人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2012-03-06 京都会館建物価値継承委員会 第4回会議 傍聴メモ(10) 共通ロビー以外の意見
※京都市の第4回京都会館の建物価値継承に係る検討委員会 摘録が03/27に公開されましたので、下記にあわせて掲載させていただいています。(2012/03/27記)

京都会館建物価値継承委員会 第4回会議 傍聴メモ(10) 共通

(9)のつづき
(敬称略)

橋本委員:

関連してなんですけれども、1階の第1ホールにはいるときに風除室、今、道家委員がいった中庭からエントランスに入って、風除室に入りますね、チケットサービスを受けて、メインは2階にもぎりがあるので階段を伝って、もしくは外から大階段から2階の共通ロビーに入って第1ホールもぎりに入ると、いうことですよね。1階の階段からコの字型の階段を使って2階に上がって第1ホールのいわゆるもぎり台の共通ロビーのホワイエに入るというのが人の流れですよね、ちょっと全然価値と関係ないんですけれども、第1ホールのホワイエに入った部分から上階の客席に行くエレベータが2台、15人乗りが並んでいるんですね。そうするとたとえばバリアフリーとかユニバーサルデザインということを考えれば第1ホールの1階の客席からくる人たちはエレベータは第1ホールの楽屋を伝わって、もしくは正面の15人乗りのエレベータを使って2階の上がると思いきや、この階に降りないとなると1階から2階の共通ロビーに行くエレベータというのはこの階段横のエレベータを使っていくということになるのかなということがちょっと気になりました。

参考図(*)
2012-03-06 京都会館建物価値継承委員会 第4回会議 傍聴メモ(10) 共通ロビー以外の意見_d0226819_19351763.jpg

(*)1階平面検討図案の一部に加筆したもの

逆に帰るときにぱーっと2000人の人がもぎり内のホワイエで2階ロビーへ来て1階へと、ほとんど階段で帰るれども、車椅子とか、2階から1階へ、そんなに固まらないかもしれないけれども、もうちょっとユニバーサルデザインというレベルでの移動手段はないのかなということをちょっと気になりました。ちょっと価値と違うですけれども。具体的にこのプランを見ながら、人が集まった、さあもぎりが始まるよ、演目が終わって帰るよというときに人の動きをこの図面にたらしてみたときの、2000人クラスの人たちが、流れる人の動き、ボリューム感を、ここに合わせてみると、先ほどの待ち時間の問題と絡めて人のボリューム感の動きというものが、2階から1階にいくとき、皆さんは多くは階段で降りられるのかな?でも1階に降りるときには階段を使う、じゃあ第2ホールの下のほうに来てこっちから帰る、共通ロビーのところから帰る、そこにもエレベータがある。そういう分散ができるのかな?ハケと入りの関係がどうなるかなというのがちょっと気になりました。

先ほどのお話しで、今回の事務局から頂いたお話しの中で、他の継承とかで僕の感想を簡単に述べますと、今回資料の4でいろいろ検証していただいたことに関してはすごくありがたい話しだなと思っております。これをもとに全体のプランニングとか、エレベーションとか、大筋、僕がこんなこと大きな声で言っちゃいけないんだけど、いけないこともないんだけど、すごくよくなったホール、こういうホールで演奏会が行われたりすると楽しいホールになりそうな感覚をちょっと正直もっています。率直な意見として。やはりせっかく改修して残していこうとするわけだから、楽しく期待できるような改修計画にならないとつまらないわけで、そういう意味では全体の庇の問題であるとか、欄干の問題であるとか、ちょっと気になるところはあるけれども、全体としての動きというのが非常にまく整理されてまとまってきている印象があります。

 事務局にお願いなのは、資料の4でいろいろお示しいただいた内容が、これはもう確約事項としていわゆる基本設計で、こういう検討をしますということばかりではなくて、実設計においても、よしんばお金があったり、検証で生産性の問題であったり、メーカーの問題とか、いろんなことでなかなか難しい局面を今日は職人がいないとか、材料がないとか、抱えている中で、ぜひそれにめげず、実際に検証をきちっとさせて工事に必ず反映させる、この基本設計で掲げたこういう検討項目は「やる」という前提のもとに検討するんで、メーカーに問い合わせたらこんなのできないよといわれた、だからやめたということが絶対ないように、心してこの基本計画を推進していただきたい、そうであれば、いい方向にまとまるのではないかと思っております。個々の細かいデザインは気になるところは残しつつも、という印象です。

岡崎委員:

共通ロビー以外のご意見はありますか?


