札公告について
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京都会館再整備工事の入札に参加希望される方は,こちらから設計図書等をダウンロードしてください。

設計図書等は1~5まであります。
設計図書等に修正・変更があった場合は,当課のホームページでお知らせし,改正版を掲載しますので,随時御確認ください。
入札公告及び添付書類の様式は,契約課のホームページに掲載されています。
契約課ホームページアドレスhttp://www.city.kyoto.jp/rizai/chodo/ebid/kouji/2012/000242.htm

一括pdfダウンロード(ファイル容量が大きいのでご注意ください)
1 入札説明書

pdf入札説明書(ファイル名:01_nyusatusetumeisho.pdf サイズ:165.56 キロバイト)
2 発注仕様書
pdf【再掲】発注仕様書(平成24年6月27日修正版)(ファイル名:02_hacchushiyousho03.pdf サイズ:1.15 メガバイト)
pdf発注仕様書イル名:02_hacchushiyousho.pdf サイズ:1.15 メガバイト)
3 基本設計説明書

pdf00 表紙・目次(ファイル名:03_sekkeisetumeisho00.pdf サイズ:469.62 キロバイト)
pdf01 基本設計方針(ファイル名:03_sekkeisetumeisho01.pdf サイズ:2.37 メガバイト)
pdf02-1 検討委員会提言を受けた基本設計内容/景観シミュレーション(1~4-2)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho02-1.pdf サイズ:5.72 メガバイト)
pdf02-2 検討委員会提言を受けた基本設計内容/景観シミュレーション(5-1~5-10)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho02-2.pdf サイズ:4.28 メガバイト)
pdf03 計画概要(ファイル名:03_sekkeisetumeisho03.pdf サイズ:1.28 メガバイト)
pdf04 建築計画(ファイル名:03_sekkeisetumeisho04.pdf サイズ:9.13 メガバイト)
pdf05 構造計画(ファイル名:03_sekkeisetumeisho05.pdf サイズ:2.76 メガバイト)
pdf06-1 ホール,舞台計画(1-1~2-10)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho06-1.pdf サイズ:4.32 メガバイト)
pdf06-2 ホール,舞台計画(3-1~6)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho06-2.pdf サイズ:6.71 メガバイト)
pdf07 電気設備計画(ファイル名:03_sekkeisetumeisho07.pdf サイズ:369.13 キロバイト)
pdf08 機械設備計画(ファイル名:03_sekkeisetumeisho08.pdf サイズ:1.37 メガバイト)
pdf09-1 基本設計図(建築)(1~4)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho09-1.pdf サイズ:8.28 メガバイト)
pdf09-2 基本設計図(建築)(5~7-8)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho09-2.pdf サイズ:5.75 メガバイト)
pdf09-3 基本設計図(建築)(7-9~9-3)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho09-3.pdf サイズ:3.97 メガバイト)
pdf09-4 基本設計図(建築)(10-1~10-5)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho09-4.pdf サイズ:1.53 メガバイト)
pdf09-5 基本設計図(建築)(11-1~11-11)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho09-5.pdf サイズ:8.38 メガバイト)
pdf09-6 基本設計図(建築)(12-1~15)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho09-6.pdf サイズ:5.14 メガバイト)
pdf10 基本設計参考図(構造)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho10.pdf サイズ:8.11 メガバイト)
pdf11-1 基本設計参考図(電気)(1-1~4-11)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho11-1.pdf サイズ:5.76 メガバイト)
pdf11-2 基本設計参考図(電気)(5-1~14)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho11-2.pdf サイズ:4.96 メガバイト)
pdf12 基本設計参考図(機械)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho12.pdf サイズ:7.06 メガバイト)
pdf13 基本設計図(舞台機構)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho13.pdf サイズ:5.00 メガバイト)
pdf14 基本設計図(舞台照明)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho14.pdf サイズ:6.46 メガバイト)
pdf15-1 基本設計図(舞台音響)(1~25)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho15-1.pdf サイズ:8.40 メガバイト)
pdf15-2 基本設計図(舞台音響)(26~51)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho15-2.pdf サイズ:4.10 メガバイト)
pdf16-1 その他設計図(1-1~4-4)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho16-1.pdf サイズ:8.25 メガバイト)
pdf16-2 その他設計図(5-1~5-3)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho16-2.pdf サイズ:7.34 メガバイト)
pdf16-3 その他設計図(5-4~7)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho16-3.pdf サイズ:5.26 メガバイト)
pdf16-4 その他設計図(8-1~9-7)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho16-4.pdf サイズ:7.86 メガバイト)
pdf16-5 その他設計図(9-8~10-8)(ファイル名:03_sekkeisetumeisho16-5.pdf サイズ:7.07 メガバイト)
4 落札者決定基準等
pdf落札者決定基準(ファイル名:04_ketteikijyun.pdf サイズ:256.71 キロバイト)
doc技術提案書(本編及び添付資料)(ファイル名:05_gijututeiansho.doc サイズ:197.00 キロバイト)
5 請負契約書

pdf請負契約書(ファイル名:06_ukeoikeiyakusho.pdf サイズ:319.37 キロバイト)
お問い合わせ
文化市民局文化芸術都市推進室文化芸術企画課
住所: 〒604-8006 京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町394番地 Y・J・Kビル2階
電話: 075-366-0033 ファックス: 075-213-3181

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2012-06-05 京都会館再整備工事に係る基本設計について-「京都市情報館」
京都会館再整備工事に係る基本設計について

[2012年6月5日]
広報資料
平成24年6月4日
文化市民局(文化芸術都市推進室文化芸術企画課 366-0033)
京都会館再整備工事に係る基本設計について

 京都市では,昭和35年4月の開館以来,50年以上にわたり京都の「文化の殿堂」として市民に愛されてきた京都会館を利用者のニーズに応えるよう全面的な再整備を行うため,平成23年6月に「京都会館再整備基本計画」を策定し,再整備に向けた取組を進めてきました。

 この度,基本計画に基づき,再整備に関する「京都会館再整備基本設計」を取りまとめましたので,概要についてお知らせします。
1 基本設計の考え方
 京都会館については,岡崎地域の風致・景観及び文化にとって重要な構成要素として,現在の建物価値を未来に継承するとともに,末永く市民に愛され続ける魅力あるものとなるよう,不足している耐震性能を補強すること等によって建物の安心安全を確保するだけでなく,舞台機能の強化やバリアフリー対策等,時代ごとの新しい価値を古い価値の上に重ねていくことで,現代のニーズに応えられる会館を目指して再整備していきます。

 基本設計に当たっては,下記の点に留意して進めてきました。

京都会館の建物価値を,建築や舞台技術の専門家や地域の代表の方で構成された「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」からの提言を受け止め,しっかりと継承する。(資料1)
第一ホールは,耐震性を確保し,「文化の殿堂」として現代的なニーズに応えるため,機能を充実し,多様な演目の公演が可能なホールに建て替える。
第二ホール及び会議棟は,既存の建物を保存・継承しつつ,防火・耐震改修,バリアフリー改修を含めた全面改修を実施する。
開場までの客待ちへの配慮や文化・情報発信を行う地域交流の場として岡崎活性化に寄与するため,共通ロビーを新設する。
舞台利用者の利便性向上のため,リハーサル室機能を有する多目的スタジオを地下2階に新設する
2 基本設計の概要(資料2)
基本設計受託者
  有限会社香山壽夫建築研究所 (代表 香山壽夫(東京大学名誉教授))
施設概要
敷地面積  13,167.50㎡ 
  構   造  鉄筋コンクリート造,一部鉄骨鉄筋コンクリート造他
  階   数  地上6階地下2階建て
  建築面積  8,174.82㎡
  延床面積  19,450.00㎡ 
  建物高さ  30.81m 
整備内容
◎第一ホール
  府内唯一の2,000席の座席数を確保しつつ,現行の舞台規模を大幅に改善する。
 第一ホール 基本設計 現  行
プロセニアムの高さ 12m 6~9.5m
舞台奥行き 18.2m 12m
舞台内高さ 27m 12~14.5m
道具バトン数 31本 8本
通常客席(うち車いす用) 2,001席(10席) 2,015席(10席)
楽屋数 11室 8室

