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2012-03-28 京都会館建物価値継承委員会 第5回会議 傍聴メモ(6) 提言案について、委員会総括
京都会館建物価値継承委員会 第5回会議 傍聴メモ(6) 提言案について、委員会総括

※京都市の第5回京都会館の建物価値継承に係る検討委員会 摘録が04/24に公開されましたので、下記にあわせて掲載させていただいています。(2012/04/26記)


(5)のつづき
敬称略

道家委員:

今の基本的な考え方、最終的にはやはり香山先生がフライタワーとか細部について、香山先生に相当知恵を絞っていただいているので、建築家として当然の責務をしていただいているということかもしれませんが、これが基本設計という形で終わってですね、あとは建築家が最後までかかわってつらぬけるような仕組みをつくってほしい。

中川委員:

提言、よいなと思うんですけれども、そもそもこの委員会と基本設計という、順序が少しおかしくなっている、これは異常な事態であるわけです。まずそのことを確認しなくてはいけないと思います。もともとはこの委員会でこういう提言を出して、それをもとに設計を進められるという順序をたどるべきなのが、同時にそれが行われていたということ。

したがって、進んでいる基本設計を我々がそれを見ながら、まだ未完成のものを一つ一つとりあげて、ここがおかしいとか、こうするべきだというような話しをしてしまったんですが、本来、少しおかしな話なんですね、私が望みたいのは検討委員会の提言を出しますので、ぜひともこの提言にあることをもう一度確認していただいて、ぜひとも基本設計を進めていただきたいと。

特にこの中でいくつか出てた、先ほどから話題になっています、共通ロビーの話しですが、共通ロビーという文言はここに入っていません、これは当然です。共通ロビーは京都市がお考えになった再整備基本計画にはない、書いていません。基本設計のところから出てきていない。ですから、そのことも含めてもう一度、いちから戻ってですね検討委員会のご提言というものに沿っているかどうかの検証をぜひしていただきたいと、そういう風に考えています。その共通ロビーの話しもですね、外観意匠の継承ということでわりと強く提言しておりますので、そのことも振り返って検証していただきたい。

それからあとたとえば壁画の話しですね。これも今日、橋本委員のほうから報告がありましたが、確かにフランソワーズ・ショオエが誉めていたというのは、私も全く同感で、京都会館のもっている荒々しさのようなものを中和するような本当に意義が高い壁画だと思いますし、あれをですからどういう形で残していくかということはぜひ検討していただきたいです。前回までの議論の中ではなかったですが、これはぜひ考えていただきたい。

それから、一番重要なのは高さの問題で、そこにもありますように、景観のシュミレーションから見てですね、高さの異様さというのは誰が見てもかなり圧迫感を感じさせるというのは確かです。
このことは6番の「再整備基本計画を柔軟に解釈し」てというところにつながると思いますが。たとえば地下空間、委員長が言いましたように地下空間にもどすとか、いろんなことを考えて高さを押さえる方向というのがあるはずではないかと、我々としては高さを見ていますので、1mでも低くという努力をですね、していただきたいということを京都市と設計者のほうで検討していただきたいです。

 だから、順序が逆というか、少しおかしなことになってますけれども、この検討の提言が出たわけですから、この提言にしたがって設計案をもう一度検討するということをぜひやっていただきたいと思います。

橋本委員:

中川委員の意見というのは非常に基本的なことだと思います。一方では、残念ながらそういう風にならない、すなわち検討委員会の検討があって、基本計画に盛り込まれて基本設計がすすめられるという状態ではない環境の中で、たとえば香山先生のところで現状を考えながら、案を出していただいた、たまたま、この価値継承委員会と基本設計が同時進行であるという中で、あたかも検討委員会が香山先生のデザインを材料にしながらたたいているような印象が確かにあったかもしれませんが。それは、この検討委員会の本意ではなくて本来京都会館の価値継承をどう伝えるかということをまとめるという、委員会としてのひとつの提言というものは重く受け止めていただいたいと思います。

一方ではですね、道家委員の発言にもちょっとからんでいるのですが、私としては建築家の職能制という側面から考慮すると、香山先生が進めてきた内容等について全くこれを提言からゼロからはじめるということではないと思っておりますので、ぜひ基本設計のまとめにあたっては提言に対して、いち建築家として、香山先生の見識をもってこういう風に私は解釈したという一つの理念。当然ながらどんな建築家もひとつの考え方歴史観、デザインの方法論というものをもっているわけです。それはいい悪いの問題ではないと思います。そういう立場から、提言、今回の提言をもとにゼロから始めるということではちょっと香山先生に対してはすごく失礼な気がしているので、やはり香山先生としては提言に対して、基本設計の考えとしてこれを踏まえてわたしはこういう解釈に基づいてこういうデザインにしたんだと、アピールしていただきたいです。それ自身が市の方が、いち建築家としての香山先生をプロポーザルとして選んだ理由だと思いますので、ぜひ選んだ以上は提言も大事、香山先生も建築家としての立場もこれは尊重されなくてはいけない立場だと、僕自身も建築家として思っております。そういうトータリティーな論議の中で京都市には対応していただきたい。