道家委員:

二条通り側からの、今の会議場になっているところですね、あそこの1階のところのルーパーをはずしてということでしたが、どの部分が残って、どの部分をはずすのか、ちょっと図面ではわかりにくいのですが。
 エントランスになるところとかですね、無理にはずさなくてもいいのであれば、なるべく残してほしいと。
2012-03-06 京都会館建物価値継承委員会 第4回会議 傍聴メモ(10) 共通ロビー以外の意見_d0226819_18154073.jpg



福島(事務局):

今、道家委員がおっしゃったコンクリートルーパーですけれども資料3の南側立面をちょっとみていただきますと、平面と両方見ていただくとわかるんですけど、10通りから、13通り、この部分に関しては新たににぎわい施設として開口部をやりかえる関係があって、この部分を残すのは難しいという考えがあります。13から14、15通りですけれども、ここは耐震関係で耐震壁を入れる必要がありますので、ここも結果的には壁がはいってしまうということになりますので、今の計画ではルーパーがとれることになっています。10通りから11通りあたりの部分ではいくらか、ルーパーが残せるのではという考えで今のところおります。
2012-03-06 京都会館建物価値継承委員会 第4回会議 傍聴メモ(10) 共通ロビー以外の意見_d0226819_18125979.jpg

それで、さきほど、道家委員がおっしゃった、第1ホール東側の空地部分を広げるという話しで、建物をそれだけ広げられないかというご意見ですけれども、細かい数字はもっていませんけれども、検討資料の中では(建蔽率)40%の中でほぼ39%近い数字が来ていますので、なかなか、そういう部分では難しいと考えております。それと東側に壁を広げるということは、議論いただいている建物の外壁面の位置をしっかり残すということでこれまで議論していただいているので、1階部分だけ外壁をのばすということは委員会としてはどのように判断されるかということはあります。


道家委員:

建蔽率の計算は大庇の先端から1mの範囲までは、、、いま庇が出ているのは4m、、、そうすると3mくらいは建蔽率には関係なく広げられるでしょう?
それとこの東側については外壁面の景観的な問題というのは、ここは全く新しくなってしまうわけですよね。それで上のほうは今でも半地下になっているようなところです。一般の人たちは、ここに美術館があったので、ほとんど景観的に気にすることはできなくて、なじんだ立面ということではない、1階部分はですね。先ほど共通ロビーがこれでもせまいんだという話しがあったので、そういう風に言えば、そういった工夫があってもいいのではと思います。ちょっとだけ張り出す、こちらもガラスの箱を出していますけれども、そうしたほうが使い勝手がいいのではと思います。


岡崎委員:

あとですね、第1ホールの中がどうなっているのか?あるいは第2ホールの中がどういう風に変わってくるか、それから先ほど、陶器製の壁画ですか?ああいうものがどうなるのか、その変の情報は、この委員会には提供されないんですか?


福島(事務局):

この委員会自体の議論していただく内容が外観に関することが中心に考えていますので、資料としては用意していないということになりますが、先ほど、説明の中で、残す第2ホール、会議棟、今の建物の空間の雰囲気はしっかり残すようなことで設計を進めていますので、ただ建築基準法上の問題で、内部を床にする必要があったりとか、そういう部分がございますので、すべてを残すというのは無理ですけれども、できるだけ、今の雰囲気が残るようなことは考えております。
第1ホールに関しては新たに機能をつくりかえますので、そういう部分については香山先生と相談しながら、中のし上げは考えて行きたいと思います。

■京都会館建物価値継承委員会 第4回会議 傍聴メモ(10) 共通ロビー以外の意見

■京都会館の建物価値継承に係る検討委員会関連記事


岡崎甚幸 武庫川女子大学生活環境学部建築学科教授、京都大学名誉教授 委員長に選任
道家駿太郎 社団法人日本建築家協会近畿支部京都会会長
橋本功 前川建築設計事務所所長
福島正俊 建築担当課長 都市計画局公共建築部事務局員