◎第二ホール
 座席数を減らし,ゆったりとした空間に再整備する。
第二ホール 基本設計 現  行
プロセニアムの高さ 7.2~12.25m 7.2m
舞台奥行き 14.5m 14.5m
舞台内高さ 15m 15m
道具バトン数 21本 15本
通常客席(うち車いす用) 715席(5席) 939席(5席)
楽屋数 6室 5室

◎多目的スタジオ(リハーサル室)
第一及び第二ホールのリハーサル室や小規模な公演会場(200人収容)にも対応可能な多目的スタジオを設置する。

◎賑わいスペース(会議棟)
  岡崎地域の活性化の中核となる,新たな賑わいを創出する施設を導入する。
3 今後の事業スケジュール(予定)
平成24年 6月  実施設計・施工一括発注に係る入札公告
        9月  第一ホール解体工事着手
             実施設計・施工一括発注に係る落札者決定
        11月  実施設計着手(10箇月)
 平成27年 8月  竣工(工期24箇月)
 ※ 平成27年度内の開館を目指し,再整備を進める。
広報資料はこちらです
広報資料(ファイル名:240604kouhousiryou.pdf サイズ:139.82 キロバイト)
<6月4日発表>
pdf資料1(ファイル名:240604siryou1.pdf サイズ:120.45 キロバイト)
pdf資料2(ファイル名:240604siryou2.pdf サイズ:3.91 メガバイト)

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■京都会館再整備工事に係る基本設計について-「京都市情報館」

2011-06-24 「京都会館再整備基本計画」の策定について-「京都市情報館」
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by 2011-kyoto | 2012-06-05 00:00 | 2012/06
2012-05-17 京都市に京都市職員措置請求(監査請求)、要望書、署名等を提出してきました
本日、京都市へ京都市職員措置請求(監査請求)、要望書、署名等を提出してきました
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京都市職員措置請求者(住民監査請求者) 775名

住民監査請求(じゅうみんかんさせいきゅう)とは、住民が、自らの居住する地方公共団体の違法若しくは不当な財務会計上の行為があると認められる場合、その地方公共団体の監査委員に対し監査を求め、その行為に対し必要な措置を講ずべきことを請求することができる制度
http://ja.wikipedia.org/wiki/住民監査請求

京都会館の保存要望署名 合計 11869名

「岡崎公園と疎水を考える会」提出分 計9,920名
「京都会館を大切にする会」・「京都会館再整備をじっくり考える会」提出分 計1,828名
音楽と舞台芸術を愛する立場から京都会館再整備基本計画を憂慮する声明 署名 121名

京都会館保存賛同署名活動団体と署名欄のまとめ

<参考>
〇「岡崎公園と疎水を考える会」 京都会館問題 監査請求書.pdf
〇漫画_住民監査請求について.pdf
〇住民監査請求とは.pdf

〇「京都会館再整備をじっくり考える会」 京都会館問題 監査請求書.pdf

■京都市に京都市職員措置請求(監査請求)、要望書、署名等を提出してきました

京都会館問題監査請求に関する記事

京都会館問題について提出されたこれまでの要望書


住民監査請求にご協力ください-「京都会館再整備をじっくり考える会」

2012-01-06 要望書を京都市に提出してきました
平成24年5月17日京都会館再整備反対に係る市民活動団体合同の呼びかけで集約した住民監査請求書を提出すると共に第三次署名提出-「岡崎公園と疎水を考える会」

「まちづくり市民会議」
「岡崎公園と疎水を考える会」
「京都会館を大切にする会」
「京都会館再整備をじっくり考える会」
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by 2011-kyoto | 2012-05-17 00:00 | 2012/05
2012-05-17 京都会館第一ホールの改修及び岡崎地域の景観保全に関する意見書-「京都弁護士会」
2012年5月17日京都弁護士会会長名にて下記の意見書が京都市に提出されました。
※意見書最終行に添付資料をリンクしました(5/25/2012)
(尚、意見書参照資料等は現在問い合わせ中です、あらためて再掲載する予定です。)
2012年(平成24年)5月18日

京都市長 門 川 大 作 殿

京 都 弁 護 士 会

会長 吉 川 哲 朗

京都会館第一ホールの改修及び岡崎地域の景観保全に関する意見書

 京都市は、平成23年秋、「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」(以下「価値検討委員会」という。)を立ち上げ、同年10月4日に第1回の会合を開いた。そして京都市は、価値検討委員会に対し、第一ホールについては建て替えるべしとして、基本設計案(以下「現在の建替案」という。)を提出した。
これに対し、価値検討委員会は、現在の建替案を含めて、京都会館の承継すべき価値について検討し、予定された4回の会合を超え、5回の会合を経て、本年4月23日、提言をまとめた。これを受けて京都市は、本年5月中に基本設計を決定し、年内には実施設計等を行う方針を明らかにしている。
そこで当会は、価値検討委員会の提言等を踏まえ、京都会館第一ホールの改修計画及び岡崎地域の景観保全について、以下のとおり意見を述べる。
意見の趣旨

1 京都会館第一ホールの改修に関する基本設計については、価値検討委員会が本年4月23日に提出した提言を実現し、京都市眺望景観創生条例及び岡崎文化・交流地区地区計画に適合する内容とすべきである。

2 基本設計を含め、京都会館第一ホールの改修については、拙速を慎み、徹底した市民参加と建築・景観・都市計画・法律等各分野の専門家の関与のもとで慎重に合意形成が図られるべきであって、少なくとも、当該合意形成が図られないままで解体工事に着手すべきでない。

3 岡崎地区の景観保全を十全あらしめるため、岡崎公園地区特別修景地域内の琵琶湖疏水右岸についても、景観地区として、岸辺型美観地区(一般地区)に指定すべきである。

意見の理由
1 京都会館の立地の法的状況

(1) 京都会館の立地(以下「本件敷地」という。)の用途地域は、第二種住居地域であり、容積率200%、建ぺい率60%であって、15メートルの高度地区に指定されている。
他方、本件敷地は、平成24年2月1日に計画決定された岡崎文化・交流地区地区計画区域内にある。この地区計画により、本件敷地部分は、建築物の高さの最高限度を31メートルとするように変更された。

(2) 本件敷地の景観保全に関しては、風致地区第5種地域であり、本年2月1日に規定された「岡崎公園地区特別修景地域」に指定されている。

(3) 本件敷地の眺望景観の保全については、琵琶湖疏水の疏水界からの水平距離が30メートルの範囲は「近景デザイン保全区域」、それ以外は「遠景デザイン保全区域」に指定されている(後掲⑭)。
2 京都会館の現状及び現在の建替案

(1) 京都会館の現状
京都会館第一ホールの現状は、建物の高さこそ約27メートルあるものの、最高部は建物の中心部分のみで壁面に近づくにしたがってなだらかな勾配を描いて低くなるとともに、幅も狭くなってボリュームが小さくなっていくことから、周りの建物や東山連峰の山並みともよく調和している。

(2) 現在の建替案
他方、現在の建替案は、建物西側(琵琶湖疏水側)に開口部が取られず、外壁面も垂直に屹立する舞台フライの設置を予定するものとなっている。
とりわけ、後掲○a①③⑤⑩⑪⑫の写真のとおり、現在の建替案における舞台フライは、幅35メートル、奥行き23メートル、高さ30メートルにも及ぶ巨大なものである(ちなみに、高さ30メートルは、10階建てのビルの大きさにも相当する。)。
3 価値検討委員会提言の内容

