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2014-01-21 県庁東館 基礎下で免震…専門家会議-「読売新聞」
庁東館 基礎下で免震…専門家会議

◇丹下健三代表作 外観・内部保存

世界的な建築家・丹下健三(1913~2005)の代表作・県庁東館の保存に向け、専門家による耐震化検討会議(会長=岡田恒男・東大名誉教授)の最終会合が20日、県庁で開かれた。外観や内部をほぼ変えずに耐震化するため、基礎の下に免震構造を取り入れる方向でまとまり、近く報告書を浜田知事に提出する。県は来年度から具体的な工法を検討する。(中筋夏樹)

 建築や文化の専門家7人の委員からは「丹下が香川にまいた(近代建築の)1粒の種で、価値は高い」「50年後も変わらぬ姿で保存してほしい」などの意見が相次いだ。岡田会長が外観の変化を抑えられる免震構造を基本とする方針を示し、おおむね合意を得た。

 一方で、1階ロビーは丹下が県民の集う開放的なスペースとして設計したことで知られるが、活用されていないとの指摘があった。耐震化の費用は30~40億円と見込まれ、「丹下ブランドへの投資として、県民に明確に説明することが必要だ」との意見も出た。

 東館は完成から半世紀以上が経過。県によると、コンクリートの状態は良いが、2012年11月に現在の耐震基準は満たしていないと診断された。浜田知事は同月の県議会で、「防災拠点の一つであり、文化的にも価値が高い」として耐震化して保存する方針を打ち出していた。

 浜田知事は席上、「建築を学ぶ学生はよく見に来るが、一般県民への情報発信は足りていなかった」としたうえで、「他の県有施設の耐震化は14年度にほぼ完了する。意見を踏まえ、東館についても適切に進めたい」と述べた。

◆県庁東館◆ 鉄筋コンクリート8階建て(旧本館)と3階建て(旧東館)の2棟あり、1958年に完成した。日本の伝統建築の梁(はり)の美しさを表現しつつ、1階のピロティやガラス張りのロビーで新しい時代の開放的な公共空間を提示している。99年に国際組織から日本の近代建築20選に選ばれた。昨年は瀬戸内国際芸術祭に合わせて見学ツアーが複数回催され、全国から計1562人が参加した。
(2014年1月21日 読売新聞)

■県庁東館 基礎下で免震…専門家会議-「読売新聞」
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