第4回京都会館の建物価値継承に係る検討委員会 摘録より
pdfダウンロード
橋本委員

・ 道家委員の御意見に関連するが,1階の第一ホールに入るとき,風除室に入り,チケットサービスを受け,そのメインは2階にもぎりがあるので,階段下若しくは外部階段から2階の共通ロビーに入って第一ホールのもぎりに来ることになる。
・ 若しくは1階の回り階段から2階に上がり,第一ホールのもぎり前の共通ロビーに入るのが人の流れである。
建物価値とは関係ないと思うが,気になった点として,第一ホールのホワイエに入った部分から上階の客席に向かうエレベーターが2台並んでいる。
・ そうすると,バリアフリーやユニバーサルデザインを考えると,第一ホールの客席に入る1階から来る方たちにとっては,共通ロビー内の階段横にあるエレベーターのみであるというのが少し気になる。
・ 逆に2000人が終演後に帰るとき,もぎり前のホワイエまで来た後は階段でほとんど帰るが,車いすなどの方たちが2階から1階まで帰るときの動線についてユニバーサルデザインの観点に立った移動手段がないのだろうかという点がプランの中で気になった。
・ 価値というものとは少し違うが,具体的にプランを見て,人が集まり,もぎりが始まりそして演目が終わって帰るときの人の動きを図面上で考えたとき,2000人が流れていくボリューム感を図面と照らし合わせてみると,先ほどの議論であった待ち時間との問題と絡め,人のボリューム感とその動きは2階から1階に向かうとき,多くの方は階段を利用されるだろう。
・ ただ,2階の共通ロビーを第二ホールの方まで向かうと,そこにもエレベーターがあるので,客の動線は分散できるが,「入り」と「はけ」の関係がどうなるのか,気になった。
・ 先ほど事務局から説明があったが,今回の他の点に関する継承について,私自身の感想としては,資料4で様々な検証をいただいたことについてはすごくありがたい話だと思っている。
これを基にした全体のプランニングやエレベーションなどは,大筋ですごく良くなった。
こういうホールで演奏会や演目が行われると楽しいホールになりそうだと,率直な意見として感じている。
・ せっかく改修をし,いいものを残していこうとしているので,楽しく,期待できるような改修計画でないとつまらないので,そういう意味では全体の庇の問題や欄干の問題など細かい点はあるが,全体としての動きは非常にうまく整理され,まとまってきているという印象がある。
・ 事務局にお願いしたいのは,資料4で示された内容が,確約事項として基本設計で検討すると記されているだけでなく,実施設計の段階で,予算や生産性やメーカーの問題,職人がいないこと,材料がないといったことがあるかもしれないが,実際にこの検証をきっちりと行い,工事に必ず反映させ,基本設計で掲げたこの検討項目は実現させることを前提にしているものなので,メーカーに問い合わせるとできなかったとならないように,この基本設計を推進していただきたい。
・ そうすると,いい方向にまとまるのではないかと思う。細かい部分などは残しつつも,いい方向にまとまるのではないかと思う。


道家委員

・ 二条通側のルーバーを外すとあったが,どの部分を外し,どの部分を継承するのか図面上ではよく分からない。
エントランスになるところや,レストランとなるところは中から見えることが大事ということなのだろうが,無理に外さなくていいのであれば,できる限りで残していただきたいと思う。


事務局(福島都市計画局公共建築部企画設計課建築担当課長)

・ コンクリートルーバーについては資料3の南側立面図を見ていただきたい。
⑩通から⑬通の部分に関しては賑わい施設に必要な開口部(出入口)が必要になるので,この部分のルーバーを残すのは難しい。
・ ⑬通から⑮通に関しては,耐震壁との関係があるためルーバーを取ることとしているが,⑩通から⑪通の一部ではいくらかルーバーが残せることもあり得るのではないかと思う。
・ また,第一ホールの空地部分を室内化するという点については,街区建ぺい率40%に対して39%近くになっており,拡大は難しいことと,外壁ラインをしっかりと継承していく点はこれまでの委員会でも議論されているところでもあるので,その点を委員会としてどう判断されるかという検討が必要かと思う。


道家委員

・ 建ぺい率は庇の先端から1メートルのところでカウントされるものなので,今,庇は4メートル程度出ているので3メートル程度は東に広げられるのではないか。
また,東側部分の景観については新しくなるところで,いまでも半地下のようになっているところである。
・ 景観的に一般的に考えて,この1階部分は問題ないのではないかと思うし,なじんだ立面ということではないので,その辺りは共通ロビーが今のプランでも狭いということでもあったので,ここを広げるということを考えると使い勝手での利便性は高まるのではないかと考えたものである。


岡﨑委員長

・ 第一ホールの内部がどういったものになるのか,また第二ホールの内部がどのように変わってくるのか,先ほど説明にあった,陶板の壁画がどういったものになるのか,その辺りについての情報は委員会には提供されないのか。


事務局(福島都市計画局公共建築部企画設計課建築担当課長)

・ この委員会で議論していただくことの目的は外観に関して議論していただくことになるので,資料としては用意していない。
残す部分は会議棟と第二ホールについて,今の建物の空間の雰囲気はしっかりと残していけるよう設計を進めているが,建築基準法上の関係で内部を不燃化する必要があるためですべてを残すことは不可能であるが,できる限りのことはしていきたいと考えている。
・ 第一ホールに関しては新たに作り替えるので,香山先生と相談しながら仕上げを考えていきたいが,内部の資料については委員会の資料としての提出は考えていない。

by 2011-kyoto | 2012-03-06 00:10 | 2012/03
<< 2012-03-06 京都会館... 2012-03-06 京都会館... >>