(1) 価値検討委員会はまず「基本的な考え方」として、「岡崎地域は景観上重要な位置づけをもつ地域であり、本年3月には「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(歴まち法)」の重点区域に指定されるとともに、「文化的景観」の指定も計画されるなど、京都会館の歴史的な建物価値はますます重視されることになるのは明らかである。したがって、機能の向上や利便性から計画される改修であっても、それが歴史的な建物価値を損なうことのないよう取り組まなければならない。」との認識を示した。

(2) その上で、「外観意匠の継承」について、

①現在の京都会館の外観意匠における特質は、大庇・手すり・バルコニーによって形成される立面が、日本建築における軒・縁・高欄による立面と似通うことから与えられることから、こうした立面構成の価値を維持継承すべき(以下「承継価値1」という。)。

②第一ホールのフライタワーの形姿については、大庇で表現された大屋根の下に諸々の空間を抱込み、大屋根の上のマスは空や山並みに融け込むという原設計の外観意匠の全体的統一性の上からも十分な配慮を払うべき(以下「承継価値2」という。)としている。

(3) そして、「景観構成要素としての意義の継承」について、

①フライタワーの高さ・形状については、岡崎地域、ひいては東山山麓の風致を損なわないよう最大限の配慮を払い、現在、進められている重要文化的景観の調査検討及び歴史的風致維持向上計画の策定との整合に留意しつつ、十分な検証をおこなうべき(以下「承継価値3」という。)。

②景観シミュレーションを見ても、舞台内高さ27メートルを確保した現在の建替案のフライタワーが周辺の風致に与える影響に配慮することが必要であることは明らかである。いかにフライタワーの高さとボリュームを抑えていくかがデザインの要であり、慎重なデザイン処理を行うべき(以下「承継価値4」という。)。

③新築される第一ホール部分の形状・色彩・素材についても、岡崎地域の風致を損なわないよう精緻な景観シミュレーションを行うなど最大限の配慮を払うべきである(以下「承継価値5」という。)としている。
4 価値検討委員会提言の評価(改修計画のあり方)

 京都市は、京都会館第一ホールを改修する目的の一つとして、「世界水準の総合舞台芸術」の上演を掲げる(京都会館再整備基本計画)。また、京都市の説明においても、びわ湖ホール等に奪われてしまったオペラ等の公演を呼び戻したいとの意向が散見される(価値検討委員会の各回の摘録)。

 しかし、現在の建替案は、奥舞台及び袖舞台がなく、日本でも数か所しかない四面舞台を備えたびわ湖ホールに到底及ばない。

他方、京都会館を設計した前川國男の設計説明書(別紙補足説明参照)には、「東山一帯に囲まれた平面的な岡崎公園と、その水平的性格を象徴するが如き疏水の流れ、それに既存の建物、公会堂、勧業館、美術館等の中層建物の高さなどを考え合わせ」た上でもたらされる「周辺地域環境との調和」の思想が示されていた。

とすれば、京都会館を規模や舞台機能の面から単純に他と比較し、その点で他と劣るから建て替えてしまおうという発想で本当に正しいのかどうか、他のホールにはない京都会館独自の価値が何であるのかを今一度冷静かつ慎重に見極める必要がある。

そうすると、価値検討員会が示した「基本的な考え方」は至当であって、京都会館の改修計画にあたっては、同委員会提言に基づく承継価値1ないし5を承継することが強く求められる。現に同委員会は、提言前文の締めくくりにおいて、「提言が実現された暁には、機能向上を図りつつ建物価値を継承するという近代建築再整備の観点に立って、近代建築を保存・継承する新たな道筋をつけることができると確信する」と述べているところである。
5 現在の建替案の不十分性

(1) ところが、以下に述べるとおり、現在の建替案は、承継価値1ないし5を承継しているとは言い難い上、京都市眺望景観創生条例との適合性、さらには岡崎文化・交流地区地区計画との適合性にも問題がある。

(2) 承継価値1ないし5について
現在の建替案の建屋形状の舞台フライは、日本建築における軒・縁・高欄による立面とは似通わず、立面構成の価値を維持するに至っていないことから、承継価値1を承継するものとは言い難い。
また、現在の京都会館第一ホールが、勾配屋根でかつ先すぼみの形状をしていることから東山連峰の形状と調和しているのに対して、現在の建替案は、巨大な建屋で空と山並みを無遠慮に断ち切ってしまう建造物であって、高さとボリュームのいずれもが巨大であることから、承継価値2ないし4を承継するものとも言い難い。
さらに、景観保全にとって建物の形状・色彩・素材は極めて重要であるところ、後掲○a①③⑤⑩⑪⑫の写真のとおり、現在の建替案に基づいて新築される第一ホール部分の形状・色彩・素材は判然とせず、岡崎地域の風致を損なわないよう精緻な景観シミュレーションを行ったとは認められないことから、承継価値5に述べられたような考察が十分なされたとは言い難い。
  以上のとおり、現在の建替案は、承継価値1ないし5を承継しているとは言い難い。

(3) 京都市眺望景観創生条例適合性について

ア 本件敷地のうち、琵琶湖疏水の疏水境からの水平距離が30メートルの範囲は、京都市眺望景観創生条例に基づく眺望空間保全区域等の指定についての別表により、次のとおり定められている。

【種別】水辺の眺め
【対象地】23-1 琵琶湖疏水
【視点場の位置または範囲】川端通から疏水記念館前までの琵琶湖疏水に架かる橋(秋月橋、熊野橋、徳成橋、冷泉橋、二条橋、慶流橋及び広道橋)
【眺望景観保全地域の区域の種別】近景デザイン保全区域(約16.0ヘクタール)
【眺望景観保全地域の区域の範囲】川端通から疏水記念館までの琵琶湖疏水の疏水界又は当該疏水沿いの道路の境界線からの水平距離が20メートル又は30メートル以内の別図23(後掲⑭)に示す範囲

【基準】1 建築物等は、琵琶湖疏水及びその周辺の樹木、建築物等によって一体的に構成される良好な景観を阻害してはならない。

2 建築物等は、次の各号に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 建築物の屋根は、勾配屋根又は屋上緑化等により良好な屋上の景観に配慮されたものとすること。
(2) 塔屋を設けないこと。
(3) 建築物等の各部は、河川沿いの樹木等や東山の山並みと調和し、良好な水辺の眺めを形成するものとすること。
(4) 建築物等の外壁、屋根等の色彩は、禁止色を用いないこととし、河川沿いの樹木等や東山の山並みとの調和に配慮したものとすること。
(5) 良好な水辺の眺めの保全及び形成に支障となる建築設備、工作物等を設けないこと。

イ 上記基準1及び2(2)について
現在の建替案では、建物西側には開口部がなく、外壁面も垂直に屹立する舞台フライが設置されることになっており、後掲○a①③⑤⑩⑪⑫の写真のとおり、幅35メートル、奥行き23メートル、高さ30メートルにも及ぶ巨大なものである。
現在の建替案における舞台フライは、勾配屋根によって琵琶湖疏水及びその周辺の樹木等と調和していた現状の良好な景観を大きく変えるものであり、その大きさ、形状に照らせば、上記基準2(2)が禁じる「塔屋」に該当する可能性が極めて高いといわざるを得ない。
すなわち、現在の建替案は、上記基準1及び2(2)に適合しない可能性が高い。

ウ 上記基準2(1)について
現在の京都会館第一ホールは、当初よりホール部分の屋根が勾配屋根とされ、最高高さ(27.5メートル)のところが疎水側(西側)地上からは見えにくいように設計されており、圧迫感を感じさせにくい構造となっている。
しかも、庇に近づくにつれて屋根の幅を狭める巧みな設計により、連坦する第二ホールの屋根ともみごとな調和を見せており、京都会館の他の建物及び近隣の建物とも調和が保たれている(後掲○b及び⑥の写真)。
これに対し、現在の建替案は、現状の勾配屋根を陸屋根に変更するものであるうえ、上記イのとおり、高さ30メートルの突出した舞台フライの部分を有する長大な箱形建築物が立ち上がることになり、疎水沿いからの景観は一変する。
もちろん上記基準2(1)は、陸屋根であっても屋上緑化等によって良好な屋上の景観に配慮できる場合もあることを想定している。
しかしながら、現在の建替案は外観上極めて重大な変化をきたすものであることからすれば(後掲○a○b①ないし⑥の写真を比較参照)、現在の建替案は、上記基準2(1)に適合しない可能性が高い。

