2011-10-10 第1回シンポ「京都会館のより良き明日を考える」声明文採択
京都会館シンポジウム-「京都会館のより良き明日を考える」声明文採択-吉村篤一

緊急シンポジウム:京都会館のより良き明日を考える―京都会館の適切な保存改修のために―
2011年10月10日(月・祝)13:00~16:00  京都会館 第1会議室
  主催 :京都会館を大切にする会京都会館再整備をじっくり考える会

京都会館シンポジウム-「京都会館のより良き明日を考える」声明文採択-吉村篤一(「京都会館を大切にする会」代表)

吉村篤一:建築家.建築環境研究所代表,1940年京都生まれ,1963年京都工芸繊維大学建築学科卒業,坂倉準三建築研究所勤務,1975年建築環境研究所設立,1998-2003奈良女子大学教授.主な公共建築の設計に、京都市岩倉図書館、JR西日本花園駅舎と駅前広場、京都市森林文化交流センター森愛館など.主な受賞に日本建築家協会25年賞など.



シンポ「京都会館のより良き明日を考える」声明文採択-吉村篤一(「京都会館を大切にする会」代表)
http://youtu.be/nqSAzFD-Nu0


「京都会館を大切にする会」声明文
京都会館の適切な保存改修に向けて
                               
2011年10月10日

京都会館は、我が国の近代建築の父といわれる前川国男の設計により建築されたものであり、その建築的価値については日本建築学会DOCOMOMO Japanの要望書にもある通り、我が国の戦後のモダニズム建築を代表する名建築であります。
その空間的特徴は二条通りからピロティーを通して中庭が見え、そこから東山を望むことができます。さらに第1ホールのロビーからその奥まで見通せるという、我が国の伝統建築の特徴である「透けた空間」が現代建築に表現されています。しかも当時としては最新の技術を用いることにより、現代建築として素晴らしい空間が具現化されています。

また、京都の景観的特徴を決定づける東山の眺望をこわさないよう、ホールの高さを和らげるため勾配屋根とし、さらに水平のコンクリート庇や手すりを周囲に巡らせていることも重要な建築的手法と言えるでしょう。そして、その魅力的な空間は現在も時間を超えて、加藤周一など心ある文化人たちも称賛し、岡崎地域のなかで「市民のためのホール」として親しまれています。

ところが、2011年6月に発表された京都会館の再整備計画によると、二条通り側と中庭は部分的に保存されますが、第1ホールの舞台と客席回り及びホワイエが大幅に建替えられ、中庭から第1ホールのロビーへの見通しが消滅しています。また、現在のホールは音楽ホールとして設計されているため、舞台の奥行きや高さが十分でないとの理由で、本格的なオペラが上演できるように舞台の奥行きが広げられ、フライの高さを高くすることにより最高高さが高くなり、景観的にも大きな問題となっています。

このような改修を京都市民が望んでいるのでしょうか。この形になると、京都会館の建築空間の特徴として重要な部分が壊されてしまうことになり、建築的価値が下がることは明らかです。私たちはいま、このような改修が本当に市民にとって適切なものかどうかを問いなおし、検討することが必須であると考えています。
 
 建築を機能的な面や性能面を最優先するのではなく、空間構成の奥底に潜む、時代を超えて生き続ける精神を大切にしなければならないのではないでしょうか。歴史的な名建築が解体されて失われるのは実に残念なことであり、我が国の建築文化の衰退に繋がるのではないかと危惧しています。そのようなことにならないよう、今回の改修計画を白紙に戻し、もう一度原点に立ち返って、「市民のための京都会館」とはどういうものかを議論することが必要であると考えます。

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■吉村篤一+建築環境研究所

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2011-10-10 京都会館シンポジウムのご案内-「京都会館を大切にする会」
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京都会館再整備をじっくり考える会
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by 2011-kyoto | 2011-10-10 00:05 | 2011/10
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