同時に実施設計、クオリティにあたっても一連の考え方がやはり最終的にどうあったか、どう確認できるかというところまで、私自身もお願いなんですが、最後まで面倒みていただきたいと、道筋を京都市はぜひ用意すべきだと。それが歴史の大きな流れの中で、今回の京都の改修にあたって、真摯に行われた、検討と基本設計にどう反映され、またどうそれが反映されたか、我々は見守っていかなくてはいけない義務があると、委員会の一人としては思っておりますので、ぜひともそういう形で今後の展開をお願いしたいなと思っております。検討委員会の提言としては全くこれは真摯に行われたふさわしい提言だと思いますので、私自身も岡崎委員長と副委員長によくまとめていただいたと。

岡崎委員:

どうもありがとうございました。本委員会は京都市民に長年にわたって親しまれ、また建築の歴史的価値として高い評価を得ている京都会館の再整備において京都会館の建物価値を継承することができるように検討するために設置されました。委員のみなさまのご協力によりこの難問に対して、大変真摯で有意義な議論がなされたと思います。委員の皆様に深く感謝いたします。今後、京都市におかれましては本委員会の提言を踏まえて基本設計に携わる香山先生といっそう連携し、京都会館の建物価値をしっかり継承した基本設計となるよう5月末までの残された期間、全勢力を傾けられることを希望いたします。また期待しております。

平竹(事務局):

熱心にご議論いただきましてありがとうございました。

非常に短期間でもございましたし、お忙しい先生方ばかりでしたので、本当にたとえば会議ひとつにとりましても、すべての先生方にできるだけ集まっていただけるようにということで、本日でも夕方遅くからの開始ということになっております。そういったことにも関わらず本当に足繁くこの会に出ていただいて本当に忌憚のないご議論をしていただいたことに心から御礼を申し上げたいと思います。

 とりわけ岡崎委員長、石田副委員長のお二人におかれましては、議論がいろんな観点からされるという非常に難しい会議だったにも関わらず、先ほどから何人もの委員の方からも高く評価をされた提言案という形でこの委員会を閉めていただいて、誠に私共としてはありがたく思っておりますし、またその内容につきましては先ほど橋本委員からもございましたけれども大変重いものであるという風に受けとめておりますので、これから設計の受託者であります香山先生とともにこの提言について消化をしてですね、より生かしていけるようにしてまいりたいと思っております。

本当にまたこの委員会につきましては非常に熱心に毎回傍聴に来ていただいた方もいらっしゃいまして、たくさんの方に傍聴に来ていただき、そういった意味でも本当に京都会館についてはいろんな思い入れのある方がたくさんいらっしゃるんだなということを私も改めて知る機会となりましたので、それぞれの方々の気持ちに応えられるようなすばらしい再整備の運営をしてまいりたいと考えております。本当にどうもありがとうございました。


◯(事務局):

それでは当委員会ですけれども、本日をもちまして終了とさせていただきます。
本当にありがとうございました。


委員会終了

岡崎甚幸 武庫川女子大学生活環境学部建築学科教授、京都大学名誉教授 委員長に選任
道家駿太郎 社団法人日本建築家協会近畿支部京都会会長
中川理 京都工芸繊維大学工芸科学研究科教授(日本建築学会推薦)
橋本功 前川建築設計事務所所長
平竹耕三 文化芸術担当局長 文化市民局

■京都会館建物価値継承委員会 第5回会議 傍聴メモ(6) 提言案について、委員会総括

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2011-06-24 「京都会館再整備基本計画」の策定について-「京都市情報館」




第5回京都会館の建物価値継承に係る検討委員会 摘録より
pdfダウンロード

道家委員
・ 今の提言案に加え,最終的な意匠の考え方については,フライタワーをはじめ,香山先生にデザイン能力を発揮していただくことになる。
これが基本設計だけで終わってしまうのではなく,建築家が最後までデザインに責任を持って取り組んでいただけるような仕組みについて考えていただきたい。

中川委員
・ そもそもこの委員会の開催と基本設計は順序が違うのではないかと思う。
本来は,この委員会で提言を出し,それに基づいて基本設計が進められるべきであるが,並行して基本設計が進められている。
・ したがって,進められている基本設計を検討委員会の委員が見ながら未完成なものを取り上げて意見を述べているが,これは本来少しおかしな話だと思う。
私が望むのは,この委員会から提言を出すので,是非ともこの提言に書かれていることを今一度確認していただき,基本設計を進めていただきたい。
・ 特に共通ロビーについて,これは基本設計から出てきたアイデアであるので,そのことも含めてもう一度検討委員会の提言に沿ったものかどうかの検証をしていただきたい。
・ 共通ロビーについても外観意匠の継承として強く提言しているので,このことを振り返って検証していただきたいと思う。また,壁画については橋本委員から由来を御紹介いただいたが,フランソワーズ・ショエ(Choay, Françoise)がほめていた内容については自分自身まったく同感である。
・ あの壁画は意義の高いものだと思うし,あの壁画をどのような形で残していくかについては是非検討していただきたい。
・ 一番重要なこととして,高さの問題については景観シミュレーションから見ても,あの高さが周辺にかなりの圧迫感を与えるのは明らかである。
このことは,提言の最後の6番に記載している再整備基本計画を柔軟に運用するということにつながると思うが,委員長がおっしゃっていた地下空間の活用など,高さを抑える方法があるはずである。
・ 我々としては,提言でも述べているように,1メートルでも低くするという努力をしてもらいたいという提言になっているので,その辺りについては京都市と設計者で是非とも検討をしていただきたい。
・ 順序は逆になっているが,この提言に基づいて設計案を検証していくということを是非お願いしたい。