エ 上記基準2(3)(5)について
現在の建替案における建物西側の建物フライの大部分は、琵琶湖疏水の疏水界からの水平距離が30メートル(ただしどの範囲が該当するかについては、価値検討委員会に提出された建物平面図にも明示されていないことから、詳細は不明である)以内の近景デザイン保全区域内にあるところ、後掲○a○b及び①ないし⑥の写真のとおり、「河川沿いの樹木等や東山の山並みと調和」し「良好な水辺の眺めを形成するもの」であるか疑問がある上、「良好な水辺の眺めの保全及び形成に支障となる」可能性がある。
したがって、本件建替案は、上記基準2(3)(5)に適合しない可能性が高い。

オ 今後の景観政策に与える影響について
上述のように、京都市眺望景観創生条例に基づく眺望空間保全区域等の指定についての別表23-1 琵琶湖疏水についての【基準】1では「建築物等は、琵琶湖疏水及びその周辺の樹木、建築物等によって一体的に構成される良好な景観を阻害してはならない。」とされ、【基準】2の(3)では、「河川沿いの樹木等や東山の山並みと調和し、良好な水辺の眺めを形成するものとすること」、(4)では「河川沿いの樹木等や東山の山並みとの調和に配慮したものとすること。」、(5)では「良好な水辺の眺めの保全及び形成」というように、「良好」や「調和」の概念が基準として多数用いられている。
しかるに、京都市は基本設計の決定にあたっては、上記各基準適合性について自ら重要な先例を示すことになるところ、現在の建替案について上記各基準適合性に関し疑義があることは既に述べたとおりである。
また、後記のとおり、現在の建替案が提示されるまでの市民参加ないし市民意見の聴取は決して十分とはいえない。
とすれば、今後の景観政策に与える影響の大きさに鑑みても、基本設計の決定を含む改修計画にあたり、拙速は厳に慎まなければならない。

(4) 岡崎文化・交流地区地区計画適合性について

ア 岡崎文化・交流地区地区計画においては、本件敷地の建築物等の形態または色彩その他意匠の制限として、「京都会館の近代性と伝統の融合を感じさせる風格と魅力ある建築物と調和すること」と規定されている。

イ そうであれば、京都会館第一ホールを建て替えるにあたっては、第二ホール及び議場その他の従前の京都会館の建築物と調和しなければならない。
別紙補足説明3で述べたとおり、京都会館の近代性と伝統は、建物の水平基調、すなわち「建物全体を中層の建物の高さに収め水平に延びた屋根面から大ホールの屋根、小ホールの舞台フライの部分のみを突出せしめる水平線的な構成」にある。
これに対し、現在の建替案は、後掲写真○aその他から明らかなように、舞台フライが、幅35メートル、奥行き23メートル、高さ30メートルにも及ぶ巨大なものであって、上記水平基調とは異質のものを含む。

ウ したがって、現在の建替案は岡崎文化・交流地区地区計画との適合性にも大きな疑問がある。

 (5) 以上のとおり、現在の建替案には数々の問題点が指摘できるものであって、京都会館の改修に関する基本設計については、価値検討委員会の提言を実現し、京都市眺望景観創生条例及び岡崎文化・交流地区地区計画に適合する内容とするべきである。
6 徹底した市民への情報提供、市民参加と慎重な合意形成の必要性

(1) 市民に対する情報提供

ア 京都市は、価値検討委員会に対して、現在の建替案の内容を説明する資料を提出した。
しかし、その資料には以下のような問題点があり、市民が本件建替案の内容を正しく把握できるものとは言い難い。

イ 第2回価値検討委員会における資料の問題点
価値検討委員会には建築の専門家が多数委員として参加しているにもかかわらず、そこに提供された図面は、建物の平面図、立面図ばかりで、断面図がわずか1面しか示されておらず(後掲⑨参照)、具体的な数値もほとんど示されていない(第2回資料4)。
京都会館の現況に関しては、第1回価値検討委員会で6面の断面図(第1回資料4)が示されているのと比べても、圧倒的に乏しい情報のもとでの検討を余儀なくされており、これでは、いくら専門家といえども現在の建替案の全体像を正確に把握することは困難であり、一般市民であれば尚更である。

ウ 第3回価値検討委員会における資料の問題点
京都市は、第3回価値検討委員会において、現在の建替案の詳細な立面図(第3回資料6)を提出するとともに、模型写真(第3回資料7)を提出した。
しかし、模型写真に写っている模型(後掲⑩⑪⑫参照)は、全体が真っ白で現実にどのような色調になるか判然としない上に、疏水側からの景観に直截大きな影響を与えるとみられるトラックからの荷物の搬入口上の巨大な庇に取り付けられる予定の合計24本のステー(第4回資料3・2枚目と3枚目の立面図。後掲⑦⑧参照)が取り付けられておらず、再現性が不十分である。
模型は本来、建物の実際を容易にイメージできる媒体なのであるから、写真で特定の方向から撮影したものだけを提供するのではなく、精緻に再現した上で、模型そのものを価値検討委員会に提出するとともに、市民にも公開すべきであった。

エ 第4回価値検討委員会における資料の問題点
京都市は、第4回価値検討委員会において、12葉の景観検討写真(第4回資料6)を提出した。
しかし、これら12葉の景観検討写真(後掲○a①③⑤参照)は、前記模型写真同様ステーが描かれていないばかりか、建替えによって従前と景観上変化する部分が半透明に描かれており、これでは実際にどのような外観に変化するのか具体的なイメージを持つことは困難である。
とりわけ、前述のように、京都会館の西側側面付近は、京都市眺望景観創生条例に基づく眺望空間保全区域に指定されており、前記基準1ないし2の適合性が厳正に審査されなければならないところ、前提となる資料としては不十分といわざるを得ない。

オ 以上のとおり、現在の建替案に関して、これまでの市民に対する情報提供は、正確性を欠く不十分なものである。

(2) 市民意見の聴取状況

ア 京都会館は京都市の資産であるが、その建替等の変更については、実質的所有者ともいいうる市民に対し、広く意見を聴取してそれを提案に反映させなければならないのは当然である。
京都市は、従前の再整備検討委員会では、京都会館の改修について、最低限の修復案(A案)も含めて検討していた。
しかし、その後の市民への説明においては、修復案については何ら触れられず、京都会館の建築物としての歴史的、文化的価値や、建替による東山を背景とする景観への影響等についても、ほとんど説明することなく、価値検討委員会発足前に作成された現在の建替案を価値検討委員会に諮るに留まった。

イ また、京都市では、2007年にいわゆる新景観政策を施行し、高さ規制の例外手続は、「特例許可制度」(「京都都市計画(京都国際文化観光都市建設計画)高度地区の計画書の規定による特例許可の手続に関する条例」)によるものとした。
この手続においては、高さ制限を超える建物の建設については、周辺住民に周知させる説明会の開催(7条)や景観審査会への意見聴取(13条)の手続等が義務づけられていることから、今回のように、京都市が単独で建替案を策定することはできなかった。
今回、京都市は、京都会館の建替えのために、地域住民のいない自らの所有地において「地区計画」制度を使って高さ規制を緩和するという手法をとり、住民の意見に耳を傾けることもなく、また景観の観点から景観審査会の検証を受ける機会をも自ら放棄してしまった。
特例許可制度利用を敢えて避けたともいうべきこの京都市の対応は、市民に対する背信ともいうべき所為であり、厳しく反省されなければならない。

