2011-12-09 モダニズム建築の危機 京都会館第一ホール-「朝日新聞」
モダニズム建築の危機 京都会館第一ホール 建て替え「空間の豊かさ・景観が損なわれる」
 建築家の故・前川國男氏が設計した京都会館(京都市左京区)の第1ホールを壊して建て替える計画が進んでいる。完成から半世紀が経ち、管理する京都市は耐震性の問題と舞台設備の充実を理由に挙げるが、「昭和の名建築」の保存・活用を求める声も多い。
 1960年に完成した会館は中庭を囲んで二つのホールと会議場棟が並び、日本建築を思わせる大きなひさしが特徴の鉄筋コンクリート建築。- 美術館が集まる岡崎の琵琶湖疏水沿いという立地に配慮したたたずまいは「戦後モダニズム建築の傑作」と評価が高い。国際的な建築の顕彰団体DOCOM0MO(ドコモモ)から日本のモダニズム建築100選に選ばれている。
 市によると、第1ホール(2015人収容)は舞台上部の天井が低くオペラの巡回公演などではセットの設置に制約がかかるなど、音楽関係者から改善要望があるほか、耐震調査で補強が必要なことが判明したという。
 市は今年6月、第1ホールを壊して建て替え、第2ホール(939人収容)と会議場棟を改修する再整備計画案を決定。第1ホールの増築案も検討したが、建て替える方が3億円安い鈎億円で済むという。9月には建設費を賄うため、50年分の命名権を半導体メーカー・ローム(本社・京都市)に50億円余で売る契約を結んだ。会館は来年3月でいったん閉館になる予定。
 現在の建物は最も高い部分で約27メートルだが、新築後は約30メートルになる。一帯には新築は高さ15メートルまでとする景観規制がかかっており、地区計画などによる規制除外を検討する。
 この計画に批判が噴出した。「建て替えでは建築空間の豊かさが失われるほか、舞台上部を高くすることで疏水沿いに巨大な壁が現れ、岡崎の景観が損なわれる」と、前川氏に師事した京都工芸繊維大の松隈洋教授は計画見直しを訴える。音楽愛好家からは「海外からのオペラ公演は滋賀や兵庫のほか、大阪に建つ新しいホールでできる。京都に呼ぶのは難しい」といった疑問の声も出ている。
 松隈教授らが10月に開いたシンポジウムには約100人が参加。ほかにも、映画監督の山田洋次さんや建築史家の鈴木博之・東大名嘗教授、経済学者の宮本憲一・大阪市立大名替教授らが保存を求める声明を出している。折しも、会館内にある建て替え担当の市文化芸術企画課は、「市民が残したいと思う京都を彩る建物や庭園」を募集し、リスト他することを準備している。リストは民間が所有する建築や庭園のみを対象としているが、これに対して市民からは「名建築を壊そうとする市が、一方で残すべき建築を聞くなんてばかげている」との声も上がっている(神田剛)
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■モダニズム建築の危機 京都会館第一ホール 建て替え「空間の豊かさ・景観が損なわれる」-「朝日新聞」


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by 2011-kyoto | 2011-12-09 00:00 | 2011/12
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