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1994-09-20 神奈川県立図書館・音楽堂の保存問題(建築界の動向と展望)-平良 敬一
 神奈川県で保存問題が起こったのは、神奈川県が、前川国男設計の文化施設を再編して、新たな芸術文化ゾーンを創出しようという再開発構想を打ち出したことに起因する。神奈川県では、1990年9月、21世紀に向けた文化環境づくりの方針として、「かながわ文化施設21世紀構想を策定、そのなかでもその中核として紅葉ケ丘ゾーンが位置づけられ、1993年6月には「紅葉ケ丘文化ゾーン基本構想」ができ上がった。
 そこで問題になるのが、神奈川県立音楽堂のゆくえ。その頃すでに建築界の一部に「神奈川県立音楽堂の歴史的評価に関する報告書」が配布されており、その内容が少しずつ噂となりひろがりはじめた。

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それは音楽堂の保存か取り壊しかを問うもので、保存すべきが1/3で取り壊しも1/3というわけで、全体として取り壊してもよいような結論に読める。驚きが急速にひろがる。

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われわれは一体として保存そして使い続けることを主張していく。そのとき決定的なのは、その歴史的文化的価値の認識を深めてゆくことであろうと思う。

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 世はこれからストックの時代、過去の優れた文化遺産を簡単に壊し、これからは永持ちする建築をつくろうというのでは、話がおかしいではないか。


■神奈川県立図書館・音楽堂の保存問題(建築界の動向と展望)-平良 敬一1994-09-20  建築雑誌. 建築年報 社団法人日本建築学会

■神奈川県立音楽堂HP
by 2011-kyoto | 2001-01-01 00:00 | その他
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