(3) 慎重な合意形成の必要性

京都市では、琵琶湖疏水の開削によって形成された岡崎地区の優れた景観 を次の世代に継承することを目的として、同地区の文化財保護法に基づく重要文化的景観への選定を目指した調査検討事業を、平成22年度から実施している。
上述のように、京都会館第一ホールは、東山一帯に囲まれた平面的な岡崎公園と、その水平的な性格を象徴するが如き疏水の流れ、それに既存の建物、公会堂、勧業館、美術館等の中層建物の高さなどを考慮して、建物全体を中層の建物の高さに収め水平に延びた屋根面から大ホールの屋根、小ホールの舞台フライの部分のみを突出せしめる水平線的な構成をとられており、これによって、永きに亘って岡崎地区の優れた景観を形成してきたことは、疑う余地がない。
そうであるとすると、京都市が拙速に現在の建替案どおりの改修計画を断行することは、岡崎地区を文化財保護法に基づく重要文化的景観に選定することとも整合せず、自己矛盾の行動であるとの誹りを免れない。
京都市は既に本年4月1日から京都会館の市民の利用を中止しており、基本計画の決定を経て、近く京都市議会で京都会館の解体工事に伴う予算の議決を受け、同工事への着手を計画している。しかしながら、京都会館の景観は失われてしまえば二度と戻らない。ましてや、京都会館と岡崎疏水の景観は、市民・国民の共有財産であり、これを、行政自らが破壊することに拙速であることは、厳につつしむべきである。
とすれば尚更京都市は、拙速に現在の建替案どおりの改修計画を断行するのではなく、徹底した住民・市民参加と建築・景観・都市計画・法律等各分野の専門家の関与のもとに、慎重に合意形成を図るべきである。


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by 2011-kyoto | 2012-05-17 00:00 | 2012/05
2012-05-11 京都会館建て替え問題おさらい年表vol2を作成しました!
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1955 年
市民会館の建設を願う市民により署名と寄付金が集められる
                                      
1960 年
京都会館竣工

こまめな手入れもあまり実施されずに、それから約50 年の歳月がたち、
さすがに老朽化は否めず、再整備構想が持ち上がりました。

2006 年12 月
京都会館再整備の基本的な方向性に関する意見書-京都会館再整備検討委員会
A 案: 建物内部の改修,B 案: 一部増築を伴う改修,C 案: 全面建替え
〇A 案もしくはB 案で検討(予算検討規模35 億円-60 億円)

2010 年12 月
京都に最大級オペラ劇場2000 席規模、100 億円を計画市が正式発表
(日本経済新聞2010/12/24)

〇「改修」計画ということで市民意見を募集

2011 年2 月
京都会館命名権、ロームに公募せず売却、市会委紛糾(京都新聞2011/02/08)
〇議会でも大問題となる

2011 年5 月
京都会館「建て替え有力」-( 読売新聞2011/05/24)
「改修」案がいつのまにか「建て替え」案へ変更されて発表

2011 年6 月
京都会館再整備基本計画策定
【改修案A】第1ホールの一部を増築し、他は全面改修(概算建設費用= 約92 億円)
【改修案B】第1ホールを建て替え、他は全面改修(概算建設費用= 約89 億円)
改修案B( 建て替え案) に決定

京都会館の建て替え、京都市が高さ制限緩和の方針
(京都新聞2011/06/23)
〇京都会館のある岡崎地区を特別用途地区に制定、高さ制限を緩和する方向へ検討すると発表

2011 年9 月
京都会館命名権売却市、ロームと正式契約

2012 年1 月
都市計画審議会で市は新景観条例により制限されている高さ制限の撤廃を予定

2012 年4 月
京都会館工事のため閉館
京都会館整備 総工費110億円 京都市、想定上回る-「京都新聞」


■京都会館建て替え問題おさらい年表vol2を作成しました!

2012-02-02 京都会館建て替え問題おさらい年表-「展覧会 京都市長選挙」
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by 2011-kyoto | 2012-05-11 00:00 | 2012/05
2012-05-07 京都会館整備 総工費110億円 京都市、想定上回る-「京都新聞」
京都会館整備 総工費110億円 京都市、想定上回る

京都市が2015年度内の開館を目指す京都会館(左京区)の再整備計画で、総工費が約110億円に上る見通しであることが7日分かった。市は第1ホール建て替えと第2ホール、会議棟の改修に向けて4月から会館を閉鎖し、基本設計の策定を急いでいる。

 策定中の基本設計の骨子では、現在3階建て(高さ27・5メートル)の第1ホールを地上5階(高さ30~31メートル)地下2階に建て替える。世界水準の総合舞台芸術が上演できるよう舞台の奥行きと高さを大幅に広げ、2千席以上の客席を維持する。

 また第1、第2ホールの舞台の高さをそろえて機材が搬入しやすいよう改善するほか、屋内で開場待ちできる空間として両ホールと会議棟をつなぐ共通ロビーも新たに設ける。第1ホール地下2階にはリハーサル室の機能を備えた多目的スタジオも設置する。

 市は建物の歴史的価値を継承するよう求めた専門家委員会の提言などを踏まえて基本設計を検討しており、総工費は当初想定していた約93億円をやや上回る見込み。建設期間は13年度から3年間を予定しており、市は本年度一般会計補正予算案で総工費約110億円の債務負担行為を設定した。

 市は今月中に基本設計を決定し、年内に実施設計と建設を担う事業者選定を行い、第1ホールの解体工事に着手する方針。
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■京都会館整備 総工費110億円 京都市、想定上回る-「京都新聞」

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by 2011-kyoto | 2012-05-08 10:02 | 2012/05
2012-04-27 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会提言について-「京都市情報館」
京都会館の建物価値継承に係る検討委員会提言について
[2012年4月27日]

 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会の計5回の会議における議論を経て,「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会提言」が取りまとめられたものです。
委員会提言はこちらです。

pdf京都会館の建物価値継承に係る検討委員会提言(ファイル名:teigen.pdf サイズ:120.03 キロバイト)

文化市民局文化芸術都市推進室文化芸術企画課
住所: 〒604-8006 京都市中京区河原町通御池下る下丸屋町394番地 Y・J・Kビル2階
電話: 075-366-0033 ファックス: 075-213-3181


平成24 年4 月23 日

京都会館の建物価値継承に係る検討委員会提言

日本を代表する建築家である前川國男の設計によって昭和35 年に造られた京都会館は、京都・岡崎地域に建ち、戦後のモダニズム建築の傑作である。この建築は日本建築学会賞等、数々の賞の受賞が示すように、専門的に高い評価を与えられているだけではなく広く市民に愛されて今日に至った。

一方で、築後50 数年を経たこの建築は、各所で老朽化が進んでいるだけでなく、会館としての機能が、今日求められるものと大きく隔たったものとなっていることは、誰の目に見ても明らかなものとなった。これまで市民に愛されてきた建物を、これからも長く愛されるようなものとして保つためには、必要にして適切な手入れを持続していかなければならない。

本委員会は、歴史的建築として評価を得ている京都会館の改修において、京都市が作成した再整備基本計画を前提としながら、その中で建物価値をどのように継承していくのか、建築や舞台技術の専門家、地元の代表者により検討する委員会として、京都市により組織されたものである。計5回の委員会で、目下作成中の基本設計案(平成24 年5 月完成予定)も参考としながら検証を重ねた。その議論は、外観デザインはもとより、中庭を中心とした空間構成、またそれらの構成要素である各部材・素材に至るまで、時には、京都市の新
景観制度のあり方にも及んだ。京都会館に造詣の深い各委員の熱い思いによる、公開の場で行われた大変有意義で真摯な議論であった。

議論から導かれた提言については以下に示すとおりであるが、提言が実現された暁には、機能向上を図りつつ建物価値を継承するという近代建築再整備の観点に立って、近代建築を保存・継承する新たな道筋をつけることができると確信する。

