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2013-07-18 学生集会所よ、さらば 京大吉田キャンパス-「京都新聞」
学生集会所よ、さらば 京大吉田キャンパス

京都大吉田キャンパスの学生集会所(京都市左京区)が、今夏に取り壊されることが決まった。築102年で学生施設としては京大で最も古く、数少ない明治期の建物だが、老朽化で耐震性に問題があり、建て替える。世界的に活躍した指揮者の故朝比奈隆さんが在籍した交響楽団や、合唱団などが練習拠点としており、青春時代を過ごした元学生たちが別れを惜しんでいる。

 集会所は木造2階建て。学生交流の場として明治44(1911)年に東大路通近衛上ルに旧京都帝国大が整備した。柱や梁(はり)などの骨組みを装飾的に見せるハーフティンバー様式が特徴で、音楽系を中心に7団体が現在使っている。

 先月16日には合唱団同窓会が「お別れの会」を開き、現役生から80代OBまで約100人が詰めかけた。同窓会長で京大名誉教授の松井三郎さん(69)=右京区=が「素晴らしい時間を過ごした、まさしく青春を謳歌(おうか)した場所」と語り、愛唱歌「琵琶湖周航の歌」などを一緒に歌った。

 合唱団には他大学の学生も多く在籍。京都造形芸術大出身の現代美術家宮永愛子さん(39)=伏見区=は「24時間出入りでき、運営や選曲をどうするか、指揮者は誰がふさわしいか、納得するまで議論し合った。自由さの中で、自分で考え決断することを学んだ」と当時を懐かしみ、「一部でも残してほしい」と残念がる。

 先月8日には宮永さんらが近い世代に呼び掛けて「サヨナラBOX団音」を開催、約210人が集まり、5時間歌い続けた。

 合唱団の京都府立医科大3年永井遼司さん(21)は「集会所は現団員も愛着を持っている。学生が自主的に運営する伝統を守り、新たな歴史をつくりたい」と力を込める。

 集会所は8月にも取り壊し、地上3階地下2階の文化系団体用施設を建設する。
【 2013年07月18日 15時20分 】


■学生集会所よ、さらば 京大吉田キャンパス-「京都新聞」
by 2011-kyoto | 2013-07-18 00:00 | 2013/07
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