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2015-02-10 岡崎公園内の樹木伐採に関する緊急の要望書-京都・まちづくり市民会議
岡崎公園内の樹木伐採に関する緊急の要望書

2015(平成27)年2月10日

京都市長 門 川 大 作 様
京都市建設局みどり政策推進室 御中

京都・まちづくり市民会議
岡崎公園と疏水を考える会
(連絡先)
〒606-0847京都市中京区烏丸通二条下ル西側
                 ヒロセビル2階 市民共同法律事務所
TEL075-256-3320 FAX075-256-2198
                京都・まちづくり市民会議 事務局代表
                 弁護士  中  島     晃

 現在、京都市が掲げる「岡崎地域活性化ビジョン」にもとづく施策の1つとして、「神宮道の歩行者専用化」に伴う、岡崎公園再整備工事が施工されようとしていますが、この中で、京都会館の東側にある、公園内に植栽されている多くの樹木の伐採が進められようとしています。

 しかし、これらの樹木は、市民の篤志にもとづく寄贈や記念植樹などもあり、その一本一本が私たち市民に親しまれ、愛されてきたかけがえのない市民の共同の財産です。「岡崎地域活性化ビジョン」においても、「生態系保全」「緑豊かな環境の保全」を謳っており、市民や観光客が四季折々に楽しんでいる多くの樹木、夏の暑さをしのがせてくれている長い樹齢を重ねた大木(樹木周囲100cmを超え、280cm近くもある)などを、行政の都合で一方的に伐採するようなことが許されてよいことなのでしょうか。都市環境を保全するうえで、都市内における樹木、とりわけ公園内の樹木の保存が重視される必要があることは夙に指摘されているところであり、公園の樹木の伐採が安易に行なわれるようなことがあってはならないことと考えます。

 このような視点からいうと、今回の岡崎公園再整備工事に伴う公園内の樹木の伐採については、公園内の樹木保存のあり方からみて重大な疑問があり、伐採の範囲を最小限にとどめるための努力がどこまで尽くされたのかきびしく問われる必要があります。

 以上から、今回の岡崎公園内の樹木の伐採にあたっては、公園内の樹木の伐採計画の全体像について、市民に正確な情報を開示することはもとよりのこと、樹木伐採の必要性について、伐採の便益が保存の便益を上回ること、また伐採以外の方法がなく、真にやむを得ないことなどを具体的に市民に説明して、市民の理解を得るように努めるとともに、これに対する市民の意見を聞いたうえで、伐採の可否を判断するという適正な手続の保障が要求されているものと考えます。

 そこで、私たちは、京都市に対して、今回の岡崎公園内の樹木伐採にあたり、さきに述べた(1)情報の開示と(2)説明責任の履行、さらには(3)市民意見の聴取等の適正手続の確保を強く求めるとともに、あわせて、上述した手続を抜きにした樹木伐採は直ちに中止されるよう、本書をもって緊急に要望するものです。

 京都市が日本を代表する歴史都市として国際的に評価されるうえで、公園内の樹木保存に関して、生態系の保全や都市内の自然環境の保護の視点から、どのような取り組みをしてきているのか、またこの問題について市民の声に真剣に耳を傾けるかどうかがいまあらためて問われていると考えます。

以上のような観点から、京都市がこの問題に関して、私たちの要望に真摯に対応されることを心から望むものです。

なお、さしあたり岡崎公園内の樹木伐採に関して、伐採計画の具体的な内容(伐採する樹木の本数、伐採する樹木の種類及び位置、並びに伐採の必要性、伐採の時期等)を明らかにしていただきたく、遅くとも平成27年2月18日までに書面でご回答下さいますようあわせて要望するものです。

以上 

■岡崎公園内の樹木伐採に関する緊急の要望書-京都・まちづくり市民会議

岡崎公園内の大量樹木伐採やめよ 市民団体が門川市長に緊急要請-「京都民法WEB」
by 2011-kyoto | 2015-02-10 00:00 | 2015/02
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