1.基本的な考え方

歴史的な建築の価値を保存しながら、一方で現状では不十分となった機能を加えるという改修となるために、保存と改変のバランスを考えることが必要となる。京都市が提起した「岡崎地域活性化ビジョン」などにしたがえば、確かに京都会館の機能改修は重要である。しかし一方で、同ビジョンにもあるように、岡崎地域は景観上重要な位置づけをもつ地域であり、本年3月には「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(歴まち法)」の重点区域に指定されるとともに、「文化的景観」の指定も計画されるなど、京都会館の歴史的な建物価値はますます重視されることになるのは明らかである。したがって、機能の向上や利便性から計画される改修であっても、それが歴史的な建物価値を損なうことのないよう取り組まなければならない。

2.空間構成の継承

ピロティによって中庭に導く「開かれた公共空間」の特質を守ること。
中庭から第1ホールのホワイエを透過して冷泉通りまで見通せる空間の流動性を保つこと。
ホワイエ、ロビー空間を拡充しようとする際には、現建物の持つ全体の空間構成や外観意匠の価値を十分に尊重して行うべきである。

3.外観意匠の継承

現・京都会館の外観意匠における特質は日本の建築的伝統との近さである。この印象は、大庇・手すり・バルコニーによって形成される立面が、日本建築における軒・縁・高欄による立面と似通うことから与えられる。こうした立面構成の価値を維持継承できるようにしなければならない。
現・京都会館の上記の特質をとりわけ明瞭に感じさせる中庭に面した外観については、特にこのことが求められる。
サッシ割りなど細部の形状について可能なかぎり原型を保つこと。
第二ホールのホワイエはガラス面を透過して外観と一体化している部分であるから、その空間構成の継承に対しては十分な配慮を払うこと。陶壁画についてもその芸術性に敬意を払いつつ、継承に努めること。
第一ホールのフライタワーの形姿については、大庇で表現された大屋根の下に諸々の空間を抱込み、大屋根の上のマスは空や山並みに融け込むという原設計の外観意匠の全体的統一性の上からも十分な配慮を払うこと。

4.景観構成要素としての意義の継承

フライタワーの高さ・形状については、岡崎地域、ひいては東山山麓の風致を損なわないよう最大限の配慮を払い、現在、進められている重要文化的景観の調査検討および歴史的風致維持向上計画の策定との整合に留意しつつ、十分な検証をおこなうこと。
景観シミュレーションを見ても、舞台内高さ 27mを確保した基本設計案のフライタワーが周辺の風致に与える影響に配慮することが必要であることは明らかである。いかにフライタワーの高さとボリュームを抑えていくかがデザインの要であり、慎重なデザイン処理を行うべきである。
新築される第一ホール部分の形状・色彩・素材についても、岡崎地域の風致を損なわないよう精緻な景観シミュレーションを行うなど最大限の配慮を払うこと。

5.材料の継承

既存の建築構成要素は、後補部分を除き保存・再利用する。京都会館の建物価値の本質とも言える外観にかかわる部位については、とりわけ慎重な保存・再利用が求められるが、内部の構成要素も、できる限り保存・再利用をすべきである。
再利用が困難な場合は、できる限り同一素材・同一形状での復原をおこなうこと。

6. 京都会館の建物価値を最大限継承するための対応

本検討委員会で議論し、確認した京都会館の建物価値を最大限生かした再整備となるよう、再整備基本計画では言及されていない空間利用についても積極的に検討するなど、再整備基本計画を幅広く解釈して柔軟に運用することが必要である。


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■京都会館の建物価値継承に係る検討委員会提言について-「京都市情報館」

2012-03-28 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会提言(案)


■京都会館の建物価値継承に係る検討委員会関連記事
京都会館の建物価値継承に係る検討委員会-「京都市情報館」
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by 2011-kyoto | 2012-04-27 00:00 | 2012/04
2012-03-27 京都会館第1ホールの建替えに関する意見書-「京都会館の建替え問題を考える弁護士一同」
京都会館第1ホールの建替えに関する意見書-「京都会館の建替え問題を考える弁護士一同」

3月27日(火)京都市に下記意見書が提出されました。

京都市長 門 川 大 作 殿

平成24年3月23日

京都会館第1ホールの建替えに関する意見

京都会館の建替え問題を考える弁護士一同(有志)

京都市は、平成23年秋、「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」(以下「価値検討委員会」という。)を立ち上げ、10月4日に第1回の会合が開かれた。そして京都市は、価値検討委員会に対し、第1ホールについては建替えるべしとして、建替案(以下「本件建替案」という。)を提出した。
そして、本年3月6日の第4回の会合が開催され、その中でようやく本件建替案についての景観検討写真を委員会に提出したが、これにより、本件建替案には、重大な法的問題点が存することが明らかになった。
そこで我々は、本件改築案について、以下のとおり意見を述べる。

意見の趣旨

1 京都市が、「京都会館の建物価値継承に係る検討委員会」(以下「価値検討委員会」という。)に提出している京都会館の改修案のうち、第1ホールの建替案(以下「本件建替案」という。)については、以下の理由により、撤回すべきである。

(1) 本件建替案は、京都市眺望景観創生条例に違反する。

(2) 本件建替案は、岡崎文化・交流地区地区計画に適合しない。

(3) 本件建替案は、市民に向けられた説明が極めて不十分であるうえ、市民意見の聴取がほとんどなされていない。

2 京都市は、岡崎公園地区特別修景地域内の琵琶湖疏水右岸についても、景観地区として、岸辺型美観地区(一般地区)に指定すべきである。

3 京都市は、京都会館の解体工事に着手することなく、音響効果の改善等についての保全的改修を行った上で、市民の利用を速やかに再開すべきである。
そのうえで、長期的な改修計画について、徹底した住民・市民参加と建築・景観・都市計画・法律等各分野の専門家の関与のもとに、慎重に合意形成を図るべきである。

意見の理由 

〇見出しと主な項目のみ抜粋して記載しています、詳細はこちらをご覧ください
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1 京都会館の立地の法的状況
(1) 京都会館の立地(以下「本件敷地」という。)の用途地域は、第二種住居地域であり、容積率200%、建ぺい率60%であって、15mの高度地区に指定されている。1
また、平成24年2月1日に計画決定された岡崎文化・交流地区地区計画区域内にある。この地区計画により、本件敷地部分は、建築物の高さの最高限度を31メートルとするように変更された。2
(2) 本件敷地の景観保全に関しては、風致地区第5種地域であり、本年2月1日に規定された「岡崎公園地区特別修景地域」に指定されている。3
(3) 本件敷地の眺望景観の保全については、琵琶湖疏水の疏水界からの水平距離が30メートルの範囲は「近景デザイン保全区域」それ以外は「遠景デザイン保全区域」に指定されている(資料⑭)。4


2 本件建替案の京都市眺望景観創生条例に対する適合性について

(1) 本件敷地のうち、琵琶湖疏水の疏水境からの水平距離が30メートルの範囲は、京都市眺望景観創生条例に基づく眺望空間保全区域等の指定についての別表により、次のとおり定められている。5

(2) 本件建替案は以下のとおり、上記条例に違反する。
   ア 上記基準1及び2(2)違反
   イ 上記基準2(1)違反
   ウ 上記基準2(3)(5)違反

(3) 上記基準1違反(良好な景観の阻害)について、以下のとおり補足する
   ア 「良好な景観」とは何か
   イ 以上のことから明らかなとおり、「良好な景観」とは、個々人の嗜好を超えた客観的な価値であるそして、その価値を判断するにあたっては、問題となる建物が存在する地域における土地建物利用の実態としての地域的特性といかに調和しているかを検討することが決定的に重要である。
   ウ 前川國男の京都会館の設計
   エ したがって、本件建替案は、琵琶湖疏水及びその周辺の樹木、建築物等によって一体的に構成される良好な景観を阻害することが明らかであるから、上記基準1に違反する。