橋本委員

・ 今,中川委員の発言は当然のことであるが,残念ながら価値継承検討委員会での検討があって,その議論の内容が基本計画に盛り込まれた後に基本設計が進むという環境ではない中で,香山先生には随分と現状を考えながら様々な案を出していただいた。
・ たまたま基本設計と価値継承検討委員会が同時進行しているということで,あたかも香山先生のデザインを材料にしながら批判しているという印象もあったかもしれないが,それは委員会の本意ではない。
・ 本来,京都会館の価値をどのように継承し,伝えていくかということをまとめることが委員会としての一つの役割であったということは重く受け止めていただきたい。
また,一方では,先ほどの道家委員の発言にも関係してくるが,もう一つの側面である建築家の職能性という問題を考慮すると,これまで香山先生が進められてきた内容について,この提言を受けてまったくのゼロから設計を進めることではないと考えている。
・ そのため,是非とも基本設計をまとめるに当たっては,今回の提言に対して,建築家としての香山先生から「この提言に対しては,このように私は解釈した」という理念を示していただきたい。
・ 当然ながら,どの建築家も考え方,歴史観,デザイン・方法論をもっており,これは良い,悪いの問題ではないと思うので,現実的な話として今回の提言に対して,香山先生が自らの理念に基づいて,最終的にこのように設計したということを示していただきたい。
・ こういった理念が,京都市がプロポーザルで建築家としての香山先生を選んだ大きな理由だと思うので,選んだ以上はこの提言は大事であるとしても,香山先生の建築家としての立場を尊重されなければならないと考えているので,総合的な論議の中で京都市には対応をしてもらいたい。
・ 同時に,実施設計や工事に当たっても一連の考え方が最終的にどのように実現するか,私自身の願いでもあるが,最後まで何らかの形でこの事業にはかかわっていただきたいと思うし,その道筋を京都市には用意してもらいたい。
・ これこそが,歴史の大きな流れの中で,今回の京都会館の再整備に当たって,真摯に行われた検討と基本設計にどのように反映され,さらに実施設計や工事にどのように反映されていったかを我々は見守っていく義務があると検討委員会の一人として感じているので,今後の展開をお願いしたい。
・ そういう意味で,今回の提言は,検討委員会で真摯に議論が行われた上でのふさわしい提言であると,私自身岡﨑委員長と石田副委員長によくまとめていただいたものと感じている。

岡﨑委員長

・ 本委員会は,京都市民に長年にわたって親しまれ,また,建築の歴史的価値として高い評価を得ている京都会館の機能向上を図るための再整備において,京都会館の建物価値を継承することができるよう検討するために設置された。
・ 委員の皆様の御協力により,この難問に対して,大変有意義で真摯な議論ができた。
委員の皆様に深く感謝したい。
・ 今後,京都市においては,本委員会の提言を踏まえ,基本設計受託者の香山建築研究所と一層連携し,京都会館の建物価値をしっかり継承した基本設計となるよう,残された期間において,全精力を傾け努力されることを望み,また,期待している。
それでは,事務局に進行をお返しする。

事務局(平竹文化市民局文化芸術担当局長)

・ 本当に熱心に御議論いただき,誠にありがたく思う。
委員会の期間が短期間であったこと,また,委員の皆様は大変御多忙な方ばかりであったため,会議の開催にしても,委員の皆様すべてにできる限り集まっていただけるようにするには,本日のように夕方遅くからの開始ということでお願いすることがこれまでにもあった。
・ そういった状況にもかかわらず,会議に御出席いただき,忌憚のない御議論をいただいたことには心から感謝を申し上げたい。
・ とりわけ,岡﨑委員長及び石田副委員長におかれては,議論が様々な観点からなされるという非常に難しい会議であったにもかかわらず,先ほどから何人もの委員の方から高く評価された提言案として本委員会を締めくくっていただいたことについてありがたく思っている。
・ その内容については,橋本委員からもあったが,大変重いものであると受け止めており,基本設計業務の受託者である香山建築研究所と共にこの提言を消化し,活かしていけるようにして参りたい。
・ また,この委員会については,非常に熱心に傍聴に来ていただいている方もおり,今回も多くの方が傍聴に来ていただいている。
そういった意味でも,京都会館には様々な思い出をお持ちの方がたくさんいらっしゃるということを我々としても改めて知る機会になった。
・ それぞれの方々のお気持ちに応えられるような再整備にしていきたい。
改めて感謝を申し上げる。

3 閉会

by 2011-kyoto | 2012-03-30 00:07 | 2012/03
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