(4) 今後の景観政策に与える影響が無視し得ないこと

3 本件建替案の岡崎文化・交流地区地区計画に対する適合性について

(1) 岡崎文化・交流地区地区計画においては、本件敷地の建築物等の形態または色彩その他意匠の制限として、「京都会館の近代性と伝統の融合を感じさせる風格と魅力ある建築物と調和すること」と規定されている。

(2) そうであれば、京都会館第1ホールを建て替えるにあたっては、第2ホールおよび議場その他の従前の京都会館の建築物と調和しなければならない。

(3) したがって、本件建替案は、岡崎文化・交流地区地区計画に適合しない。

4 本件建替案の市民に対する情報提供ならびに市民意見の聴取状況

(1) 本件建替案の市民に対する情報提供
   ア 京都市は、価値検討委員会に対して、本件建替案の内容を説明する資料を提出している。6しかし、その資料には以下のような問題点があり、市民が本件建替案の内容を正しく把握できるものとは到底言えない。
   イ 第2回価値検討委員会における資料の問題点
   ウ 第3回価値検討委員会における資料の問題点
   エ 第4回価値検討委員会における資料の問題点
   オ 以上のとおり、本件建替案の市民に対する情報提供は、正確性を欠く極めて不十分なものと断ぜざるを得ない。

(2) 市民意見の聴取状況
   ア 京都市は、従前の再整備検討委員会において、京都会館の改修について、最低限の修復案(A 案)も含めて検討していた。
しかし、その後の市民への説明においては、修復案については何らふれられておらず、京都会館の建築物としての歴史的、文化的価値や、建て替えによる東山を背景とする景観への影響等についても、ほとんど説明しないまま、本件建替案を価値検討委員会に諮っている。
   イ また、京都市では、2007 年に新景観政策を施行し、高さ規制の例外手続は、かなり厳格な「特例許可制度」(「京都都市計画(京都国際文化観光都市建設計画)高度地区の計画書の規定による特例許可の手続に関する条例」)によるものとした。
この手続がとられていれば、高さ制限を超える建築物については、周辺住民に周知させる説明会の開催(7条)や景観審査会への意見聴取(13条)の手続等が義務づけられていることから、今回のように、市が単独で建替案を策定することはできないところであった。
にもかかわらず、京都市は、京都会館建て替えのために、地域住民のいない自らの所有地において「地区計画」制度を使って高さ規制を緩和してしまったために、住民の意見を十分に聞くこともなく、また景観の観点から景観審査会の検証を受ける機会をも自ら放棄してしまった。
   ウ いうまでもなく、京都市の資産は、京都市民の共有(総有)財産である。したがって、その変更については、本来、実質的所有者である市民に対し、広く意見を聴取してそれを提案に反映させなければならない。
しかもそれが、市民会館という市民が直接利用する施設であれば尚更であろう。
しかも、京都市は、市民意見を慎重に聞き、第三者で組織する審査会の審査を経ることとする特例許可制度を自ら策定しておきながら、結果的に市民意見を聴取する義務を負わない(自らの所有地における)「地区
計画」という、およそ「地区」計画というに値しない手段を用いて建替案を合法化する方途を選択した。このことは、市民に対する背信ともいうべき所為であり、厳しく反省されなければならない。

5 以上のとおり、本件建替案は、(1)京都市眺望景観創生条例に違反することが明らかであるとともに、(2)岡崎文化・交流地区地区計画に適合せず、(3)市民に向けられた説明が極めて不十分であるうえ、市民意見の聴取がほとんどなされておらず、手続的にも極めて問題が大きいことから、京都市は、本件建替案を撤回すべきである。

6 景観地区の指定について

(1) 岡崎地域を流れる琵琶湖疏水については、基本的にその両岸が景観地区のうち岸辺型美観地区に指定されている(後掲⑬の水色部分参照)。7そして、岸辺型美観地区に指定されると、建築物等のデザイン基準が適用される。同基準は、「形態意匠の制限に係る共通の基準」と「別表」に定められる地区ごとの基準の2つの基準によって形態等が制限される。

(2) 岸辺型美観地区において、高層建築物(高さが15mを超えるもの)を建築する場合には、以下のとおりのデザイン基準が適用される。8

(3) ところで、岸辺の美観は、基本的に両岸について同様の規制をなすことにより実現される。このことは、琵琶湖疏水について基本的に両岸が指定されていること、琵琶湖疏水から分流する白川についても両岸が指定(歴史的町並み地区型)されていることからも明らかである(後掲⑬参照)。これに対し、岡崎公園地区特別修景地域内の琵琶湖疏水右岸についてのみ岸辺型美観地区の指定がなされていないのは、いかにも不合理である。
察するに、景観地区の変更をなした際に、すでに京都市勧業館、国立近代美術館があったことから、これに配慮して指定をしなかったものと思われるが、それは正しい選択ではない。
景観の保全には、長い時間を要する。いわゆる「既存不適格」の出現を恐れて規制を現状にあわせると、いつまでたっても良好な景観は実現しない。
京都市は、市の中心部田の字地区において、「既存不適格」の出現を恐れず、大幅なダウンゾーニングを行った。つまり京都市は、良好な住環境と景観を導くために、市民に対して「既存不適格」の受け入れを求めたのである。これは、英断と評価されてよい。しかし、それと同時に京都市は、市民に対し、自らも「良好な住環境と景観」を積極的に実現すべき責務をより強固に負ったというべきである。
京都には、自らが率先して、良好な景観を実現し、市民に範を垂れる姿勢がなければならない。そうでないと、京都市は「市民には発想の転換を求めながら、自らは何もしない。」と厳しく非難されることになろう。

(4) 以上より、京都市は、岡崎地域の他の区域と同様に、岡崎公園地区特別修景地域内の琵琶湖疏水右岸についても、景観地区として、岸辺型美観地区(一般地区)に指定すべきである。
その上で、本件建替案が、【外壁等】において、「岸辺の風情を維持するため、圧迫感を低減し、水平方向を強調する形態意匠とすること。」とのデザイン基準を満たさないものとして、撤回すべきである。

7 京都会館第1ホールの改修のありかたについて

(1) 京都市は、京都会館第1ホールを改修する目的の一つとして、「世界水準の総合舞台芸術」の上演を掲げる(京都会館再整備基本計画)。また、価値検討委員会における京都市の説明においても、びわ湖ホール等に奪われてしまったオペラ等の公演を呼び戻したいとの意向が散見される(価値検討委員会の各回の摘録)。
しかし、本件建替案は、奥舞台及び袖舞台がない(少なくとも不十分な)ものとなっており、日本で数か所しかない4面舞台を備えたびわ湖ホールに到底及ぶものではない。
ただ翻って、京都会館を規模や舞台機能の面から単純に他と比較し、その点で他と劣るから建て替えてしまおうという発想で本当に正しいのかどうか、今一度冷静かつ慎重に見極めなければならない。

前述のように、京都会館の設計思想には、「東山一帯に囲まれた平面的な岡崎公園と、その水平的性格を象徴するが如き疏水の流れ、それに既存の建物、公会堂、勧業館、美術館等の中層建物の高さなどを考え合わせ」た上でもたらされる「環境との調和」があった。

そうであれば、京都会館第1ホールを改修するにあたって重要な視点は、他のホールとの単純な規模・機能の比較ではなく、「環境との調和」を念頭においた上での「標準的なものをここで造ろうとしているのではなく、
京都会館という特別な建築、その価値継承をきちっと維持するための特別なホールと考えなければいけない」(検討委員会における中川委員の発言)という視点が重要であると思われる。

(2) また、京都市では、琵琶湖疏水の開削によって形成された岡崎地区の優れた景観を次の世代に継承することを目的として、同地区の文化財保護法に基づく重要文化的景観への選定を目指した調査検討事業を、平成22年度から実施している。
上述のように、京都会館第1ホールは、東山一帯に囲まれた平面的な岡崎公園と、その水平的な性格を象徴するが如き疏水の流れ、それに既存の建物、公会堂、勧業館、美術館等の中層建物の高さなどを考慮して、建物全体を中層の建物の高さに収め水平に延びた屋根面から大ホールの屋根、小ホールの舞台フライの部分のみを突出せしめる水平線的な構成をとられており、これによって、永きに亘って岡崎地区の優れた景観を形成してきたことは、疑う余地のないところである。
そうであるとすると、京都市が本件建替案を強行することは、岡崎地区を文化財保護法に基づく重要文化的景観に選定することを阻害する行為といわざるを得ず、自己矛盾の行動であるとの誹りを免れないであろう。

(3) 京都市は既に本年4月1日から京都会館の市民の利用を中止し、本年6月には京都市議会で京都会館の解体工事に伴う予算の議決を受けて、本年9月には解体工事に着手することを計画している。
しかしながら、京都会館の景観は失われてしまえば2度と戻らない。ましてや、京都会館と岡崎疏水の景観は、市民・国民の共有財産であり、これを、行政自らが破壊することに拙速であることは、厳につつしむべきである。
他方、京都会館の利用者、市民からは、音響効果を改善することと、早期の利用再開が強く望まれているところである。
よって、京都市は、京都会館の解体工事に着手することなく、音響効果の改善等についての保全的改修を行った上で、市民の利用を速やかに再開すべきである。
そのうえで、長期的な改修計画について、徹底した住民・市民参加と建築・景観・都市計画・法律等各分野の専門家の関与のもとに、慎重に合意形成を図るべきである。

(4) 本件改築案は、現在価値検討委員会で審議中であるから、京都市は、価値検討委員会の答申を受けて、本件改築案を実施するかどうかを決するのが本来である。
ところが、京都市は、価値検討委員会の答申も出ないままに、すでに京都会館第1ホールの解体予算を市議会に上程しており、価値検討委員会の答申内容の如何に関わらず、第1ホールを解体することをすでに決定していると評価されてもやむを得ないが、これでは、価値検討委員会は単なるお題目、添え物でしかない。

市民意見を慎重に聴取することもなく、委員会答申も形ばかりであっては、京都市は、京都会館の改築について、市民不在で押し切ろうとしていると考えざるを得ない。
このような拙速が、将来に回復しがたい遺恨を残すことは明らかである。
後戻りのできる今、この態度が改められなければならない。

以 上
1 http://www5.city.kyoto.jp/tokeimap/detmap/yoto/kyo050-5-10.htm
2 http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000070/70272/okazaki.pdf
3 http://www5.city.kyoto.jp/tokeimap/detmap/keka/kyo050-5-10.htm
4 http://www5.city.kyoto.jp/tokeimap/detmap/cyob/kyo050-5-10.htm
5 http://www.city.kyoto.jp/somu/bunsyo/REISYS/reiki_honbun/k1021249001.html
6 http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000111189.html
7 http://www5.city.kyoto.jp/tokeimap/detmap/keka/kyo050-5-10.htm
8 http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000056/56458/dezain_kijun.pdf


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■京都会館第1ホールの建替えに関する意見書-「京都会館の建替え問題を考える弁護士一同」
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 京都会館意見書・添付資料(その2).pdf
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■京都会館の建物価値継承に係る検討委員会関連記事
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2012-03-05 京都会館建て替え、ホントにいいの?(京都会館再整備計画の見直しを私たちは求めます)
京都会館建て替え、ホントにいいの?(京都会館再整備計画の見直しを私たちは求めます)

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京都会館建て替え、ホントにいいの?(京都会館再整備計画の見直しを私たちは求めます)
-京都から町と市民の財産である大切な文化財が消えようとしていますー

1.岡崎の景観に多大な影響

当地区は高さ15m制限地区だったのですが、周囲の住民には規制をおしつけたまま、京都市が率先して指定地区のみ高さ制限を解除しました。京都の将来を考え定められた「時を超え光り輝く京都」の精神、新景観政策に多大な影響を及ぼす行為といわざるをえません。
2.建物価値継承に問題あり

日本を代表するモダニズム建築として、ゆくゆくは重要文化財にも指定されるべき、建物価値が高い現京都会館。その大切な条件である、「中庭」と「建物の水平ライン」が今回の改築によって変更されようとしています。中庭にはガラスの共通ロビーが設置され、第1ホールは当地区の高さ制限を解除してまで、高くなります。
そのため前川が京都の景観と市民ホールとしてのありようを考え抜いてつくったといわれる京都会館建物全体のバランスが崩れ、建物価値の継承に危惧の念が抱かれています。
3.やり直しのきく保存再生を

日本ではまだ貴重な文化財としての認識が低い近代建築ですが、国際的には保存再生の基準が考えられ、尊重されています。
1.建物の本質を守る=Authenticity(オーセンティシティ)
2.手を加えるならば、必要最小限にしましょう=Minimum intervention
3.手を加えるとしても、可逆的な手段を考えましょう、もっといい手段が出てきた場合を考えて後世の改変ができるように=Rebersible treatment
 第2回シンポ「京都会館のより良き明日を考える」講演 鈴木博之(2011/12/18)
※当然のことですが、必要なところには修復を加え、よりよい活用をしていくことが大切です。
〇私達は京都会館の将来、京都市の将来を真面目(真摯)に考えているフリーな立場の者たちの集まりあることをご理解ください。
また、私たちは京都会館の改修計画に関して、反対運動をしているわけではなく、当然のことながら適切な改修計画は必要だと感じています。
ところが、発表された内容は本当に京都市民にとって相応しいものかどうか疑問に感じています。
以上の理由で、本当に京都市民にとって京都会館はどうあるべきかをいろんなジャンルの人たちと話し合って、その方向を定めてから基本計画にかかるべきではないかと考えています。 
「京都会館を大切にする会」代表吉村篤一(2011/10/25)

■「景観制度に非常に影響を与える案件」
「京都会館は、第一ホール建替ということになると高さ制限で15メートルが適用されてしまうはずが、31メートルだと、公共施設でこの地域はそういう役割をもっているからよいのだと。いうようなことはですね、市民合意とかそういった話ではなく突然出てきている。」(*)

道家駿太郎 日本建築家協会近畿支部京都会会長
(*) 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会2011年10月4日発言より
■「空間の全体が保存の対象」
「モダニズムの建築は、外観などだけで価値を計ることはできないはずだ。建築家は、表層の形だけではなく、むしろそれにより構成される空間に作品としての価値を見いだそうとしてきたからだ。」(*)

中川理 京都工芸繊維大学工芸科学研究科教授
(*) 建築季評-中川理-「読売新聞」2011年4月4日より 
■「やり直しきく保存再生を」
「京都会館が戦後建築のなかでも傑出した作品であり、やがては重要文化財に指定され得る存在であることを疑う人は建築の世界ではほとんどいない。」 (**)

石田潤一郎 京都工芸繊維大学工芸科学研究科教授
(**)京都会館改修 やり直しきく保存再生を-石田潤一郎-「京都新聞」 2011年6月3日より
■増築予定の共通ロビーについての発言
一番気になるのは、前川の建築を意匠的に継承するということで素材の使い方とか、前回もお話しましたけれども、そういう形の中でガラスということはありえないんです。前川はガラスというものについて脆弱さ、怖さ、あやうささ、そういうものに非常に危惧を感じておりまして、それをガラスで前川の建物につけるというのはいかがなものか(***)
(***)橋本 功 京都会館の建物価値継承に係る検討委員会2011年11月19日発言より
京都会館を大切にする会 HP:http://kyotokenchiku.blogspot.com/ メール:kyotokaikan.taisetu@gmail.com 

京都会館建て替え問題画像資料-ホントにこれでいいの?-「京都会館を大切にする会」
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by 2011-kyoto | 2012-03-05 00:00 | 2012/03